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30代独身で手取り15万円、貯金月3万円で老後の生活費は足りるか?FPが将来を試算!

うちの家計簿 世継 祐子

30代独身で手取り15万円、貯金月3万円で老後の生活費は足りるか?FPが将来を試算!

FPオフィス「フォルテシモ」へ依頼されたお客さまの家計簿を、mymoで公開してアドバイスする【うちの家計簿】。今回は会社員31歳女性、Kさんの家計簿です。昨年、残業代が無くなり収入が手取り約15万円に減ったそうですが、毎月3万円以上貯金することは継続されているようです。

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30代独身Kさんの相談

これから収入が増える見込みもないので、できるだけお金を貯めようと思って月3万円は貯めています。昨年からつみたてNISAを始めました。今の家計で老後、生活していけるか相談したいです。

手取り約15万円になったKさんの家計簿は・・・?

手取り14万8000円。毎月1万円をつみたてNISA、2万円を貯金しています。現在の貯金額は200万円です。毎月手取りの2割が確実に貯められています。

65歳時点での貯蓄額はいくらになるか

領収書を見る不安そうな女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/WavebreakmediaMicro」

Kさんは月額3万円以上の貯蓄を5年以上継続する生活を続けていらっしゃいます。
2019年は残業代などもあり月4万円貯めていたのが、2020年は残業代減で3万円に減り、不安になったということです。

ざっくりとライフプランを考えてみましょう。
仮に今のお住まいに住み続け住居費を3万9000円として考え、65歳まで働くとして試算します。貯蓄以外の住居費を含む生活費が11万8000円です。

65歳まで34年ありますから、運用益を全く考えず、月額3万円、年間36万円、34年間貯めると1224万円貯めることが可能です。34年の間に臨時出費があったとしても累計200万円程度におさめられれば1000万円を65歳で確保できることになります。

実際は現在、月1万円を資産運用に回していらっしゃるので、今後その運用益も考えるとさらに余裕がでることも考えられます。

65歳以降の収入は?

65歳から年金を受給するとした場合の年金額を確認します。今の220万円の年収が全く65歳まであがらないとし、Kさんの「ねんきん定期便」をもとに将来の年金額を試算したところ135万円程度、月額11万2500円程度です。ただ、この年金から健康保険料、介護保険料が天引きされ残りが年金として振り込まれるので月額10万7000円程度になると見込まれます。(※現状の制度での試算)

65歳以降は年金から貯金しないとし、現在の生活費が11万8000円なので仮にそのままの生活費として計算すると

年金手取り額10万7000円-生活費11万8000円=-1万1000円

65歳時点で1000万円あれば、月額1万1000円の赤字となり、貯蓄を切り崩していくことになりますが、そのマイナスだけであれば100歳まで長生きしても貯蓄がなくなることはありません。もちろん物価変動リスクや公的保障の内容の変化に注意を払い、今後もライフプランを考えていくことが必要ですが、Kさんのように生活費が安定しており確実に貯蓄できる生活が身についていれば必要以上に不安になる必要はありません。

将来を不安視する方の多くは、現在の生活費を把握していないことが多いものです。
生活費が安定せず、支出の優先順位が立てられていない家計だと計画的な貯蓄もできずライフプランが立てにくくなります。まず月々の家計の中身をチェックし、必ずかかる支出、変動する支出を確認することから始めましょう。

生活費の中から「通信費」を見直す

現在月々の携帯料金が1万円かかっていますが、同等のプランで変更を検討していただいたところ6,500円程度になることが分かりました。35%通信費がカットでき、3500円をさらに貯蓄に回すことができます。携帯料金は、一度契約すると毎月必ずかかる「固定費」の代表的なものです。WEBで試算や手続きができますのでまず試算してみましょう。

保険の内容を確認

Kさんの加入されている保険は、入院や手術をしたら給付金が支払われるという「医療保険」に加入されています。医療費が高額になったときに一定の金額に医療費が抑えられる「高額療養費制度」があります。Kさんの現在の収入ですと1カ月の医療費の自己負担限度額は「57,600円」となります。注:年齢および所得状況等により設定されています。詳細は加入されている健康保険組合にご確認ください。

協会けんぽ

健康保険の保障で自己負担が3割で済み、1カ月の医療費額の上限も設定されているので入院時の保障が自分の目的にあっているか確認しましょう。

Kさんは現在200万円の貯蓄があり、半年分の生活費は貯蓄で準備できているので突然の出費や収入減に対応するための「緊急予備資金」は確保できていますが、重い病気などで働けなくなってしまうと収入がなくなってしまい、今継続できている貯蓄ができなくなってしまいピンチになってしまうことも考えられます。

シングルの場合、自分自身の収入がなくなると世帯の収入がなくなるため、働けなくなることは大きなリスクといえます。一口に働けなくなるといっても理由はさまざまで、雇用保険で保障される場合もあります。雇用保険を含め、健康保険の内容も再度確認し、民間の保険は自分の収入やライフプランにあった「自分サイズ」の保険を必要な分だけ加入するようにしましょう。

運用益も確認しましょう

通帳を手に笑顔の女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/hanack」

つみたてNISAも昨年から始めたとのことですが、今後、年に1回は運用状況を確認し運用レポートなどには目を通すようにしてみてください。年間の運用益を確認しておくと、ライフプランにも運用の見込みを入力して計算することが可能です。

「稼ぐお金」「使うお金」「貯めるお金」それぞれに目をくばることが大切です。
給与明細の中身をチェックし、今のように予算を立ててお金を使い、資産形成をしながらライフプランを立てていきましょう。今後は運用の中身を確認しながらKさんの目的にあっているか、長期的な視野で検討していくことが大切です。

アドバイスを受けたKさん談

残業が無くなり、収入が減って不安になりましたが、家で過ごす時間は長くなり以前より仕事のストレスも減り、今の生活に満足できていることに今回相談して気付きました。

今後収入が増えなくても65歳まで働ければ、なんとかやっていけそうなことが分かったので、老後資金に余裕が出るよう資産形成を前向きに考えていこうと思いました。働けなくなることは考えていなかったのでそれが一番怖いです。雇用保険のことも知らないので確認してみます。

家計簿診断を終えて

今はお金があっても、月々の生活費が安定せず将来の家計予測も赤字にならないことが分かっていないと、将来の不安はなくならないのかもしれません。お金との付き合い方は大切だな、と改めて思いました。

資産運用状況を1年単位で確認しておくことも大切です。また1年以上経過したらご相談ください。

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