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ビットコインでなくても20代こそ仮想通貨な理由、今さら聞けない仕組みや始め方を解説 (2ページ目)

ふやす 内山 貴博

3-2 仮想通貨のメリットとは?2つの魅力と今後の将来性

仮想通貨の現時点でのメリットは、

1. 資産を分散することでリスク分散できる
2. 価値の上昇による高い収益が期待できる

以上の2つがあげられます。1つ目のメリットである資産の分散は仮想通貨に限らずとても重要なことです。特に私たち日本人は資産運用にやや保守的といわれており、株式や不動産などに投資をし、価格が下落するリスクを恐れがちな現状にあります。

その結果、日本人は資産が日本円に偏りがちです。しかし今後も日本円が今と同じ価値であり続けるかどうか、誰にも分かりません。物価が上昇すれば相対的にその価値は弱くなりますし、財政赤字や少子高齢化など日本が抱える構造的な問題から、他国通貨よりも日本円が弱くなる可能性もあります。そんなときに備えて日本円以外の資産を有しておきたいところです。

その1つの対象として将来さまざまな可能性が期待されている仮想通貨に投資をしておくことは大きなメリットになるでしょう。まずは「全体の資産の1割を超えない範囲」などルールを決めて仮想通貨に資産をシフトするのも1つの方法です。

2つ目のメリットはやはり大きな売却益が期待できるということです。例えば株式においても日本株など経済的に発展を遂げた先進国の株価よりもアジア各国など成長国の株価の方が価格が大きく変動する傾向にあります。

仮想通貨は今後、大きな価値上昇が期待される一方で、まだ信頼度なども含め未熟であるという見方もあり、値動きが大きくなりがちです。その結果、短い期間で何十倍、何百倍と価格が上昇した仮想通貨もあるため、価格が下がるリスクとは常に背中合わせですが、大きなリターンを得られるという点は大きなメリットとなります。

今後は、仮想通貨が実際の「通貨」としての役割を果たすことも期待されており、決済機能として世界中に低コストで瞬時に送金でき、また受け取って買い物ができる、というような状況も想定されます。もちろん今でも可能ですが、買い物ができる場所が限られているのが現状です。一段と普及することになれば、仮想通貨の価値はさらに上昇しそうです。

4.電子署名とは?

デジタルデータの所有を証明するため、公開鍵暗号方式を用いて行う署名のことです。デジタル署名ともいわれ、取引を送信する際に利用されます。仮想通貨は日本円のように手元で保有し管理することができません。そこで、「自分の通貨である」、「自分の取引である」ことなどを証明するために公開鍵や秘密鍵というものを用いて、署名することで本人確認の役割も果たします。

5.ブロックチェーンとは? 

ブロックチェーンは「インターネット以来の発明」といわれており、仮想通貨の決済はもとより、今後さまざまな産業での活用が期待されています。では、ブロックチェーンとはいったい何なのかを説明します。

まずは、その名の通り、ブロックをチェーンで結びつけるということ。そして、ブロックをそれぞれの取引履歴だと思ってください。仮想通貨を使った送金や決済の1取引を1つのブロックとしてどんどん結びつけていき、その輪が広がり、公開されているというイメージです。ただし、個人情報が公開されるのではなく、ハッシュ関数という暗号化によってブロックに記録されています。

仮想通貨ではなくリアルな通貨、つまり実際のお金は、日本銀行が中心となり、各金融機関を通じて流通量などがコントロールされています。一方、仮想通貨は日本銀行のように中央で集約する機能がなく、それぞれ個々の取引が中心となって展開されているのです。

【画像出典元】iStock.com/kate_sept2004

ある一家(田中家)のお金の管理をたとえにすると、本来なら「お母さん」が家計の支出、お父さんや子供たちのお小遣いなどを管理しており、田中家のお金事情はお母さんがしっかり把握して家計が成り立っているとします。

今日もお父さんが「飲み会があるから、今月はお小遣いとは別に少しお金が欲しい」とお母さんにお願いしているようです。言うなれば、これが実際のお金の仕組みであり、お母さんは「日本銀行」ということになります。

ただ、毎回お母さんに頭を下げたくないお父さんは「子供たちからお金を借りて、翌月返すことができれば・・・」といった発想が芽生えます。田中家の長女は高校生。お年玉などでそれなりに貯金もしています。今月ピンチとなったお父さんが直接長女にお金を借りることにしました。

もちろん、お母さんには内緒です。お父さんがお金を返してくれなかったら困るので、長女は「お父さんに1万円貸した。来月15日に返してもらえる」といったメモを残しました。ただし、翌月になってもお父さんのお財布は厳しい状況。「今月は5000円だけ返すから、残りは来月でいいか?」とお父さんが長女に交渉しています。

このようにお母さん(中央集権)を介さずにお父さんと長女の取引が実現するようになり、長女が記載したメモがブロックです。5000円返済したという次のメモともつながっていきます。これがブロックチェーンです。

このように、非中央集権システムで個々が取引を行うことができるのがブロックチェーンの特徴です。なお、ブロックチェーンは「パブリック型」と「プライベート型」の2種類があります。中央で管理する人がいないタイプをパブリック型といい、管理者がいるタイプをプライベート型といいます。

さきほどの田中家は管理者がおらず、父と長女、長女と母といった具合に取引が行われますが、例えば、長女が管理者となってお父さんとの貸し借りだけを中心に取引を行っていくことも可能です。管理者がいて、長女とお父さんという取引参加者も限定されています。こういうタイプをプライベート型といいます。実際に、金融機関や企業などが独自で運用しているケースなどがそれに該当します。

6.マイニングとは?

ブロックチェーンの仕組みを知るうえで欠かせないのが、「マイニング(採掘)」という言葉です。金を発掘するように、新たな仮想通貨を見つけることだと捉えてください。

上のブロックチェーンで紹介したように、送金を行うと、その取引が1つのブロックとなります。ただし、この段階ではまだ送金は終了していません。このブロックをチェーンでつながなければなりません。このブロックをつなぐ作業をマイニングといいます。そしてマイニングを行う人をマイナーと呼びます。

マイナーのおかげでブロックチェーンという仕組みが維持されているため、速く、正確にできた人が報酬として仮想通貨を受け取ることができるのです。仮想通貨は発行に上限があり、新たに発行されるのはこのマイニングによって報酬が払われるときだけです。

仮想通貨といえば、価格が高騰して利益を狙うというイメージがありますが、マイニングで儲けることも可能です。ただし、高性能のシステムを有した企業がマイニングを行っていることもあり、個人がマイニングで稼ぐというのは難しいかもしれません。特に初心者の場合はマイニングについては少し後回しにして、まずは仮想通貨の売買を行うことから始めてみてください。