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ビットコインでなくても20代こそ仮想通貨な理由、今さら聞けない仕組みや始め方を解説 (3ページ目)

ふやす 内山 貴博

7.仮想通貨のデメリットとは?3つの欠点やリスクを解説

リスク
【画像出典元】「iStock.com/patpitchaya」

7-1 仮想通貨のデメリット3つ

今後さらに価値が上昇することが期待される仮想通貨ですが、デメリットもあります。1つ目は大きな価値暴落、価格下落リスクです。大きく価格が変動しやすいため、価格が下落する可能性も十分に想定した上で取引を行ってください。

2つ目はパソコンやスマートフォン上で取引することが大前提であることです。便利ですが、例えばパスワードや秘密鍵を忘れた場合に「気軽に再発行」というわけにはいきません。

実際に多くの人がウォレットのパスワードを忘れ、仮想通貨を引き出すことができなくなったという経験談をネット上や書籍などで語っています。インターネット上での取引であるためハッキングされる可能性もあります。こういったセキュリティ面も含め、しっかりと管理することが求められます。

3つ目は、国・政府の規制が厳しくなるリスクをあげたいと思います。仮想通貨は日本銀行が管理する法定通貨ではないため、ある意味、国・政府の方針にかかわらず自由に取引できるという見方もできますが、実際は「法定通貨ではない」ことから現在もさまざまな規制があり、今後も厳しくなる可能性があります。

極論ですが「仮想通貨は必要ない。」ということになれば、無価値化するリスクもゼロとは言いきれません。

7-2 仮想通貨のハッキングのリスクとその対策方法

暗号資産としてインターネット上でやりとりしている以上、ハッキングのリスクはつきません。今後も多少のリスクは想定しておくべきでしょう。ただし、仮想通貨には「ウォレット」という仕組みがあります。

ウォレットは財布という意味、インターネットにつながっているホットウォレットとつながっていないコールドウォレットがあります。スマホ上で売り買いをする場合は、ホットウォレットで気軽に売買などをしやすいというメリットがありますし、安全面を優先するのであれば、コールドウォレットを活用してください。専用ソフトを使ってパソコンのデスクトップ上で保管するといったやり方があります。

仮想通貨に限らず、私たちの持つお金も盗難被害のリスクは少なからずあります。できる限りのセキュリティ対策をとっておきましょう。

8.仮想通貨を始めるには?

株式投資の場合は証券会社に口座を開設し、その会社に注文を出すことで株式を購入することができます。仮想通貨も同様に仮想通貨交換業者(取引所)を選び、口座を開設します。業者によって取り扱う仮想通貨の種類やコストなどが異なるため、どこの交換業者で取引を行うかということがまずは重要なポイントとなりそうです。

8-1 口座開設までの流れ

どこの業者に口座を開設するか?これは仮想通貨取引所の比較サイトがいくつもありますので、そういったサイトを参考にするのも1つです。初心者が取引しやすく、また金融庁に登録されている業者が信頼できる業者といえます。GMOやDMMなどが候補となりそうです。

口座開設は原則無料で、方法はいたって簡単。インターネット上で重要事項を確認し、個人情報などを入力。本人確認のために免許証の写真などを添付し、送付するボタンを押せば完了します。それほど時間はかかりません。

その後、2段階認証が行われるため、携帯電話のショートメールに送られてくる認証番号を登録、そして自宅にも認証番号が送付されますので、その番号を入力することで口座開設完了です。これで仮想通貨を取引できます。(業者によって認証方法などが異なる場合があります)

8-2 入金から出金までの取引の流れ

次に入金用の銀行口座を画面上で入力します。その後、銀行のサイトへつながるなど、業者によって方法は多少異なりますが、入出金に使う銀行口座を指示に従い登録してください。そして初めての場合、日本円を入金することで取引が開始となります。銀行振込やクイック入金といって、業者の画面から即時入金できるサービスもあるので活用してください。

その後は株の取引と同様です。株式であればどの銘柄を買うか?というところが、どの仮想通貨を買うか?ということになります。売買単位など通貨によって異なるので注意してください。

執筆現在、1ビットコインは約93万円。これを0.001単位で購入できるため、約930円が最小単位となります。仮想通貨の場合、このような小数点以下の単位もあるため、慣れるまで少し複雑に感じるかもしれません。

