実家暮らしなのに貯蓄なし、貯めるコツを知りたい!/30代男性相談
目次
今回のFP相談は実家暮らし、30代男性のJさん。貯蓄が全くない状況に危機感を覚え、貯蓄のほかに株、投資信託も視野に入れて取り組もうとされています。
実家暮らし30代男性Jさんの相談
実家で暮らしているのに貯蓄が全くありません。貯めるコツを知りたいです。 また、以前銀行で投資信託の話を聞いたのですが、デメリット等を教えてくれなかったので、できれば株や投資信託のメリットやデメリット、成功法など教えてください。 家族構成は、母、姉2人、妹2人、自分の6人です。
貯めることは「先取り」と「つもり貯蓄」
実家でお母さまやご兄弟と同居をしているJさん。将来に向けて資産運用への意識が高まっているようですね。今後、結婚をするかどうかなど、ライフプランによって必要な支出は大きく変わってきますが、場合によってはお母さまの介護といった経済的負担が生じることも想定しておかなければなりません。
「実家で暮らしているのに貯蓄が全くない」とやや後悔している様子が伝わりますが、このタイミングで貯蓄の重要性に気付けたと前向きに捉え、今からでも少しずつできることに取り組んでください。
「今月は厳しいから貯蓄はできない」といった声を良く聞きます。すると、おそらく「来月も厳しい」という状況になることが想定されます。そしていつまでたってもなかなか貯蓄ができません。これは、余った分から貯蓄しようとしているからです。まずは月々の収支を見直し、「絶対に毎月〇円貯蓄をする」と決めてください。そして、その金額は給料日などに、先に貯蓄に回すのです。
「収入-支出=貯蓄」ではなく「収入-貯蓄=支出」と考えてください。目標額の貯蓄を行った後の金額でどのように生活をしていくべきか、無駄遣いはないかを見直す機会にしてください。
また、「つもり貯蓄」もおすすめです。例えば「電車を利用したつもり」、「間食をしたつもり」と、上手に節約できた交通費などを、支出したつもりで貯蓄に回すのです。1日100円でも200円でも「つもり貯蓄」ができると楽しくなりますよ。何より、歩く機会が増えたり外食が減ったり、家計にも体にも優しい貯蓄方法になりますよ。
株や投資信託のデメリットは?
金融商品に限らず、私たちは様々な商品やサービスを購入する上でメリットとデメリットを把握しておきたいものです。その逆に、販売サイドはなるべくメリットを強調しておきたいというのが正直なところだと思います。
「デメリットを教えてもらえなかった」と感じたJさんは、冷静な対応ができていたのではないでしょうか。メリットやデメリットを理解した上で投資を検討してみてください。以下、参考にまとめました。
株式と投資信託の最大の違いは直接自分で投資対象を選ぶかどうかということです。株式の場合、数千銘柄とある上場企業の中から、Jさん自身で判断して、1銘柄または複数の銘柄を選ばなければなりません。
選んだ銘柄の株主になれるため、株主総会への出席や株主優待がもらえるなど、株式特有のメリットもありますが、業績次第では大幅に株価が下落し、最終的には価値がゼロになるというリスクもあります。そのため1銘柄だけ投資するのはリスクが大きく、複数銘柄に分けて購入する方が良いとされています。
そういう点で、投資信託の場合はプロであるファンドマネージャーが一定の方針の下、複数の銘柄を選別しています。そうすることにより、少額で分散投資を行うことができるためリスクを抑えながら長期的な運用を行うことが可能となります。ただし、その分、運用管理費(信託報酬)と呼ばれる年間維持費がかかります。コストに見合うリターンを得られるかどうかがポイントとなります。
まずは預金優先、少額で投資信託の積み立てから
株式と投資信託のメリットとデメリットについて紹介しましたが、どちらもリスクのある金融商品です。現在、Jさんは貯蓄がほとんどないという状況ですが、これからの収入の中から株式や投資信託を中心に購入していくと、保有資産のほとんどがリスク商品になってしまいます。
そうすると、臨時でまとまった資金が必要というときには、株式や投資信託を売却して現金化しなければなりませんが、できればそういう状況は避けたいところです。まずは生活費の3カ月~半年分の普通預金や定期預金を確保することを目指してください。
また、同時に分散効果の高い投資信託をコツコツ積み立てていくのも良さそうです。今は1日100円程度から投資信託を積み立てることができるサービスを提供している証券会社や銀行もありますよ。
まとめ
- 将来を見据えてまずは行動あるのみ
- リスク商品よりも先に一定程度の預金を貯めたい
- 投資信託を無理のない範囲で積み立てをはじめ、投資知識を身に付けたい
貯蓄の重要性や投資商品の特性を理解できても行動に移せない人もいます。貯蓄専用の銀行口座を開設する、日々の節約や貯蓄のルールを作るといったすぐにできることもたくさんあります。まずは思い立ったが吉日です。ぜひ行動に移してください。
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