30代女性相談/教育費貯金と住宅ローンの繰り上げ返済、どっちを優先すべき?
目次
Wallet+ユーザー様からいただいた「FPに聞きたいお金のコト」にお答えします。今回は、教育費と住宅ローン減税後の対応について、家計に悩む30代女性Cさんからのご相談です。
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30代女性Cさんの相談
夫婦と2歳の息子の3人家族です。子供の教育費貯金を優先した方がいいのか、住宅ローン減税の期間が終わった後に、できるだけ繰り上げ返済をした方がいいのかを悩んでいます。(Cさん・女性30代)
住宅ローン減税についておさらい
単に「できる限り繰り上げ返済をして、早く返済を終わらせる」と考えればよいというものではありませんので、1つ1つ考えるポイントを整理したいと思います。
まず、住宅ローン減税について確認をします。
住宅ローンを契約した年によって上限額などが異なりますが、ローン残高の1%が所得税や住民税の軽減につながるという制度です。例えば年末残高が3000万円であれば30万円もの税負担が軽減されるため、ローン控除期間中は積極的に繰り上げ返済しなくてもいいのでは?と考えることもできます。
加えて、住宅ローンに加入する際はほとんどのケースで「団体信用生命保険」(団信)にも入ります。この団信はローン残高分の生命保険であるため、ローン契約者が死亡した場合、残りのローンを払わなくていいのです。よって、一定の死亡保障があるということもローンを繰り上げるべきかの判断基準となります。
さて、その住宅ローン減税も、期間が終了時点で残高が多ければ積極的に返済するというのは適した考え方です。ただし、それ以外の要因も考慮して判断しなければならないため、Cさんは悩んでいるようですね。
当然、繰り上げ返済をすれば、その分、利息負担も減ります。予定していた期間よりも早めに完済することも見込めるでしょう。
一方、繰り上げ返済することはその分、手元資金を使うことになります。あるいは、毎月の貯蓄ペースが鈍化することとなり、教育費の準備が難しくなるかもしれません。
住宅ローンと教育費の大きな見直しポイント3つ
順を追って確認するために以下3つをポイントとして整理してみます。
□ 住宅ローンの契約内容と資産や収入状況の確認
□ 借り換えの検討
□ 教育プランについて確認
まず、10年程度経過している住宅ローン契約の金利タイプと水準、残高、期間などを確認してください。10年前も超低金利であったため、金利水準は低いと思われますが、現在はさらに低くなっています。また残高が500万円なのか、2000万円なのか?という違いも影響します。残高が多いほど繰り上げ返済の利息軽減効果が大きいためです。
繰り上げ返済をするためには一定の資金が必要であるため、現在の資産状況、今後の手取りや貯蓄可能額など、できるだけ具体的に現状を把握してください。
こういった確認を行い、住宅ローンを借り換えるということも選択肢となるかもしれません。「借り換え専用ローン」など各行のローンを一度調べてみてください。金利負担総額が大きく減少する可能性もあります。
そして何より子供の教育プランも重要です。2歳の息子さんとあって、ご本人の意見を聞くことはできないでしょうが、親としてどういう教育を受けさせたいのか、どの程度まで準備してあげたいのか。
教育費に関するコラムもたくさんアップされていますので、それらを参考に、教育費プランを立ててみてください。
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これからの収入で十分準備できそうであれば、今ある資産を思い切って繰り上げ返済に回すこともできます。
1~2年ごとに様子を見ながら繰り上げ返済を検討する方法も
ローン償還表(返済予定表)を見ていると、「〇円繰り上げ返済すると、〇円も利息が浮く!」と思ってしまい、少しでも早く返済したいという気持ちが高まります。ただし、返済してしまうと、そのお金はもう戻ってこないため、なかなか思い切って繰り上げ返済できないもの。
「将来のプランを立てよう」としても、今後大きく変わることもあるため、考え始めるとさまざまな要因が出てきて、結局何もできないということもあるかもしれません。
そこで年に1、2回、賞与の時期などにご夫婦で今後の話をしながら、無理のない範囲で繰り上げ返済をしていくのはいかがでしょうか。上に挙げた見直しのポイントを参考に、家族に合った方法で向き合ってみてください。
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