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結婚後の家計管理は最初が重要!どう進めたらいい?

うちの家計簿 世継 祐子

結婚後の家計管理は最初が重要!どう進めたらいい?

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FPオフィス「フォルテシモ」へ依頼されたお客さまの家計簿を、mymoで診断する【うちの家計簿】。今回は会社員24歳女性、Sさんの家計簿です。

Sさんの相談内容は結婚後の家計管理方法

来年結婚が決まりました。夫が転勤のある仕事なので、将来今の仕事を続けられなくなるかもしれません。実はこれまで家計簿をつけたことがなく、今回の相談のために家計簿をつけ始めました。

家計簿をつけてみると、ずっと実家暮らしだったこともあり、今までテキトーにお金を使っていたことに気が付きました。今後、結婚してどんなことに気をつけて家計を管理していけばよいでしょうか。貯めるのが苦手なので「つみたてNISA」以外に「iDeCo」も始めた方がいいのかなと考えています。年収は280万円程度です。

Sさんの家計簿は・・・?

手取り17万2000円。つみたてNISAと貯金を合わせて手取りの約25%、4万3300円を貯金しています。

お金の入り口「収入」について

結婚後の家計について考えてみましょう。結婚後はお金の入り口「収入」が変化します。今まではSさん1人の給与がすべての収入でしたが、これから共働きをするとお金の入り口が2つになり、2人の収入を一つの家計で管理することになります。

共働き世帯では収入が多くなる分、家計管理が甘くなりがちです。まずお金の入り口「給与明細」を確認することから始めましょう。

「支給額」・・・基本給、時間外労働手当、住宅手当、家族手当、通勤費など
「控除額」・・・健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税など

「総支給額」「総控除額」にだけ目が行きがちですが、一つ一つの項目を確認することで支給額のうち残業代である「時間外労働手当」はいくらなのか、などと意識することができます。例えば残業代は仕事の量などで変動するので、必ずもらえる固定収入として考えないことが大切です。

「控除額」の健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険の社会保険料の金額も確認しましょう。あわせて、これらの社会保険の内容も確認しておくと、民間の保険の効率的な見直しにつながります。

夫婦のお金管理は最初が大事

貯金するカップル
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夫婦の中には、お互いの収入を見せることなく、夫が家賃と交通費、妻が食費と光熱費など、家計の負担する費目を決め、収入の一部を家計の財布に入れるというスタイルの家計もあります。

「自分の稼いだお金は、自分で好きに使いたい」という気持ちも分かりますが、そうするとお互いの基本給や手当がいくらなのかが分からないため、今後Sさんが働き方を検討するときに、いくら働いたら夫の「家族手当」が支給されなくなるのか、老後の年金は夫婦でどのくらいもらえるのか分からず、将来のライフプランが立てづらくなります。

お二人が生活をスタートする時からお金の入り口をオープンにし、お互いが自由に使いたい「おこづかい」の金額を話し合うなど、お金の使い方についてお互いの希望、考え方などを話し、一緒に考えて決めていくことがとても大切です。

お金の出口「支出」について

独身時代に貯めたお金は自分のお金として確保しておくこともできますが、これからのお金の使い方、出口について話し合っておくと家計管理がよりスムーズになります。

銀行口座

管理が煩雑にならないように支出口座はA銀行、貯めるお金はB銀行など目的別に口座を分けるなど、使う口座を絞り、それ以外の口座は解約するなどしてスマートに管理できるようにしましょう。

クレジットカード

お互いカードを何枚持っているのか、ポイントの還元率や使いやすさなどを話し合って枚数を一人2枚ぐらいに絞り、明細を確認しやすくしておくことが大事です。現金支出はお財布にお金がないと買い物ができませんが、クレジットカードは支払いが先送りになるため「使った感」が残らず、積み重なって大きな支出になりがちです。

総額の支払い金額が把握しにくくなる「リボ払い」はしないルールを作るなど、クレジットカードの使い方については、夫婦で最初に話し合っておくことをおすすめします。

電子マネー

キャッシュレス化が進む中、お金の出口を増やしすぎて支出が把握しにくくならないようメインで使う支払い方法を選んでおきましょう。

 

お金の出口を増やすと、お金を何に使ったか記録がしづらくなります。お金の出口をできるだけ増やさないことが大切です。

iDeCoの必要性について

老後資金
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Sさんは2021年から「つみたてNISA」を始めて「満足支出」として継続されています。資産形成を応援するための制度で、購入時手数料が無料、運用管理費用が低水準の商品を選ばれています。

「つみたてNISA」はいつでも解約でき、必要なときに一部だけ使うなど自由度が高いことが特徴です。積立金額の変更なども自由で、金融機関によっては月額100円から積み立てられるため、収入減などの変化にも対応しやすいのが魅力です。

現在SさんはつみたてNISAで月3万3300円、年間投資額の限度額は40万なので、12カ月でほぼ上限まで運用されています。「iDeCo(イデコ)」についても検討中とのことですが、iDeCoは原則60歳までお金を引き出せないため、使用目的が老後資金に限られてしまいます。

掛け金が全額所得控除になるなど、節税の効果が高いのは確かに魅力ですが、Sさんが考えていらっしゃるように結婚後、働き方が変わることもありえます。お二人の生活がスタートし、収入・支出の管理ができ、5年後10年後のライフプランイメージができてからでも遅くないと思います。

まずはお二人のお金の入り口と出口を整理して共有することから始めてみてください。

アドバイスを受けたSさんの感想

確認したところ、私の通帳は4つ、カードは5枚ありました。電子マネーは3種類利用しています。私一人でもお金の出口が12個もあるのですね。自分の分だけでも管理できていないことに気が付きました。
使っている銀行にはネットバンクなどもあります。意識しなかったら、勧められるがままに、もっとカードが増えていたかもしれません。給与明細も振り込まれている金額しか見ていなかったので、結婚を機に一緒に見てみます!iDeCoは老後資金について考えるようになってから検討しようと思います。

家計簿診断を終えて

結婚というライフステージの転機を迎え、お金について考えていただくのはとてもいいタイミングだと思います。ご家族が増えると、社会保障の遺族年金や老齢年金の内容も変わってきます。ぜひ、お金の入り口の給与明細にも関心を持っていただき、自分たちのお給料の中身を把握するようにしてみてください。

iDeCoについても、年収と加入期間から、節税の効果等を具体的に確認することができます。お二人の家計の整理ができたら、今後の働き方も含め、iDeCoをスタートする時期や金額についてお話されるのもよいと思います。ご検討ください。

お金は目的があると貯めるのも楽しくなります。楽しい家計管理をスタートさせてくださいね。

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