エリアで給与に差が出る「地域手当」は不公平?民間企業と国家・地方公務員との違いは
みなさんは、「地域手当」を知っていますか?いったいどんなものなのでしょう。今回は地域手当について、分かりやすく解説します。
地域手当とはどんなもの?目的と種類について
地域手当とは、同じ企業、省庁や地方自治体に勤めていても、勤務する地域の環境によって生じる生活費を調整することを目的に支給されているものです。地域手当には、例えば以下のようなものがあります。
(1)寒冷地手当
勤務地が北海道になったとした場合、他の地域よりも気温の低い地域であり、冬は暖房にかかる費用がかさむだろうと予測されることから支給されます。
(2)特地勤務手当
離島での勤務となった場合には、本島よりも日々の暮らしに必要な物資の運搬費などがかさむなど生活を送る上での不便があると予測されることから支給されます。
(3)都市手当
東京都に勤務すると、他の地域よりも住居費はじめ物価が高く、生活費がかさむと予測されることから支給されます。
このように地域性に伴って、他の地域より寒い地域、物流面で不自由な地域、生活費が高くなる地域へ勤務する方への手当が地域手当です。
国家・地方公務員の地域手当とは
公務員の場合は、民間企業との給与水準の調整を図るために設定されています。
国家公務員の地域手当の一例ですが、都市手当は東京23区が一番高くて給与の20%が支給されています。詳細は人事院HPでご確認ください。
地方公務員にも国家公務員と同様に地域手当がありますが、支給は自治体によって異なります。地方公務員への地域手当は、地域の民間企業との賃金差を埋めるために支給されますが、これによって、隣接している自治体であっても同じ地方公務員のなかで格差ができているのが現状です。地域手当による不公平感が問題視され、廃止の検討の要望も上がっています。
民間企業の地域手当とは
民間の企業における地域手当とはどんなものでしょう。勤務地による不公平感をなくすために支給されるものですが、
例えば筆者(mymo編集部ライター)が以前勤務していた企業は、神戸に本社が、東京に支店がありました。私は東京支店で勤務していたのですが、東京店勤務の賃貸物件に住む社員には神戸と東京の住居費(家賃)の違いを考慮した住宅手当が支給されていました。このように、その会社の状況に応じて、地域差を手当で補完していくのです。
民間では地域手当の有無は会社によります。地域手当が必要となる地域があったとしても、地域手当は本給に含むとする企業もありますし、現在地域手当を支給している会社も、今後は廃止することもあります。
いかがでしょうか。地域手当は地域の環境によって、生活費がかさむ傾向がある地域に勤務する場合に損をしないよう配慮し、支給されています。日本各地に支店があり、転勤の可能性のある会社に就職したい、または勤めているのであれば、地域手当の有無も確認しておくと良いでしょう。