引っ越しするなら要注意!忘れがちな優先度の高い手続き3選
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春は1年の中で最も引っ越しが多い季節。大学進学で上京する人、新卒の就職や人事異動があった人、子供の学年区切りに合わせて引っ越しする人など、新生活をスタートさせる人がたくさんいます。
引っ越しといえば、真っ先に頭に思い浮かぶのが荷物の整理ですが、それ以外にいくつもの大切な事務手続きがあることを忘れてはいけません。必要な手続き3種類について解説していきます。
新しい部屋の環境を整えるための手続き
まず、引越しで優先順位が高いのは、電気やガス、水道などの公共料金の停止や新規申し込みです。特に引っ越し先での手続きは前もって手配をしておかなければ引っ越ししてもすぐに生活がスタートできません。また、プロバイダーなどの通信関連も早めの手続きが賢明です。自宅でWi-Fiを利用している人は少なくないと思います。環境が整っていないと普段よりスマホの通信料が多くなり追加料金が発生することも想定されます。出費がかさむ時期なのでできるだけムダは抑えたいところです。
忘れてはいけない転出・転入届など役所関係の手続き
役所関連の手続きでは、まず旧居住地で転出、新居住地で転入の届け出が必要になります。実印で契約をするような機会がある人は、新たに印鑑登録も必要です。転入届と同時に手続きしておくといいでしょう。また、自営業者やフリーターは国民年金や国民健康保険の手続きもあるので注意が必要です。国民年金は、転入届を出すときに手続きをすればいいようですが、国民健康保険は、転出先で廃止の届け出を行い、引越し後には新たに加入の申請が必要です。転出して14日以内に届け出るきまりになっているので忘れないようにしましょう。
ここで気になるのは、もし手続き中に病気やケガをした場合の治療費の負担です。でも安心してください。経過措置があるためちゃんと健康保険を使った治療が受けられます。ちなみに会社員は総務に届け出るだけで、これまで通り健康保険や厚生年金を継続できます。
その他の手続き~免許証の住所変更は必須!
最後にその他の手続きです。特に免許証の住所変更は必須。免許証は本人確認資料としての役割も果たすので、役所での手続きが終わったら新しい住民票をもって運転免許試験場や警察署などに手続きにいきましょう。
郵便は、転送サービスがあるため郵便局に届け出ておけば1年間は転送してもらえます。その間早めに銀行や保険会社、携帯会社やクレジットカード会社などへの住所変更の届け出をしましょう。気を付けたいのは、メール便です。宅配会社からの書類は転送されないので、関連する先には早めの住所変更が必要です。念のためポストをふさぎ、配達済みにならないようにしておきましょう。
賃貸なら退去時ルールをチェック、住宅ローン減税中の引越しは注意!
賃貸の人は契約書に記載されている退去時のルールを確認しましょう。一般に1カ月前までに退去の連絡が必要なようです。もし急な退去となる場合は違約金として1カ月分の家賃を支払わねばならない場合もあります。引っ越しをするときはまず契約書を確認し、退去のタイミングを早めに検討することで支出を抑えられることがあります。
この春引っ越しをする私のクライアントの事例を紹介します。その方は、契約の更新時期が4月半ばのため、希望する3月の退去となると違約金の支払いが発生する契約になっていました。そのことから引っ越しを4月まで待とうと検討もしていたのですが、念のため管理会社に相談したところ、大家さんも借り手の需要が多い3月に退去してもらった方が助かると希望され、特別に違約金なしで3月に退去できるようになりました。このように貸し主にもメリットがある場合は交渉の余地があります。
また、マイホームを買ったばかりで住宅ローン控除を受けているという人が転勤で引っ越しを余儀なくされるケースもあるでしょう。住宅ローン控除は、年末時点でマイホームに住んでいれば受けられる税額控除です。転居するときは、税務署に転任の届け出が必要となり、住宅ローン控除が受けられなくなります。ただ、数年経って戻ってきたという場合は、控除の残り期間があれば再度控除が受けられるようになります。これは、家族全員で引っ越しをするケースの話なので、仮に単身赴任となり家族はマイホームに残るのであれば引き続き控除は受けられます。
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うっかり忘れたままにしておくリスクとは
引っ越し時のあわただしいときに煩雑な事務手続きですが、うっかり忘れたままにしてしまうと、後々面倒なことになりかねません。たとえば電気やガスなどの手続きが遅れると新居ではなくホテルに1泊ということになり、手間や費用がかさみます。
国民健康保険の人は手続きが遅れると治療を満足に受けられないかもしれませんし、もし数カ月経ってから加入手続きをした場合は、過去にさかのぼって保険料を支払わなければなりません。また、免許証は本人確認資料としてもよく使うものです。住所が異なると受け入れてもらえず契約できないなど不便がでてきます。手続きは面倒ではありますが、最初にエイッとまとめてやっておくと後が楽です。引っ越しして荷物を整理するとともに、これらも早めに整えておきましょう。
この春、わが家の子供3人もそれぞれの新生活が始まり引っ越します。ひと月に3人が引っ越し。想像しただけで慌ててしまいますが、早めに手続きして快適な生活を目指します。新生活を楽しみに頑張りましょう!