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「受動喫煙防止法」で禁煙者急増?禁煙すれば年間これだけお得に

そなえる 白浜 仁子

「受動喫煙防止法」で禁煙者急増?禁煙すれば年間これだけお得に

【画像出典元】「iStock.com/WilliamSherman」

この春、徐々に強化されている受動喫煙に関する法律が全面施行されます。愛煙家にとっては、既に喫煙場所が限られている施設が増えており苦労されていることかと思いますが、一方でタバコを吸わない人にとっては、過ごしやすい環境になっているともいえます。

ここでは、2020年4月から全面施行される「改正健康増進法」によって、今後の生活環境がどのように変化するのか確認していくことにしましょう。また、改正を機に禁煙する場合の時間やお金の効果についても紹介していきます。

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今回の改正で決まったこと、生活の中でこれまでと変わるところは?

タバコを吸う男性
【画像出典元】「iStock.com/Minerva Studio」

「改正健康増進法」は、"望まない受動喫煙"をなくし、健康被害を回避することを主な目的として2018年7月に公布されました。全面施行に先駆け、2019年7月からは、子供や患者といった影響を受けやすい人を守るために学校や病院、児童福祉施設、行政機関の庁舎などでの敷地内禁煙が義務付けられています。

それが2020年4月から、学校や病院等に限らず屋内はすべて原則禁煙となります。これによって、愛煙家はゆっくり煙を楽しめる場所が少なくなります。一方で、喫煙しない人や、煙・臭いが苦手な人にとっては過ごしやすい環境に変わります。現代社会で受動喫煙による健康被害が実証される今、科学的な根拠に基づくルール改正は自然な流れといえるでしょう。

あなたの会社も変わる?企業に課せられる義務と罰則

あなたのオフィスは今でも自分の席で喫煙できる環境ですか?このようなオフィスは、法律に則って社内の環境を整えなければならなくなります。たとえば、禁煙であることを明確にする、灰皿を置かない、喫煙専用室を設けて区別する、などの対応です。

もし違反した場合は都道府県知事等から指導され、改善がみられなければ施設管理者に最大50万円、タバコを吸った本人に最大30万円の罰金が科されます。これまで喫煙が認められていたオフィスでは、これらの対応をしっかりと行う必要があります。

喫煙者の行動はどれだけ制限される?

とはいえ、4月から急激に喫煙場所が減るということにはならない気がします。理由は2つあります。1つ目は、既に企業等の対応が進んでいるケースが多いからです。みなさんも日頃感じていると思いますが、多くの施設や店舗ではすでに禁煙・分煙が行われています。

筆者の訪問先企業でも喫煙しながら仕事をしている風景を見ることはなく、打合せの後に、喫煙室を指さして「ちょっと一服して仕事に戻ります」なんて会話も珍しくありません。

2つ目は、今回の全面施行となる屋内での禁煙はあくまで「原則」で、例外として一定の飲食店ではこれまで通り喫煙が認められるということからです。例外となるのは小規模の飲食店。分煙をするために部屋を仕切ったり喫煙所を設けたりするためのスペースの確保が難しいことも多く、環境を整えるのにもそれなりの費用負担が生じることへの配慮からです。

例外となる小規模飲食店とは、個人または中小企業が経営している資本金(または出資総額)5000万円以下、かつ客席面積が100㎡以下の飲食店とのこと。

つまり、一般にイメージする個人経営のような喫茶店や居酒屋です。今後は禁煙が原則となりますので、例外扱いで喫煙できる飲食店は、誰でも分かるように喫煙可能であることを掲示する義務があります。

ただ、既存店舗のみが対象となる特例措置なので、今後新規でオープンする店舗には該当しません。つまり、新規店舗はオープン時にきちんと分煙できる環境を整備する必要があります。飲食店は入れ替わりが多い業種なので、徐々に喫煙できる店舗が減っていくと想定されます。

改正を機に禁煙した場合どのくらいお得になる?

お金を手にして笑顔の男性
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今回の法改正など世の中の流れを受けて、今後禁煙を考える人もいるでしょう。禁煙をすると健康でいられると同時にお金や時間を手にすることもできます。仮にマールボロ(1箱520円20本入り)を週に3箱吸っているケースで試算してみましょう。その場合、1週間で1560円、1本吸うのに5分かかるなら300分(5時間)節約できます。1年では約8万円、260時間(約11日)、10年では約80万円、2600時間(約110日)、20年で約160万円、5200時間(220日)です。

ものは考えようですが、これだけのお金や時間があれば、趣味や旅行などにもたっぷり使えます。ちなみに毎日1箱吸っている人が禁煙をしてその分貯金をしたとすると、20年で380万円貯まります。もし子供が生まれると同時に禁煙をしたなら大学の費用がかかる時期に380万円準備できるため、私立文系の卒業までの授業料がほぼ捻出できます。そう考えると大きな金額ですね。

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今回は、4月から全面施行される改正健康増進法を紹介しました。健康のことを考えると吸わない方が賢明ですが、当然に喫煙は個人の自由で、気分転換やストレス解消となっている人もいます。一方で受動喫煙は喫煙者よりも影響が大きいという話もあります。立場が違うと見解も異なるでしょうが、喫煙する人としない人が共存するための整備なので知っておきましょう。