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デュアルSIM活用で通信費を大幅節約!今、最強の組み合わせは?

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デュアルSIM活用で通信費を大幅節約!今、最強の組み合わせは?

【画像出典元】「 Production Perig- stock.adobe.com」

デュアルSIMの登場によって、1つのスマホで複数の通信会社を組み合わせて利用できるようになりました。2021年9月8日からahamoもいよいよeSIMの提供を開始したことで、LINEMOなど大手すべてのキャリアの格安プランと「楽天モバイル」を組み合わせることで通信費を節約することが可能です。さらに最新のiPhone13シリーズでは、デュアルeSIMに対応しておりメイン回線、副回線ともにeSIMでの運用が可能となっています。

今回はデュアルSIMやeSIMの仕組みや設定・運用方法、さらにおすすめの通信会社の組み合わせを紹介していきます。

そもそもSIMってなに?

スマホ側面にSIMカードを差し込む
【画像出典元】「Pixel-Shot- stock.adobe.com」

SIMとは、「Subscriber Identity Module」の略称です。簡単にいえばスマホやタブレットのモバイル端末を利用するための識別機能のことであり、カード形式になっているのが一般的です(SIMカード)。

SIMカードの中には、契約者情報(識別番号、電話番号、メールアドレスなど)が記録されています。SIMカードをスマホ端末のSIM差込口(スロット)に差し込むと通話やインターネットが利用できるようになり、SIMカードを抜いた状態では回線契約をしていても利用できなくなります。

デュアルSIMとeSIMってなに?違いは?

デュアルSIMとは?

デュアルSIMスマホのSIMカード差し込み口(SIMカードが2枚入れられる)
【画像出典元】「phantom1311- stock.adobe.com」

デュアルSIM(DSDS)とは、「Dual SIM Dual Standby」の略称です。

デュアルSIMは、簡単にいえば1つのスマホ端末で2つのSIMが同時に利用できる仕組みのことです。

現在販売されている多くのスマホはデュアルSIM仕様となっており、SIM差込口には2枚のSIMカードをセットできるタイプもあれば、差込口は1つで物理SIMカード1枚+eSIM(後述)のセットでデュアルSIM化しているタイプもあります(iPhoneなど)。

具体的にデュアルSIMでは次のようなことが実現できます。

<デュアルSIMでできること>
・2社の通信会社のSIMを使い分けられる(通話は大手A社のSIMで、データ通信は格安キャリアのB社のSIMといったような使い分けができる)
・電話番号を2つ持てる(プライベート用、仕事用の番号を1端末で使い分けられる) など

eSIMとは?

スマホのディスプレイ中心にeSIMが描かれたイラスト
【画像出典元】「SMUX- stock.adobe.com」

eSIMとは、Embedded SIM(組み込み型のSIM)の略称です。

eSIMの場合、端末内に組み込まれた部品があり、そこに契約者情報(識別番号、電話番号、メールアドレスなど)をプロファイルデータとして記録できるようになっています。

eSIMはカードではないため抜き差しなどは不要です。インターネット上からプロファイルデータをダウンロードして利用することになります。つまりSIMカード郵送を待つ必要もなく、契約後すぐにダウンロードして利用開始できるのも便利な点です。

前述したデュアルSIMでeSIMが利用できるスマホも多いです。例えばSIMスロット1はA社のSIMカード、SIMスロット2はB社のeSIMサービスに対応させるイメージです。

デュアルSIMを運用する場合の手順

赤いボディのスマホを操作する男性
【画像出典元】「琢也 栂- stock.adobe.com」

実際にデュアルSIM仕様のスマホで2つのSIMカードを運用するまでの手順を解説していきます。

1.事前準備

デュアルSIMを運用する上で、まずは以下の準備をします。

・デュアルSIM仕様のスマホやタブレットを用意
・SIMカード2枚、もしくはSIMカード1枚+eSIM1つの契約をする
・eSIMを利用する場合は、事前にプロファイルのダウンロードを行う
・「SIMロック解除」が必要な場合は、事前に通信会社に依頼し、SIMロック解除を行ってもらう

