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シングルマザーが生き抜くために知るべき手当やさまざまな免除制度

そなえる 内山 貴博

シングルマザーが生き抜くために知るべき手当やさまざまな免除制度

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いま、母子世帯の約80%は離婚が原因であることが、厚生労働省の調査で分かっています。これは死別の8%に対して圧倒的に高い比率です。もちろん、さまざまな理由があっての決断だとは思いますが、離婚後にシングルマザーとして子供を育てながら生活をしていくということは決して簡単なことではありません。

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母子家庭に各種手当を支給する国や自治体の制度はたくさんありますが、申請にはさまざまな受給資格や条件が設けられたり、申請方法も複雑であったりします。そのため、内容をしっかりと理解しておく必要があります。今回は、そんなシングルマザー向けへの手当を中心とした各種制度についてまとめました。

シングルマザーの現状と所得の状況

困窮する母と子
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母子世帯数は平成7年には52万9631世帯でしたが、20年後の平成27年には75万4724世帯へ増加しています。一方で、父子世帯はほぼ横ばい、平成17年からはむしろ減少しており、平成27年時点では8万4003世帯。離婚後に母親が子供を引き取るというケースが多く、またその数も増えていることが分かります。(国勢調査より/平成29年度 母子家庭の母及び父子家庭の父の 自立支援施策の実施状況 )

母子世帯の半数以上がいわゆる貧困層に該当するという指摘もあります。以下の調査結果から分かるように、母子世帯は両親がいて子供を育てている「児童のいる世帯」の所得平均を大きく下回っています。年金を中心に暮らす高齢者よりも低い現状にあります。

厚生労働省「平成29年国民生活基礎調査」

では、それぞれの手当について見ていきましょう。

1. 児童手当

児童手当はシングルマザーに限らず、中学校卒業まで(15歳の誕生日後、最初の3月31日まで)の児童を養育している人を対象に支給される手当です。なお、父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方に優先的に支給されますので、その点も覚えておいてください。

・支給額
いくら給付されるのか、対象児童の年齢によって以下のように決まっています。

・支給時期
原則として、毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当が支給されます。よって、小学生が2人いる家庭の場合は年3回、4カ月分がまとめてもらえるため、8万円が年3回支給されることになります。毎月支給ではないので、計画的に将来の学費の準備や養育費用として活用してください。

・手続き
毎年、現状を確認するために現況届が市町村役場から郵送で届きます。大きな変更がなければ、特に記入に手間がかかる書類ではありません。確実に手当をもらうために速やかに返送しましょう。

なお、一定の所得を超えると上記金額にかかわらず、児童1人あたり月額5000円の支給となります。子供1人扶養の場合で年収の目安が875.6万円、2人の場合917.8万円となっており、シングルマザーに限らず子育て世代で制限を超えるケースというのはそれほど多くありません。

2. 児童扶養手当

児童手当は子供のいる親がもらえますが、一方、児童扶養手当は離婚による一人親世帯を対象としています。支給に関する内容を紹介します。

・支給対象者
18歳の誕生日を迎えた日以後の最初の3月31日までの間にある児童(障害児の場合は20歳未満)
を監護する母、監護し、かつ生計を同じくする父または養育する者(祖父母等)

・支給要件
父母が婚姻を解消した児童、父または母が死亡した児童など。よってシングルマザーは支給要件を満たしています。

・支給額
子供1人の場合、満額の「全部支給」で4万1430円(月額)です。所得水準によって「一部支給」となれば、9780円~4万1420円の範囲内で支給されます。子供2人以上であれば、この金額をベースに加算額があります。2人目は5000円(月額)、3人目以降1人につき3000円(月額)です。

・所得制限
「全部支給」される場合の年収(前年)の目安は、子供1人の場合160万円、2人の場合215万7000円です(平成30年8月より)。これ以上年収がある場合は「一部支給」となり、所得額に応じて手当が減額されます。年収はあくまで目安であり、判定基準となる所得とは異なるため、一部支給に該当する可能性がある場合は事前に市区町村役場で確認してください。

・支給時期
 年6回、奇数月に2カ月分が支給されます。(平成31年11月より)

3. 一部の自治体でもらえる「児童育成手当」

東京都が中心に行っている制度で、児童の心身の健やかな成長に寄与することを目的に支給されるものです。親の離婚や死別などが支給の要件となっており、所得制限などがありますが、月額1万3500円が年3回に分けて支給されます。自治体の中にはこういった手当や助成制度を設けている場合がありますので、お住まいの市町村のホームページ等で確認してみてください。

4. 母子家庭の住宅手当

離婚して経済的に困っているシングルマザーなどを対象とした住宅手当を実施している自治体もあります。市町村単位で実施の有無や内容、名称も異なりますのでぜひ一度、住所地の役場で確認してください。例えば、母子家庭の家賃補助、住宅補助に関しては、一定額の家賃を負担する制度を設けている自治体もあるようです。

条件を満たした母子世帯が入居できる施設を有している自治体もあります。家賃の補助や生活面のサポートなど、さまざまな支援を受けられる可能性があります。生活する上で何よりネックになるのが家賃です。毎月負担するものなので、少しでも早く、何か良い方法がないか、役場等で確認をしてみてください。

5. 母子家庭(ひとり親家庭)の医療費助成制度/こども医療費助成

こちらも自治体によって異なる制度ですが、シングルマザーの医療費負担を軽減すべく、月あたりの医療費に上限を設けている場合や医療費を無料にする場合などがあります。働きながら子供の面倒を見るなかで、自身や子供の病気で医療費がかさむのは本当に大変です。また子供が小さい頃は特に、急な発熱やケガなどで頻繁に病院に行くことも多いでしょう。どの程度助成してもらえるのか、こちらもあらかじめ役場等で確認してみてください。

6. 母子家庭の遺族年金

母子家庭となった理由が死別の場合は、遺族年金が支給されます。遺族年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金の2つに分かれます。

 

亡くなった夫が厚生年金に加入していない自営業の場合は遺族基礎年金のみとなります。また、遺族厚生年金は夫の加入歴や報酬などによって異なります。

※それ以外に支給される場合もあります

遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」が対象のため、そもそも子供がいない場合は支給されません。また、子供とは原則高校卒業(18歳)までが対象のため、例えば2人子供がいる場合は、子供2人分を加算すると年間約120万円、長子が高校を卒業すると約100万円に、そして2人とも高校を卒業すると遺族基礎年金は終了となります。

他にも母子家庭が受けられる補助や免除があります。次はそれらについて見ていきましょう

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