暖房のつけ始めっていつ頃?適温は?電気代節約の技も
冷房より電気代がかさみやすい暖房。秋になると肌寒い日も増えてきますが、暖房はいつ頃からつけ始めるのがよいのでしょう。
今回は暖房をつけ始めるのに最適な気温、さらに暖房の電気代を節約するための工夫について紹介していきます。
暖房の適温は何度?
環境省からは、暖房の設定温度は「20℃」が推奨されています。
暖房時の設定温度を1℃下げると消費電力は約10%の削減となり、さらにはCO2発生も削減されるため、地球温暖化防止につながります。こうした”ウォームビズ”の一環として20℃の設定が推奨されています。
基本的にはこの20℃を目安に設定するのがよいでしょう。
場所や同居者によってケースバイケース
リビング、キッチン、脱衣所などは20℃の設定が目安です。一方、寝室は少し低めの16℃~20℃が快眠のためには適しているといわれています。
部屋毎に温度が極端に違うと、移動時に血圧が急変動し、失神、心筋梗塞、脳梗塞などの症状を引き起こす恐れもあります(ヒートショック現象)。各部屋の設定温度の差が大きくならないように配慮することも大切です。
同居者に配慮する必要もあります。赤ちゃん、高齢者、基礎疾患のある人など、体温調整能力が十分でない人が同居者にいる場合、無理に20℃にこだわらず、身体に負担のない温度に設定することも大切です。
みんな、気温が何度になると暖房をつけ始めてる?
気温15℃がつけ始めの目安
気温が「15℃」台になると多くの人が肌寒さを感じるといわれています。この15℃前後が暖房をつけ始める一つの目安となります。
地域差をみると、九州は11月頃、東京は10月下旬、北海道はさらに早く10月上旬には平均気温が15℃台に突入し、その頃から暖房をつけ始める人が多いようです。
アンケートデータによれば、北国は10月頃、その他エリアは11月頃から
一般社団法人 地球温暖化防止全国ネットが公表した「平成28年度 温室効果ガス排出実態調査 年次レポート」では、アンケート調査の結果から暖房のつけ始めの時期が集計されています。
このレポートによれば、東京、大阪など本州のほとんどの地域では、11月上旬から暖房使用率が急上昇している傾向がうかがえます。
一方、北海道、青森県、岩手県、秋田県の北国においては少し早く、10月上旬~中旬頃には暖房使用率の急上昇が始まっています。
暖房にかかる電気代の節約方法
高くなりがちな暖房代ですが、工夫次第で電気代を安く抑えることもできます。いくつか方法を紹介していきます。
その1:エアコンの設定の見直し
エアコンの設定を以下のように設定するだけでも、消費電力を抑えられることがあります。
・「自動運転モード」の活用
・エアコンの風向きは「下向き」に(暖気は部屋の上部に溜まりやすいため)
・短時間(30分程度)の離席であれば、こまめな電源ONOFFをするよりも「つけっぱなし」にすることで節電になる など
特に一つめの「自動運転モード」については積極的に活用したいところ。自動運転モードにすると、設定温度に到達するまでは最大運転となり、設定温度に到達後は、弱モードや送風モードに自動で切り替わります。
つまりエアコン側が最も効率がよく負担の少ない動作を自動で行ってくれますので、手動で弱や中に設定するよりもトータルで見ると節電につながりやすいのです。
その2:エアコンフィルターや室外機の掃除
エアコンのフィルターを掃除すると、暖房時には約6%、冷房時には約4%の消費電力の削減になるとの環境庁の調査結果もあります。フィルターの掃除は2週間に一度するのがベストといわれていますので、定期的に掃除しましょう。
「室外機」も汚れていると余計な電力がかかってしまいます。室外機ボディに付着した汚れやほこりは雑巾などで拭きとり、ファンの前を塞いでいる枯れ木なども定期的に掃除することが大切です。ボディ下面にある「水抜き穴」にもゴミが詰まりやすいため、手袋をしてたまに取り除いてあげましょう。
その3:室内の断熱対策をする
冬場は、窓などの開口部から冷気が入り込んできます。断熱対策をしないと、入り込んできた冷気が暖房の熱を相殺し、余計な電力がかかってしまいます。
方法としては、ホームセンターで「断熱フィルム」や「断熱シート」を購入し、窓ガラスなどに張り付けると、断熱効果が得られます。カーテンを厚手のものに変えるのも一つの対策となります。本格的に行う場合は、「断熱ガラス」や「断熱壁」を使ったリフォームもあります。
暖房の設定温度の目安は20℃となり、10月~11月頃になると暖房をつける日が増えてきます。昨今は地球温暖化の影響もあり、厳しい寒さの日も増えているため、暖房の全体的な稼働率も増えてきています。電気代のかさみやすい暖房だからこそ、今年の冬は使い方を今一度見直してみてはいかがでしょう。