2.差込口にSIMカードを挿入

デュアルSIM仕様のスマホのIMカード差込口トレイを開くと、計2枚のSIMカードをセットできるようになっています。

スロット1とスロット2があり、それぞれに利用したいSIMカードを挿入します。片方をeSIMにする場合は、SIMカード1枚のみを挿入します。

3.SIMの設定をする

SIMの設定を行います。

※設定操作は端末によって異なる場合もあります。
・「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIMカード」で設定画面を開く
・スロット1とスロット2にSIMが認識されていることを確認し、有効化する
・優先SIMの項目で、通話/SMS、データ通信の優先設定をする(例:データ通信はスロット2のSIMカードで行いたい場合、そちらをデータ通信優先に設定する)

4.通話をする(発信)

2枚のSIMカードでそれぞれ音声通話の契約をし2つの電話番号を持っている場合、発信時にどちらの電話番号から発信するかの選択画面が表示されます。

選択画面で発信したい電話番号をタップし、電話をかけます。

5.通話をする(受信)

2枚のSIMカードでそれぞれ音声通話の契約をし2つの電話番号を持っている場合、相手から電話受信した際には、画面上にどちらの電話番号に向けてかかって来ているかが表示されます。

月額0円スタートの「楽天モバイル」を組み合わせて通話し放題!

スマホ画面に「RaKuten(楽天)」のロゴが表示されている
【画像出典元】「Игорь Головнёв- stock.adobe.com」

デュアルSIMで2社の通信会社と契約する場合、片方は「楽天モバイル」にするのがおすすめです。

理由として、楽天モバイルはデータ使用量に応じて月額料金が決まるため、データ使用が1GB以内であれば月額料金0円で継続できるためです。

<楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)の特徴>
・月額料金は、データ使用量に応じて0円~上限3278円(税込)で変動(データ通信1Gまでは月額0円、上限3278円で無制限のデータ通信が可能)
・Rakuten Linkアプリによる音声通話が完全無料(Rakuten Linkアプリを利用していないスマホ、固定電話に対しても完全無料)
・弱点として、対応エリアがまだ広くない、パートナーエリアの場合、1カ月5GBまでしか利用できない
・楽天モバイルエリア対応

たとえば、A社+楽天モバイルを契約し、A社のSIMカードのみでデータ通信を行った月は、楽天モバイルの月額料金は0円になります。またA社側の通信制限容量を超過してしまう月は、超過後は楽天モバイル側のSIMカードで通信することで、トータルの支払いを抑えることが狙えます。

さらに、Rakuten Linkアプリを使うことで音声通話が実質無料になるのも強みですね。

大手キャリアの格安プラン+楽天モバイルの組み合わせが狙い目、パターンを紹介

前述したように、楽天モバイルはデータ通信1Gまでは月額0円で運用できる使い勝手のよいサービスです。この楽天モバイルと以下大手3社の通信プランの組み合わせパターン例を紹介します。

LINEMO・・・ソフトバンク系
povo・・・au系
ahamo・・NTTドコモ系

LINEMO+楽天モバイル

LINEMO(ラインモ)は、ソフトバンクが2021年3月17日から開始した携帯電話のオンライン専用新ブランドです。

<特徴>
・月額2728円(税込)で20GBまでデータ通信利用可能
・20GBを超える場合は最大1Mbpsに通信速度が制限される、制限解除したい場合はデータ量の追加購入(550円(税込)/1GB)が必要
・LINEアプリでのデータ通信(トーク、音声通話、ビデオ電話など)はカウントフリーでデータ消費ゼロ
・通話をする場合、通話従量制(22円(税込)/30秒)が別途発生
・5分以内の国内通話が無料になるオプション(税込550円/月)が契約から1年後まで無料
・eSIM対応
・ソフトバンクエリア対応

LINEMOは月額2728円(税込)とリーズナブルであり、LINEアプリ関連のデータ利用は無料なのがメリット。ただしデータ通信は20GBが上限となり、追加しない場合は最大1Mbpsに通信速度が制限されてしまいます。

LINEアプリでの通話やトークはいくら使っても無料になりますので、普段LINEアプリを使う頻度の多い人には特におすすめの組み合わせといえるでしょう。

発生する月額料金の上限はLINEMOが2728円(税込)+楽天モバイル0円~で合計2728円~(税込)です。

povo+楽天モバイル

「povo(ポヴォ)」は、auが2021年3月23日より導入した携帯向けの新ブランドサービスです。

<povo(povo1.0)の特徴>
・月額2728円(税込)で20GBまでデータ通信利用可能
・20GBを超える場合は最大1Mbpsに通信速度が制限される、制限解除したい場合はデータ量の追加購入(550円(税込)/1GB)が必要
・豊富なオプションプランがある
 5分以内通話かけ放題(550円(税込)/月)、通話かけ放題1650円(税込)/月)、データ使い放題24時間(220円(税込)/24時間)など
・通話をする場合は、通話従量制(22円(税込)/30秒)が別途発生
・eSIM対応
・auエリア対応

