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シングルマザーが生き抜くために知るべき手当やさまざまな免除制度 (2ページ目)

そなえる 内山 貴博

母子家庭が受けられる補助や免除について

握手する女性たち
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1.  寡婦控除

離婚・死別・生死不明問わずシングルマザーとして子供を育てている場合、所得税の計算において一定の所得控除があります。
控除額がいくらになるか?本人の合計所得金額によって異なります。

なお、住民税にも同様の制度があります。

2. 国民年金の免除

会社勤務をして厚生年金に加入していない場合は、60歳になるまで国民年金に加入し、国民年金保険料を払わなければなりません。ただし、所得が低い場合は保険料が免除される仕組みがあります。免除は「全額免除」「半額免除」「4分の3免除」「4分の1免除」の4つのパターンがあります。

免除の対象となる所得基準は、前年の所得が以下の計算式で示した金額の範囲内で決まります。

・全額免除
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円 
・4分の3免除
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 
・半額免除
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 
・4分の1免除
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

一度、自分が免除の対象でないかどうか、役場の国民年金保険課などに問い合わせしてみてください。役場では住民税を通して住民の所得を把握しているため、すぐその場で目安を教えてもらえますよ。ただし、正式に免除が承認されるには少し時間がかかります。

前年の所得が低い場合は、翌年の7月から前年所得を基にした免除申請ができます。いずれにしても、国民年金保険料の納付が厳しい場合は、早めに役場まで問い合わせてください。
払えずにそのままに放置していると「未納」となり、未納は免除と比べるとさまざまな面で不利となります。その点ご注意ください。

3. 国民健康保険の免除

国民健康保険も国民年金と同様です。会社を通して健康保険に加入できない場合は、国民健康保険制度に加入することになります。残念ながら国民年金のように全額免除とはなりませんが、保険料を算出する際の「均等割」や「平等割」が最大7割軽減される措置があり、大幅に保険料が軽減される場合があります。もちろん、その世帯の所得次第ということになります。この制度も申請が必要となりますので、役場で手続きをしてください。

4.  保育料の負担はどうなる?

令和元年10月より保育料の無償化が始まり、シングルマザーに限らず子育て世代の負担は大きく軽減されました。

・認定外などの負担はいくら?
以下の表のように、施設の状況によって完全無料となる場合とそうでない場合があります。

また、これに加え、市区町村が独自の減免措置を行っている場合がありますので、それらも合わせて役場等で確認してください。

5. その他市町村等による手厚い生活支援も

ひとり親世帯の日常生活を支援すべく、自治体単位でさまざまな制度が積極的に行われています。各自治体のホームページをチェックする、同じ自治体に住んでいるシングルマザー同士で情報交換などを積極的に行うなどの行動が大事です。

例えばJRの定期代、駐輪場などの減額措置をはじめ、養育費に関わる法的手続きの補助などまで、幅広く支援をしてもらえます。金銭面のみならず相談窓口が充実している自治体も多いので、「こんなこと聞いていいのだろうか?」などとためらうことなく、不便に感じていることなど積極的に相談するのも1つの方法です。

次は、手当や補助を受けながら、もっと安心して生活ができるようになるための方法についてです。