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私たちの暮らしが変わる!2020年、税制改正まとめ

ためる 中村 賢司

私たちの暮らしが変わる!2020年、税制改正まとめ

【画像出典元】「iStock.com/Deagreez」

目次

2020年の税制改正大綱がまとまりました。この税制改正の中には、私たちの暮らしに関わる改正が数多くあります。

今回は特に私たちの生活に関わりが深い税制改正の内容を中心に、具体的に何がどう変わったのかを紹介していきます。

個人の所得に影響!基礎控除や給与所得控除、2020年1月からの税制改正

改正された配偶者控除、確定申告のときは夫の所得にも注意!​

2020年に税制改正されたことをまとめると

母親と子供
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今回の税制改正では「サラリーマン増税」とも呼ばれる改正があり、給与所得控除が一律10万円下がりました。これにより増税となる会社員や公務員の方もいるでしょう。しかし、家族の状況によっては「所得金額調整控除」という控除があります。

「所得金額調整控除」

今回の改正で給与取得控除が引き下げられました。これまでの給与所得控除は、2000万円超の場合の控除額が上限220万円でしたが、2020年からは850万円超の場合の上限額が195万円となります

しかし次のいずれかに該当すると、所得金額調整控除を受けることができます。

(1) 23歳未満の扶養親族を有する
(2)本人が特別障害者である
(3)特別障害者の同一生計配偶者又は扶養親族を有する

これまで扶養対象となる親族は16歳以上でしたが、新たに創設された所得金額調整控除では0歳から22歳までの23歳未満の扶養親族が対象となります。具体的な控除額は、給与収入から850万円を引いた額の10%が控除されます。

また、未婚のひとり親の税負担軽減や、老後資金形成のためのiDeCoやNISAについても、それぞれ改正される点があります。

「未婚のひとり親負担軽減」

配偶者と死別や離婚をしたひとり親が受けられる「寡婦(夫)控除」というものがありますが、これまで未婚者は対象外でした。それが不公平との指摘もあり、新たな制度では未婚のひとり親で、児童扶養手当を受け取っている人を対象に、寡婦控除と同程度の年間最大35万円の所得控除が受けられるようになります。要件は以下のとおりです。

(1)生計を一にする子(総所得金額等の合計額が48万円以下)を有すること
(2)合計所得金額が500万円以下であること
(3)住民票の続柄に夫もしくは妻の記載(未届)がないこと

適用時期は2020年分以後の所得税について適用されます。

「確定拠出年金の期間延長や条件緩和」

会社員や公務員が節税をしながら老後資産を形成できる個人型確定教室年金(iDeCo)は掛け金の拠出期間が60歳までとなっていますが、今後は65歳まで延長される予定です。

また、これに併せて企業型確定拠出年金(DC)についても、加入期間が延長されます。高年齢者雇用安定法の改正により高齢者は70歳まで働けるようになる方向なので、これに併せて加入期間も70歳まで延長されるようになりました。

「NISA見直し」など個人に直接影響することも

2014年からスタートしたNISAは2023年で終了する予定でしたが、5年間延長され2028年まで口座開設が可能となりました。それと併せてつみたてNISAについても5年延長され2042年までとなりました。新しい制度でも新NISAかつみたてNISAどちらか一方しか選択できません。

期間延長だけでなく内容も少し変わります。年間120万円までの投資金額は122万円と少し増額されました。また、新NISAは2階建てとなり、1階部分で積み立て投資(最大20万円)を行う必要があります。

より多くの国民に積み立てで長期分散投資を経験してもらう狙いがあるようです。2階部分の最大投資金額は102万円で、1階部分を利用した人しか2階部分の非課税を利用することができません。

世の中の動き的に、知っておきたい税制改正

税金
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今まで見てきた税制改正以外にも、知っておくことで役に立つ内容のものもあります。直接今の生活に関係がなくても知っておきたい内容ばかりです。

「所有者不明土地への課税」

土地の所有者に課せられる「固定資産税」。土地の所有者がわからない場合は今まで課税されていませんでしたが、今回の改正では所有者不明の場合はその土地で居住や商売をしている使用者に課税されるようになります。

もちろん所有者を探して届け出を義務化することが優先されるので、所有者が見つかった場合は優先的に所有者が税金を払うようになります。この所有者不明土地は全国の登記簿上で約2割に及んでおり、社会問題のひとつでもありました。

「企業版ふるさと納税の拡充」

個人が自治体に寄付をして税優遇を受けることができるふるさと納税の利用者は年々増加傾向にあります。企業も個人同様、ふるさと納税を行えば税の軽減効果があります。この企業版ふるさと納税が拡充される予定です。

今までの企業版ふるさと納税から比べると軽減効果は3倍になり、事業税や住民税の軽減税額控除による軽減額はそれぞれ倍になりました。これにより法人の負担額は40%から10%に下がりました。

「富裕層の税逃れ対策など」

これまで、富裕層の税逃れ対策(節税対策)として、国外の中古建物を購入して賃貸に出し、節税するというスキームがありました。家賃収入を得ることで所得が増えるようなイメージですが、国外の中古建物は国内の物件よりも償却期間が短いため、単年度で償却できる(経費として計上できる)金額が大きく、不動産所得を大幅な赤字にすることができるのです。国外の不動産所得で大幅な赤字を出して国内の所得と相殺して所得税を節税するという内容です。

このスキームにメスが入り、今後は国外不動産所得に損失が生じたときはその国外不動産所得の損失金額のうち償却費に相当する部分の金額は、損失が生じなかったものとみなされます。これは2021以降の各年において適用される予定です。

個人の所得に影響!基礎控除や給与所得控除、2020年1月からの税制改正

改正された配偶者控除、確定申告のときは夫の所得にも注意!​

まとめ

今まで見てきたように、2020年度の税制改正ではさまざまな改正が行われます。税制改正というとちょっと難しい感じもしますが、一つひとつ見ていくと私たちの生活に関わってくる改正が多くあります。この税制改正の内容を覚える必要はありませんが、知っておくだけでも今後の生活にはきっと役立つでしょう。特に老後資金を形成したい方は、確定拠出年金やNISAの税制改正は要チェックです。
 

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