また、2021年9月29日からpovo2.0サービスの受付が開始されました。

<povo2.0の特徴>
・2021年9月29日より新たに追加された料金プラン
・月額基本料0円(トッピングによる完全従量制)
・10種類の選べるトッピング(1GB/7日間で390円(税込)、3GB/30日間で990円(税込)、20GB/30日間で2700円(税込)、60GB/90日間で6490円(税込)、データ使い放題/24時間で330円(税込)、5分以内かけ放題/月で550円(税込)など、多彩なトッピングあり)
・データ容量を使い切った場合、最大128kbpsに通信速度が制限される
・通話をする場合は、通話従量制(22円(税込)/30秒)が別途発生
・もらう×さがす×あたるの3つをテーマに、さまざまな手段でギガ(データ使用量)を手に入れられるもう一つの楽しみ方、「#ギガ活」サービスあり

povo(povo1.0)は、前述したLINEMOと料金設定がほぼ同じです。そのためLINEアプリのデータ通信が無料になるLINEMOに比べるとやや魅力に欠けます。ただし「5分以内通話かけ放題」や「データ使い放題24時間」など豊富でユニークなオプションが用意されているのはメリットです。現在auを使っている人は乗り換えがスムーズです。

発生する月額料金の上限は、povo1.0の場合2728円(税込)+楽天モバイル0円~で合計2728円~(税込)となります。povo2.0の場合、月額費用という概念ではなくなったため一概に比較はできませんが、3GB/30日間990円(税込)のプランを選択した場合、990円(税込)+楽天モバイル0円~で合計990円~(税込)で運用可能となります。

新プランpovo2.0は、使いたい時にデータ使用量を購入するという月額制ではない全く新たな概念の従量制プランであり、通信をしなければ基本料0円で使うことも可能です。ただし180日間以上有料トッピングの購入などがない場合、利用停止、契約解除となることがあります。60GB/90日間で6490円(税込)のプランを選択した場合、1ヶ月単位に割ると20GBあたり2163円(税込)となるため、大手キャリアの格安ブランド(大手3社+楽天モバイル含む)の中では現況最安となるのも魅力的です。

ahamo+楽天モバイル

「ahamo(アハモ)」は、NTTドコモが2021年3月26日に導入した携帯向けの新ブランドサービスです。

<特徴>
・月額2970円(税込)で20GBまでデータ通信利用可能
・20GBを超える場合は最大1Mbpsに通信速度が制限される、制限解除したい場合はデータ量の追加購入(550円(税込)/1GB)が必要
・通話をする場合、国内通話5分まで無料(超過後 22円(税込)/30秒)
・海外ローミング20GBまで無料
・ドコモエリア対応
・eSIM対応(2021年9月1日より)

ahamoは、LINEMOやpovoに比べ基本料金がやや割高の2970円(税込)となりますが、その分、国内通話5分まで無料のオプションが標準で付いています。ただし、楽天モバイルと組み合わせた場合、Rakuten Linkアプリによる音声通話が無料であるためメリットにはなりません。回線品質の高いドコモ回線を利用できるというのは一つのメリットです。

これまでは大手の中で一社だけeSIMに未対応であったのが懸念点でしたが、2021年9月8日よりeSIM対応したため、より契約もしやすくなりました。

発生する月額料金の上限は、ahamoの2970円(税込)+楽天モバイル0円~で合計2970円~(税込)となります。

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以上のようにデュアルSIMのスマホであれば、複数の通信会社を組み合わせて利用することができます。ご自身の利用状況と組み合わせの相性が良ければ、月々のデータ通信量や通話料を効率よく減らせることも。

特に昨今のコロナ渦で、データ通信量や通話量が増えた方も多いかと思いますので、デュアルSIMの特性を利用し、増えた分を賢く軽減、相殺してみてはいかがでしょう。