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軽減税率はいつまで続く?持ち帰りやイートイン申告による混乱状況は

ためる 権藤 知弘

軽減税率はいつまで続く?持ち帰りやイートイン申告による混乱状況は

【画像出典元】「iStock.com/-Oxford-」

目次

2019年10月から消費税が8%から10%へ増税しましたが、同時に生活に欠かせないものについては税率を据え置きにする「軽減税率」が導入されました。この記事では、これまでの消費税がどう変わってきたか、また、今回の税率変更で初めて導入された軽減税率の制度を改めて確認していきましょう。

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1.  軽減税率って?おさらい

1989年(平成元年)の4月に消費税が初めて導入されました。このときの税率は商品やサービスの価格に対して3%でした。筆者は1989年4月に大学に進学し一人暮らしを始めましたが、1000円の商品に対する3%で合計1030円を支払うことに強い違和感があったことを記憶しています。またアルバイト先の店頭でお客様と消費税に関する話題もよく出ていました。その後、1997年(平成9年)4月に消費税率は5%にアップ、2014年(平成26年)4月に8%に税率が変わりました。

このように消費税率は段階的にアップして今回の10%になりましたが、増税によって日々の生活における負担がなるべく増えないように、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に、消費税を8%のままに据え置く軽減税率制度が導入されました。

2.  軽減税率が始まって2カ月、現場では混乱が起きている?

レストランで食事をする家族
【画像出典元】「iStock.com/praetorianphoto」

2-1. 消費者編

軽減税率が導入される前に盛んに取り上げられていた「コンビニでコーヒーを買った場合、持ち帰りなら8%、店内のイートインで飲むと10%」など、同じ商品でも税率が変わるややこしさに関しては「店内飲食と持ち帰りの価格は別」、「店内飲食と持ち帰りの価格を同一にする」など企業によって対応は分かれました。ただし消費者側では基本的にはレジで請求された金額を支払うだけですので、支払うということに関して大きな混乱はしていないように見えます。

2-2. 事業者編

さて、消費者よりも軽減税率で大変なのは事業者の皆さんです。軽減税率(8%)分と、それ以外の商品に適用される標準税率(10%)を分けて、商品管理や経理処理、消費税の申告・納税をすることになります。また免税事業者の売り上げには、これまでと同じく消費税が課されませんので、消費税の申告や納税を行う必要はありませんが、納品先から適用税率ごとに区分して記載した請求書(区分記載請求書)を求められる可能性もあります。
ようやく現場が落ち着いたと思ったら、今後は消費税申告ということで事業者にはまだまだ大変なことが続きます。

3.  軽減税率、対象と対象外おさらい

消費税10%への増税に合わせて導入された軽減税率ですが、これは消費税が8%のまま据え置かれたものを指します。改めておさらいをしてみます。

3-1. 飲食料品(食品表示法に規定する食品【酒税法に規定する酒類を除く】をいい、外食は含まれません)

この飲食料品が、コンビニのイートインコーナーや、一部の牛丼チェーンなどで、店内飲食か持ち帰りで異なり、混乱のもとになりました。この場合「持ち帰る=惣菜扱い」と考えられて税率8%、「店内で食べる=外食」なので税率10%という扱いです。

3-2. 定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞

自宅やオフィスに配達される新聞は定期購読契約なので税率8%、コンビニや駅などで新聞を購入するのは定期購読契約ではありませんから税率10%となります。

 
政府広報オンラインより

4.  「一体資産」の適用税率の判定は?

また一部で「結局8%か10%か判定が難しい」となっているのが一体資産とよばれる商品です。
これは食品と食品以外のものが一体になり販売されている商品のことをいいます。簡単に表現するとオマケつきの食料品です。

オマケつきの食料品は、
(1)税抜き価格1万円以下 
(2)食品部分の価格が全体の3分の2以上

という条件を満たすと8%の軽減税率が適応されます。

そのためオマケつきの食料品を複数購入しレシートを見てみると、税率が8%と10%が混在しているかもしれません。大人はなんとなく分かっても、おこづかいでの買い物を楽しみにしている子どもたちには分かりにくいですね。

5.  軽減税率って結局、期間はいつまで?