株価が毎日変動するように仮想通貨も変動します。資産の分散として仮想通貨を長期保有するのも1つの方法ですし、価格の変動に着目して一定水準に到達した場合、売却することもできます。売却すると日本円として指定銀行口座に出金することができます。

9.知っておきたい仮想通貨の用語集

●アルトコイン
ビットコイン以外のコインを総称してアルトコインといいます。Alternative(代替の)という意味です。

●ウォレット
財布を意味し、仮想通貨においては残高を記録します。デスクトップウォレット(PC上のウォレット)、モバイルウォレット(スマートフォンのアプリ上のウォレット)や専用端末を使うものなどさまざまです。

●サトシ・ナカモト
ビットコインの生みの親。ただ、正体は不明です。2008年に「Bitcoin: A peer-to-peer Electronic Cash System. (Nakamoto)」という論文が発表され、その論文をきっかけにビットコインが開発されました。PDF9ページ(原文英語)と非常に短い論文ですが、計算式やコードなども記載があり、今でもネット上で見ることができます。日本語版もアップされています。仮想通貨の本質を知りたい方は論文を読むことをおすすめします。

●レバレッジ取引
少額の証拠金を元手に、その金額よりも大きな取引を行うことです。預けている額に対し
て、利益も損失も大きくなります(ハイリスク・ハイリターン)。

●51%リスク
ある人がマイニング計算量の51%以上を有した場合、仮想通貨の保有・移転管理台帳記録のネットワークが前提としている認証が正常に機能しなくなる可能性があります。株式の場合も過半数を所有した株主に大きな決定権が与えられるのに近いイメージです。
その結果、不正な取引が行われるリスクもあります。

●BTC
 ビットコインの単位です。1BTCが〇円と表示されます。

10.仮想通貨の将来性に期待して

世界中で取り引きされる仮想通貨
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電話といえば固定電話が当たり前の時代がありましたが、今は多くの人が携帯電話を持つようになり、メールでやりとりすることも一般化しました。さらにはLINEも一気に普及し、学校や会社などの連絡手段はグループLINEが利用され、既読という表示で相手が読んだことさえも確認できるように。気付けば固定電話を持たない人も多くなりました。

生活基盤の1つ「通信・電話」がこのように変遷を遂げたように、「お金」もどんどん形を変えてきています。電子マネーやキャッシュレス決済がその一例です。そしてその先には仮想通貨が主役になり、ますます私たちの生活が便利になるかもしれません。

私たちは生まれたときから千円札や1万円札が一定の価値があると信じ、疑うことなく使ってきました。将来的に無価値になるかもしれないということを考えながら買い物をしている人はほとんどいないと思いますが、紙幣は1枚当たり製造コスト20円程度の紙です。未来永劫、価値があり続けるとは限りません。

世界に目を向けると破綻した政府はたくさんありますし、キャッシュレス決済が浸透した理由に「偽札が多く信用できないから」という国もあります。仮想通貨を購入している人の中には、実際の通貨への不安感も1つの要因のようです。

リスク管理として資産を分散するのは大原則です。その分散先の1つとして仮想通貨は今後大きな役割を担うかもしれません。そしてグローバル化の中、世界中へ簡単に送金できる決済機能としても存在感を示していくでしょう。今のうちに少額から仮想通貨を保有しておくのも、将来への備えとなりそうです。

FPがぶっちゃける!「仮想通貨」は今後どうなる?

消費者のためのわかりやすいFinTech(フィンテック)~第1回「お金とITの融合」~

仮想通貨に関するQ&A

Q  waonカードなどの電子マネーと仮想通貨はどう違うの?

仮想通貨は通貨としての価値があり、その価値は変動します。さらには実際の通貨への換金も可能です。一方、電子マネーは通貨ではありません。電子的なお財布だと思ってください。そのお財布に入金(チャージ)をしているだけなので、価値も変わることはなく、原則、換金もできません。これらが大きな違いです。

Q コインチェック事件とはどのような事件だったの?

仮想通貨取引所のコインチェックが取り扱う仮想通貨の1種類であるネムがハッキングによって流失しました。通常、ネットにつながっていないコールドウォレットという仕組みで仮想通貨を管理していますが、コインチェックはネット上で管理していため狙われてしまいました。顧客はその後、日本円で一定の補償を受けることになりました。
 

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