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老後2000万問題で増加「確定拠出年金」を上手に運用するテクニック

そなえる 権藤 知弘

老後2000万問題で増加「確定拠出年金」を上手に運用するテクニック

【画像出典元】「iStock.com/metamorworks」

目次

2019年に「公的年金だけでは老後の生活費が不足する」として大きなニュースとなった老後2000万円問題。これを機に「確定拠出年金」という言葉も話題になりましたが、皆さんはスタートしていますか?

・興味はあるけど何だかよく分からない
・会社で入っているけど最初に設定したままで何もしていない
・頑張って自分で手続きした

いろんな方がいると思いますが、今回は企業型DC・401Kとも呼ばれる確定拠出年金(企業型)について上手な運用方法をお伝えします。

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1.  確定拠出年金とは

確定拠出年金という言葉を分解してみると次のようになります。

確定→ 決められた一定の金額
拠出→ 積み立てる
年金→ 老後に受け取る

一定の金額を積み立てて60歳以降に老後資金として受け取る制度のことを確定拠出年金と呼びます。この確定拠出年金は「会社が積立金を出す企業型」と「個人の資金から積み立てる個人型」の二つに分かれています。

バブル崩壊後、景気の低迷などの影響により、各企業で積み立て・運用して退職金や企業年金など従業員へ渡す資金を準備することが困難になりました。その時代に登場した制度が「資金は会社で積み立てるから運用は自分でやってね、上手に運用すると資金が増えるから。けど、運用に失敗して資金が減っても自己責任なので頑張って。あと節税効果もあるからヨロシク」という確定拠出年金制度(企業型)です。

確定拠出年金制度(企業型)の特徴として

・資金は企業が出し、運用指示は従業員自身で行う
・運用時、受取時、積立時に税制優遇措置がある
・60歳までは受け取りができない
・転職や退職時も次の勤務先や個人で運用を継続できる
・運用成績によって将来受け取れる退職金・年金が変動する 

などがあげられます。

2.  運用商品の種類について

資産運用
【画像出典元】「iStock.com/Chainarong Prasertthai」

さて一口に運用といっても投資経験のない方にとっては怖いイメージがあると思います。
確定拠出年金は「定期預金などを活用した元本確保型の運用商品」と「投資信託を活用し、運用結果により資産価値が増減する元本変動型」の二つのタイプの金融商品を自分で選んで運用を行っていきます。

元本確保型

運用で積立金を増やすという効果は期待できませんが、元本を減らすことはありません。そのため60歳の受け取り時期が近く、積み立てた資金を減らしたくない人や、どうしても運用のリスクの心配をしたくない人が元本確保型を選んで運用しています。

元本変動型

みんなから資金を集め、集めた資金を運用の専門家が広く分散して投資するという、金融商品である投資信託を使って運用していくのが元本変動型です。投資先は株式、債券、不動産など多種にわたり、投資先も日本国内や海外など種類はさまざまです。上手に運用すると貯金以上のリターンを得ることができますが、マーケットの状況によっては元本割れするリスクを持っているのが元本変動型の特徴です。

3.  運用の仕方や選び方が分からない人へ、考え方やテクニックを紹介

確定拠出年金をうまく活用するためのポイントは「60歳のゴールまで何年あるか?」につきます。積立金が増えてても、元本割れをしていたとしても受け取れるのは60歳からになります。そのため、ゴールまでの時間が短い方は元本確保型の商品や債券を中心とした投資信託を選んでリスクを抑えた運用を行った方が良いでしょう。

20代や30代など、60歳までの運用期間を長く取れる人は、株式型の投資信託を活用して積極的に運用をしていくのがおすすめです。このように元本確保型と元本変動型の併用ができるので年代によって投資先を変えていくと良いでしょう。

と、いってもよく分からないという方が多いと思いますので商品選びの基本的な考え方として

・20代~40代  → 株式型の投資信託を中心とした積極的な運用
・50代前半   → 株式と債券を50%ずつのバランスを重視した運用
・50代後半   → 債券型の投資信託や元本確保型に資金を移してリスクを減らした運用

また選ぶ投資信託は、手数料が安い「インデックス型」や「パッシブ型」という言葉がついているものを選びましょう。「アクティブ型」の場合は手数料負けしてしまう可能性があります。

もし、どうしても分からないという方は、どの年代であっても「日本株式25%・国内債券25%・先進国株式25%・先進国債券25%」の4つの分野に分散投資をしている、手数料の安いインデックスタイプのバランス型投資信託で積み立ててもいいでしょう。

4.  確定拠出年金は20代から入っておくべき?

豊かな老夫婦
【画像出典元】「iStock.com/dolgachov」

メリットの多い確定拠出年金ですが60歳までは資金の引き出しができません。そのため、20代の方で「選択制企業型確定拠出年金」を採用されている企業にお勤めの方には、積極的におすすめがしにくいところもあります。

選択制は毎月の給与の一部を確定拠出年金に積み立てますので、積み立てた資金は60歳まで引き出しができず、結婚や出産などライフスタイルが大きく変化する際に手元にお金がないという可能性があります。

資金的な余裕があれば確定拠出年金も積極的に活用するほうが良いのですが、手元に自由になる資金がある方がお金の流動性が確保できます。ただし、手元にお金があると使ってしまうという方は60歳まで取り崩しができないこともメリットになりますね。

5.  60歳までの時間から逆算をして商品選びを

私がよく相談を受ける内容としては「何を買ったらいいか分からない」という内容が圧倒的です。この質問があった場合、上にも書きましたがゴールである60歳までの時間から逆算をして商品を選ぶことをアドバイスしています。泣いても笑っても60歳までは引き出しができないので、若い人には積極的にリスクを取ることをすすめています。

毎年バラつきはありますが、日本の株式市場も全体で考えると毎年2%前後の成長が期待できるため、23才の新社会人の方へは40才になるまではインデックス型・日本株式と先進国株式に投資する投資信託を中心とした商品選びをアドバイスしました。また別の事例では手数料の高いアクティブ型の投資信託を手数料の安いインデックス型へ変更してはどうかというアドバイスを行いました。

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6.  お金のこと、積極的に内容を確認しよう

人間誰でもそうですが、聞きなれない、難しい言葉を聞くと本能的に拒否反応を示しがちです。特にお金の分野は聞いたこともないような言葉がどんどん出てきます。そのためメリットがたくさんある確定拠出年金に関しても、なかなか理解が広がっていないのが現状です。お勤め先で制度が導入されている方はぜひ内容を確認することをおすすめします。また企業型が導入されていない場合は個人型確定拠出年金であるiDeCoを取り入れてみてください。
 

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