児童手当は6月の現況届提出を忘れずに!うっかり過ぎたら手当がもらえない?
目次
お子さんが誕生すると受給がはじまる児童手当。習い事や将来の進学に備えるための経済的な子育て支援の一環として活用されています。
この児童手当ですが、毎年手続きが必要なことをご存じでしたか?
児童手当とは?
児童手当とは、中学校卒業まで(15歳の誕生日後、最初の3月31日まで)の児童を養育している人へ支給される手当です。子どもの人数や年齢によって支給額は下記のように変わります。
- 支給額
*筆者作成
- 支給時期
原則として、毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当が支給されます。
例)2~5月分の手当→6月に支給
また児童手当の制度では下記のルールが定められています。
1. 原則として日本国内に居住する児童が対象
2.父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方に優先的に支給
3.父母が海外に住んでいる場合、その父母が、日本国内で児童を養育している方を指定すれば、その方(父母指定者)に支給
4.児童を養育している未成年後見人がいる場合は、その未成年後見人に支給
5.児童が施設に入所している場合や里親などに委託されている場合は、原則として、その施設の設置者や里親などに支給
現況届とは?
児童手当を受給している世帯には、毎年自治体から「児童手当現況届」という現在の養育状況を確認し、引き続き支給要件があるかを審査するための書類が発送されます。現況届には養育者の氏名や住所、配偶者がいる場合は配偶者の氏名、児童の氏名、手当の振込先の金融機関などを記入し自治体へ提出します。
うっかり提出を忘れたり、期限を過ぎるとどうなる?
現況届の提出は自治体により異なることがありますが、6月末日を提出の締め切りにしていることが多いようです。締め切り日までに提出しなければ、10月に支給される児童手当の受給が遅れる可能性がでてきます。なお、期限を過ぎても現況届を自治体に提出し、申請が受理されれば支給日が異なったとしても支給されます。もし忙しくて期日に遅れたとしても必ず現況届は提出しましょう。ただし現況届を提出しないまま2年間経過すると時効となりますので注意してください。
現況届はどうやって準備する?必要書類は?
さて、現況届ですが申請にあたり、どのような書類が必要になるのでしょうか?
1. 自治体から郵送される現況届
2. 受給者の健康保険証のコピーまたは年金加入証明書
3. その年の1月1日に今の市区町村に住民登録のなかった方は、前住所地の市区町村長が発行する児童手当用所得証明書
4. 児童と別居している方は養育事実の同意書
5. 監護・生計維持申立書
6. 児童手当の受給資格に掛かる申立書(同居父母)
7. 海外留学に関する申立書
8. 児童手当の受給資格に関する申立書
1と2は基本的には申請者全員が必要な書類です。3以降は対象者のみ必要なものです。前年と状況が変わっている場合、お住まいの自治体にお尋ねください。
また、対応できる自治体に限りはありますが、マイナンバーカードとおサイフケータイの機能がついたスマートフォンなどを活用した電子申請も徐々に普及してきました。
この電子申請の仕組みを活用した児童手当の現況届の提出も利用しましょう。
下記の画像は福岡市を例にしています。
申請までの操作は簡単ですので、マイナンバーカードと対応しているスマートフォンをお持ちであれば活用することをオススメします。
現況届が届かない場合、6月に引っ越す場合の注意点は?
もし現況届が届いていない・紛失してしまったなどイレギュラーな事態が発生したらすぐに自治体に連絡しましょう。再発行してもらえます。
また引っ越しする場合は二つのケースが想定されます。
1.同一の市区町村内に引っ越しをする場合
住所変更届を提出すれば手続きは終了です。
2.他の市区町村に引っ越しをする場合
・元の住所を管轄している市区町村役場に、児童手当受給事由消滅届を提出
・ 併せて引っ越し先で児童手当を請求するのに必要となる『所得課税証明書』を発行してもらう
・引っ越し先の市区町村役場に児童手当認定請求書と所得課税証明書を提出
この手続きをすることで児童手当の受給が可能です。
また児童手当は住民異動届に記入した異動日(転出・転入を予定している日)をベースに支給されます。現状届を提出後に引っ越しをしたとしても転出元・転入先で児童手当に関する手続きをすれば問題はありません。ただし異動日から15日以内に手続きしないと支給が遅れる可能性がありますので注意してください。
児童手当についてFPへよくある相談事例、注意点
児童手当についてよくある相談は、「支給された児童手当をどのように活用して将来の学費に備えるか?」ということです。以前は学資保険を活用して増やしていくという家庭が大多数でした。しかし現在は低金利ということもあり学資保険で大きく増えることは期待できません。
そのため、つみたてNISAやジュニアNISAなどの非課税制度を活用して投資信託を積み立てている家庭が多くなっています。この場合はリスクが比較的低い債券などを中心とした投資信託や、分散効果が期待できるバランス型の投資信託などに積み立てをすることで増やす効果を期待しています。ただし学資保険と違い、投資信託は元本を割る可能性がゼロではありません。この点は注意が必要です。
まとめ
子育て家庭にとって大きな存在である児童手当。自治体での手続きが必要ですが、きちんと手順を踏めば決して難しい制度ではありません。不明な点があれば自治体の担当部署に電話で問い合わせましょう。
2021年現在の制度では、中学校を卒業するまでに約200万円を受給することになります。子どもたちのために有効に活用しましょう。