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親の相続金500万どう使う?/40代独身女性家計簿診断

FPに聞きたいお金のこと 世継 祐子

親の相続金500万どう使う?/40代独身女性家計簿診断

FPオフィス「フォルテシモ」へ依頼されたお客さまの、mymo誌面での診断【うちの家計簿】。今回は、独身で老後を過ごすための資金計画に、相続金の資産運用を考えているという47歳女性、会社員のOさんです。

(40代女性Oさんの相談)父が亡くなり、相続で500万円受け取りました。初盆が終わってやっと落ちついたところです。これからずっとシングルでやっていけるよう資金計画を立てないと…!と焦っていたところにまとまったお金を受け取ったので、投資信託など、資産運用を始めたいと思っています。いままで貯金で貯めたことしかないので、注意点などあれば教えてください。

40代独身女性の家計簿/貯金50万、50代に向け貯蓄額を増やす方法は?

40代独身女性Oさんの家計簿診断

手取り25万8600円から4万円貯蓄しています。手取りの15%が貯蓄できています。月々のやりくりに大きな問題はなく、貯蓄額は530万円です。今回相続した500万円は貯蓄に含めていません。

家計の支出の割合

お金が貯まる家計には理想の割合があります。

生きるために必要な支出を「生活費」、お小遣いなどを「娯楽費」、貯金や資産運用にまわすお金を「貯蓄」とすると「生活費70、娯楽費5、貯蓄25」を目安と考えてください。

 

Oさんの場合は「生活費」の家賃、貯蓄、光熱費、通信費、保険料(保障のための保険料7700円)、その他支出の合計が16万8600円で65%。

「娯楽費」のお小遣いが30000円で12%、「貯蓄」が貯蓄性の保険20000円と貯金の合計で60000円で23%です。

 

理想的な貯蓄の割合から考えるとあと2%、5172円ふやすことができれば理想の家計割合になります。その他支出を「生活費」に入れて計算しましたが、その中に無駄な支出がないか、その他支出は何に使っているかを確認し、あと5千円以上貯蓄することを意識しましょう!

 

もちろん家族構成などによっても割合は変わってきますが、基本割合を知っておくと貯蓄額を意識しやすくなります。

焦って投資するのは禁物。資産運用の基本知識を身に付けて

投資に失敗して落ち込む男性
【画像出典元】「iStock.com/SARINYAPINNGAM」

お父さまが遺してくださった大切なお金、50代が近づいて、投資などの資産運用を始めなきゃ!と焦るような気持ちになるのはよくわかります。家族を亡くした時に「自分の老後、介護は大丈夫だろうか」と不安になり、お金のことが気になり眠れなくなってしまうなどのご相談をいただくこともあります。

資産運用や投資を始めるにあたって気をつけることは、焦らず、資産運用の基礎知識を身に付けてから始めることです。もちろん、始めてみないと分からないこともありますが、きちんと「リスク」を理解して始めることが大切です。
例えば、投資の基礎知識や経験も全くないまま退職を迎え、退職金というまとまったお金を手にして、「お金をふやしたい!」という気持ちだけで、投資してしまうことは避けなければいけません。

「ふやそうと思ったのに、大きく減ってしまった」「損はしたくないから、もとの金額になるまで待っておきたいけど、いつもとの金額まで戻るのかわからない…」と不本意な結果にならないようにしましょう。

投資には「必ずふえる」ということはありませんので、きちんと基礎知識を身に付けて、自分にあった資産運用を始めましょう。増やしたいという「気持ち」や「勢い」、「よくわからないけど勧められたから」だけで始めることはやめましょう。

一度に大きなお金を投資しない

投資は少ないお金を少しずつ投資するより、まとまったお金を投資した方が安全でふえやすい、と思っている方もいるのではないでしょうか。

一か八か、一発で大もうけ、などギャンブルがしたい人は別ですが、Oさんのように「大切なお金」をできるだけ減らさないように増やしたいという人は、一度に大金を預ける方がリスクは高くなることも知っておきましょう。投資に関する知識がなければ、一度に大きなお金を預けるのを避けましょう。

基礎知識を身に付けるには、金融庁のHPを確認することをおススメします。ここに投資の基礎知識がまとまっています。貯蓄と投資の違い、リスク、用語についての説明もまとまっているのでまずはココをチェックしましょう!

「わからないけど勧められたから…」は禁物です。基礎知識を読んではみたけれど、よくわからないというときは遠慮なくご相談ください。お手伝いします。

一番もうかるのが何かは分からない。リスクを分散しましょう

投資
【画像出典元】「iStock.com/primeimages」

短期的な株価の動きを的確に予想することは困難です。リーマン・ショックのような大きな不況の波も、今後ないとは誰もいえません。

将来のことが分からないからこそ、リスクを分散する知恵を身につけましょう。株式、債券だけでもリスクに違いがあります。分からないまま投資を始めてしまうと、運用後に確認すべき「運用報告」を確認することも難しくなるかもしれません。

基礎知識さえ身に付けておけば、商品選びは難しいことではありません。「長期」「積立」「分散」の基本を理解して始めれば、投資は怖くありませんよ。基本の知識を身に付けて、Oさんのライフプランの希望、価値観に合うものを選択して始めましょう!

Wallet+を最大限に活用しましょう

Wallet+では預金と投資の違いなど、お金に関して役立つ記事が読めます。「その他」から「THEO+」を見てみると積立運用についての情報も掲載されています。

(Oさん談) Wallet+のアプリはダウンロードしていましたが、あまり利用できていませんでした。いろんな情報があるのですね。知らなかった!自分の気になるところからチェックしてみます。

40代独身Oさんの家計簿診断を終えて

オードリー・ヘップバーンの言葉に「オランダにはこんなことわざがあります。『くよくよしても仕方ない。どのみち予想した通りにはならないのだから』本当にそう思うわ」

明日、株価が上がるか、下がるかなんて予想通りにはいきません。予想通りにいかないからこそリスクを分散して、くよくよしたり、一喜一憂したりしなくていいように、知識と知恵を味方につけて明るくいきましょう。
資産形成の基礎知識が身に付くと「経済のニュースが面白くなってきた!」との声をいただきます。知らなかったことを知る、分からなかったことが分かるのは楽しいことだと思います。お手伝いしますのでお気軽にご相談くださいね。

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