慰謝料、養育費、離婚解決金…離婚を考えるならその前に知るべきお金のこと
世の中で、「離婚」はどれほどの割合で起きているのでしょうか。厚生労働省が発表した2019年データでは、婚姻数が58万件に対して離婚数が21万件でした。3組に1組が離婚するといいますが、本当なんですね。
なかには結婚と離婚を繰り返す人がおり、その数も含まれますので、必ずしも結婚した人が3分の1の確率で離別するというデータではありません。
今回は、離婚の手続き方法やかかる費用、また相手との間で発生するお金のことについて、見ていきましょう。
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離婚するために取る方法は3つ
離婚の方法には3つあります。話し合いで2人が合意している場合、条件が折り合わないため調停員を間にいれる場合、それでも難航して裁判になる場合と、状況に応じて手続きが変わってきます。
1.協議離婚
当事者の二人が離婚を合意しているときは、離婚届を役所に提出することで、離婚手続きは完了します。
お金のことについては、のちに気持ちの変化などによってトラブルになることを防ぐため、通常は「公正証書」を作成して記しておきます。内容は、婚姻期間に2人で作った財産の分与、慰謝料、子供がいれば養育費をいくら支払うか、などです。
公正証書は公証人役場で作成しますが、作成するのに手数料がかかります。財産の額に応じて手数料は変わります。例として財産が1000~3000万円なら手数料は2万3000円(※)です。
(※)参照:日本公証人連合会HP
2.調停裁判
2人の間では離婚の協議が進まない場合は、調停員を間に入れて話し合うことになります。これが調停裁判です。
調停裁判のためには、費用がかかります。申し立て費用や戸籍謄本などを郵送するという部分なので、数千円というところです。調停裁判において弁護士を立てる場合もあります。この場合弁護士費用がかかります。
3.裁判離婚
調停裁判でも折り合いがつかないという場合は、裁判離婚へと進みます。日本は調停前置主義といって、はじめから裁判離婚をするのではなく、調停裁判で折り合いがつかなった場合に裁判離婚へと進むことになっています。裁判離婚の費用は印紙代と戸籍謄本取得代です。弁護士を立てる場合は別途費用がかかります。
離婚するときに出てくるお金の問題とは
「結婚するよりも離婚するほうが多くのエネルギーを必要とする」という声を聞きますが、離婚で一番もめるのは、相手に支払うお金のことです。
婚姻費用の分担請求
別居しながら離婚の話し合いをしている期間には、収入の多い方が、収入の少ない方へ、双方の生活が同水準になるように費用負担をしなければなりません。これを婚姻費用といいます。婚姻費用の分担を請求されてから、離婚が成立するまで婚姻費用は発生します。生活費、養育費などが含まれます。金額は話し合いで決めていきますが、折り合いがつかないときは、裁判所に仲裁をしてもらいます。収入や子供の人数や年齢などを考慮して決まります。
養育費
夫婦に子供がいる場合、離婚して子供と別居する親にも養育の義務があります。養育のため、子供と一緒に暮らす側に支払われる費用です。
財産分与
結婚している期間にできた貯金などの財産は、2人で作ったものです。よって、離婚時、この財産は折半することになります。片方が専業主婦(夫)であっても、折半した財産を受ける権利があります。負債があった場合は、その負債も折半することになります。
慰謝料
精神的苦痛を負った方に支払うのが慰謝料です。暴力を受けた、不倫をしたなどの理由が挙げられます。慰謝料は法的に効力があるので、支払いは義務となります。
年金分割
夫婦のひとりが会社員で、もうひとりが専業主婦(主夫の場合も)であるとき、離婚後に専業主婦(主夫)
「離婚解決金」とは?金額はどう決める?
あまり聞き慣れない言葉ですが、離婚したい側が、離婚の成立を円滑に進めたいために相手に支払うお金が「離婚解決金」です。
慰謝料とは違って法的効力はありませんが、離婚解決金の支払いを提示することで、離婚への合意が得られやすいようです。また離婚解決金を支払うことは、円満な離婚であるように周りからもとられるでしょう。慰謝料を支払うというと離婚原因を作った非があると認めたことになりますが、こちらは対外的な体裁を保つにも有効なようです。
専業主婦(主夫)だった方が、離婚した後、急に働いて稼いでいくことは難しいものです。離婚後の相手の生活費を補助するという意味合いで支払うこともあります。
法的に支払い義務はないので、離婚解決金の提示によって離婚を進める場合には、口約束に終わることがないように離婚協議書にまとめておき、公正証書にしておくと良いでしょう。
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いかがでしょうか。離婚に至るまでの理由は夫婦間の問題でさまざまだと思いますが、精神的にも体力的にもそして経済的にも大きく影響する出来事です。あらかじめ知っておくことで、円満に離婚する、または離婚を回避するような良い対策が考えられるかもしれませんね。