2020年夏のボーナス動向と業種別傾向、今だからFPがすすめるボーナスの使い道 (3ページ目)
FPがすすめるボーナスの使い方・注意ポイント
夏のボーナスの使い道として「預貯金」と答えた人が多いのは、やはり将来への不安を多くの方が抱えておられる証拠でしょう。2019 年には「老後資金2000万円問題」が話題となり、公的年金だけで生活できないことが明らかになりました。
そこで、皆さんにFPとしておすすめするボーナスの使い方をご紹介します。
それは将来のライフプランを作り、目的をもった預貯金をすることです。毎月の生活費が給料の範囲内に収まっているという前提でお話します。ここでは詳しく述べませんが、ボーナスの使い道で「生活費に充当」するという使い方はおすすめしません。できる限り毎月の給料で毎月の支出は賄えるようにしましょう。
その前提で話を進めると、ボーナスは将来へ向けて蓄えておくか、自分へのご褒美として旅行やレジャー、高級家電を購入するなど少し贅沢に使うのも良いでしょう。
将来へ向けて蓄える場合、何年後にいくら必要かまで考えてください。それが10年以内に必要なお金を貯める目的であれば、リスクは取らず手堅く定期預金や個人向け国債など元本保証があるものに預けましょう。10年以上先の将来へ向けてお金を貯めるのであれば、そのお金はリスクを取って投資(資産運用)することをおすすめします。
前述したボーナスの使い道で「投資」と回答した人は、どのような金融商品に投資をする予定かというと、以下のような結果でした。
1位 「株式投資」・・・・・・・・71%
2位 「投資信託」・・・・・・・・55%
3位 「FX取引」・・・・・・・・12%
「外貨預金」・・・・・・・12%
5位 「ETF(上場投資信託)」・・8%
(複数回答あり)
FPとしては、ボーナスを一度に投資するのではなく、長期・分散・積立をキーワードに2位の「投資信託」を使い「つみたてNISA」などの非課税制度をうまく活用されることをおすすめします。
しかし、このコロナ禍で相場が乱高下している状況では、いつ始めていいか迷うところでしょう。また、今の不況が続けばそもそも投資をすると損をしてしまう可能性もあります。
そこで皆さんにおすすめしたいのは積み立て投資です。ボーナスのまとまったお金を一括で投資するのではなく、数カ月に分けて投資するのです。そうすることで平均購入単価が下がり、利益が出やすくなります。
参照記事
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ボーナスの使い道についてまとめ
ボーナスは本来、生活を豊かにするため旅行やレジャーなどに使うか、投資をして企業を応援した方が、経済効果も期待できて景気対策になるでしょう。そうすることで経済がまわり企業の業績も良くなり、次もらうボーナスが増えるという好循環にもなります。
しかし、今は将来の生活が不安と感じている人が多いため、ボーナスの使い道を「預貯金」と答えている人が圧倒的に多くなっています。それでは経済が良くなりません。残念なことにボーナスの使い道を「投資」と答えた人はわずかでした。
預貯金も投資もどちらともも今すぐに使うのではなく、将来へ向けお金を蓄えておくことに変わりはありません。しかしなぜ「投資」を選択する人が少ないのか、それは投資に対する恐怖心と知識不足ではないでしょうか。
そこで皆さんに提案します。手堅く「貯めるお金」と、リスクを取って「殖やすお金」を明確に分けるようにしましょう。
そうすれば自ずと預ける金融商品の選択が変わってきます。FPとしては、ボーナスの使い道を「預貯金」と答える人と同じくらい「投資」と答える人が増えてほしいと願っています。
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ボーナスについてのQ&A
Q.ボーナスの使い道として、夫が小遣いをたくさん要求してきます。どれくらいが妥当でしょうか。
A.毎月の手取り収入では生活がギリギリで、ボーナスで補てんする家庭が多いようです。ボーナスはできれば貯金にまわしたいところですが、日々頑張る夫へのお小遣いにもまわしてあげたいところ。しかしあらかじめ金額を決めてしまうと、もらえるボーナスが減少すると貯金にまわすお金が減るので、「小遣いはボーナス手取り額の何割にする」と割合で決めておくと良いでしょう。
Q.ボーナスで貯金を増やしたいのですが、年々手取り額が減少しているように思います。ボーナスからどれくらい税金が控除されているのですか。
A.毎月の給料同様、ボーナスからもいろいろ源泉徴収されています。所得税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料が額面から引かれるので手取り収入は額面金額の約8割になります。