疑問に思う女性
【画像出典元】「iStock.com/metamorworks」

この8%に据え置きをされている軽減税率ですが、いつまで実施されるかは2019年12月現在では決まっていません。軽減税率は消費税法という消費税について定めた法律にのっとり実施されている税率で、消費税法では「期限を〇〇までにする」等

などの規定がされていないため、期限が決まっていないということになります。いつまでということは決まっていませんが、おそらく相当な期間は実施されると思われます。

余談ですが「8%なのか、10%なのか興味があるから調べてみよう」という方には軽減税率チェッカーというサイトもありますので、試してみると面白いかもしれません。

6.  キャッシュレスのポイント還元も上手に利用して負担を減らそう

今回の消費税のアップが少なくとも消費者レベルでは大きな話題になっていないのは、やはりキャッシュレスのポイント還元事業が同時に始まったことの影響ですね。

キャッシュレスのポイント還元事業は2019年10月1日の消費税率引き上げに伴い、2020年の6月末までの9カ月間に限り導入されている制度です。

対象店舗は原則として中小企業が対象で、「キャッシュレス事業に申請をしている店舗」で会計をした場合のみポイント還元が適応されるため、キャッシュレスだから全部のお買い物でポイントが還元されるということではありません。

またポイントは購買金額の5%、フランチャイズチェーン傘下の中小・小規模店舗では2%が還元されます。なおコンビニエンスストア大手では会計時にキャッシュレスであれば2%分が即時に還元されています。
このポイント還元ですが、クレジットカード・デビットカード・スマホのQRコード決済・交通系を含む電子マネーなどさまざまな種類のキャッシュレス決済が対象になっていますが、なかには対象外の決済サービスもありますのでご注意ください。またポイント還元の方法も請求金額からポイント分を減らすものや、カードで獲得する各会社のポイントを上乗せするものなど違いがあります。ご自身にとって使い勝手の良いサービスを活用してください。

7.  まとめ

下記の表は財務省がまとめた各国の消費税と、食品などに適応される軽減税率を比較したものです。

 
財務省作成
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/itn_comparison/j04.htm

上の表を見ると軽減税率の制度そのものは世界中で導入されていることが分かります。
ただ特徴的なところでは、各国の消費税にあたる税金は購入価格の20%前後が多く、それに対して軽減税率は低く抑えられている国が多いことです。
この表を見ると日本の10%に対する軽減税率8%は、税率そのものが他国より低いこともあって目立たない=あまり恩恵を受けていないようにも思われます。ただし、少子高齢化社会がさらに進むと、社会保障費など福祉にまわすお金も増加していくことが予想されます。その不足分を補うために消費税のアップは今後も避けられないでしょう。
仮にアップしたとして、そのときに軽減税率の制度が維持されれば今よりも税率の違いを実感することになりそうです。
いずれにしても消費者側は請求された金額を支払うだけですが、事業者側はその対応に追われるということに変わりはなさそうです。
また、今回の増税に関していえばキャッシュレスのポイント還元を同時に行うことで「増税になっているけど、あんまり変わってないよね」という印象を持たれている方も多く、来年の7月以降にポイント還元制度が終了することで増税を実感する人が増えそうです。

最後に、キャッシュレスのポイント還元だからといって使い過ぎには気をつけてくださいね。

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軽減税率に関するQ&A

Q. イートインスペースで軽減税率が適用されるケースとされないケースは?

テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備があり、その場で飲食をすると「食事の提供」となり、軽減税率は適応されません。つまりイートインスペースで飲食することは基本的に全て軽減税率の対象外です。

Q. コンビニで購入したものをコンビニの駐車場で食べるのはどういう扱いになる?

店舗の敷地内ではありますが、店舗が準備した飲食用の設備は使用していませんので、持ち帰りの食料品として8%の軽減税率が適応されます。

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