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「1日自動車保険」人の車に乗るなら必ずチェック!

そなえる 内山 貴博

「1日自動車保険」人の車に乗るなら必ずチェック!

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近年は車を持たない・乗らないというライフスタイルの人も増えてきました。しかしそんな人でも、休日に車で遠出をしたい日もあるでしょうし、実家に帰省した際に車で移動したい場合もあると思います。こういった場合、友人や知人、親族などから1日だけ車を借りることもあると思います。その際に加入しておきたいのが1日自動車保険です。

1日自動車保険の特徴

一般的に1日自動車保険の「1日」は24時間を意味します。加入してから24時間が補償の対象となりますが、最長で7日までまとめて契約することもできます。

手続きはコンビニやスマホで簡単にできます。友達の車でドライブ中、その日は運転するつもりはなかったものの、急きょ運転を代わることに、というシーンも考えられますよね。そんな際にすぐ利用できる、頼れる保険です。必ずハンドルを握る前に手続きを行いましょう。

1日自動車保険の補償内容は?

1日自動車保険の補償内容は、基本的に通常の自動車保険(任意保険)に準じた内容となっています。自動車運転中の事故などが対象で、対人や対物はしっかり補償される一方、それ以外はややシンプルな補償内容となっています。例えば、駐車場などで駐車中に起こった事故などは対象外です。その他、車両自体に対する補償もやや手薄で、プランによっては全く補償されないものもあります。

各保険会社とも金額に大きな差はなく、最低限の補償がセットになったプランは24時間で800円程度です。加入しやすい金額ですが、一般的に車両に対する補償はありません。

車両に補償がないプランだと、車をうっかり傷つけてしまった場合に修理費が全額自費となるため大変です。車両補償が含まれるプランの保険料は2000円前後です。一定額まで補償しない免責金額が設けられているプランもありますので、支払う保険料と補償のバランスを検討してから加入しましょう。

1日自動車保険に入っておくべき理由

交通事故を起こして電話する男性
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ハンドルを握る以上はきちんとリスク対策を

「乗るのは数時間程度だし」「交通量も多くないし」とわずかな時間のために1日自動車保険に加入するのはもったいないと思う人もいるかもしれませんが、ハンドルを握る以上、必ず自動車保険には入っておきたいですね。

まず何より対人、対物賠償に対する備えは大切です。
警視庁の交通事故に関する調査結果によりますと令和3年における事故の件数は30万5425件。負傷者は36万1768人、死者2636人となっています。単純計算で1日1000人近い人が負傷し、毎日7人以上の人が亡くなっています。

コロナ禍の影響もあってか令和元年以降は交通事故発生件数が大幅に減っていますが、それ以前は年間40万から50万件にのぼる年もあります。つい「自分は大丈夫」と思ってしまいがちですが、このように毎日どこかで事故が起き、誰かが負傷し、そして亡くなっている人がいることを考えると必ず自動車保険には入っておきたいところです。

また、1日自動車保険を利用する人は、日頃あまり運転しない人も多いはずです。マイカーで日頃運転している人よりも少しリスクが高いことを自覚しましょう。

事故に遭っても「自賠責保険があるから大丈夫なのでは?」と思うかもしれません。自賠責保険は強制保険と言われ、公道を走る車は必ず加入しています。ただし、この自賠責保険は対人のみの補償で対物の補償はありません。また死亡時の支払限度額は3000万円、後遺障害で4000万円です。

過去の高額損害事例としては5億円以上の賠償を命じられた判例もあります。到底自賠責保険で足りる金額ではありません。そういった観点からも1日自動車保険に加入しておく必要があるのです。

1日自動車保険の方が経済的!

実家に帰省して親の車に乗る場合なども1日自動車保険の出番となりそうです。親の車に掛けられている保険は、年齢制限や夫婦限定といった、運転手を限定する補償内容になっていることが多いからです。

もちろんこういった限定を外せば、帰省中の子供が運転しても補償の対象となりますが、その分追加で保険料が生じることになります。その追加分は24時間で800円程度の1日自動車保険の保険料よりも高くなる可能性が高いでしょう。

1日自動車保険の注意点は?

自動車保険
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 自分自身が任意の自動車保険に加入している場合

自分の車を保有し、任意の自動車保険に加入している場合は注意が必要です。自動車保険には「他車運転特約(他車運転危険担保特約)」を付加することができるためです。「他車運転特約」とは、他人の車を一時的に借りて事故に遭った場合も補償される特約です。

この特約があれば、保険適用範囲になりますので1日自動車保険に加入する必要はありません。なお、三井住友海上の1DAY自動車保険の重要事項説明には以下のような記述があります。

1日自動車保険は保険金が支払われても任意の自動車保険の等級に影響しません。そうなると、他人の車で事故を起こした場合、「事故の際、(等級に影響する)自分の自動車保険ではなく、1日自動車保険に入るからそちらから支払ってほしい」と考えそうですが、これは認められません。ご自身の自動車保険(他車運転特約を付けていた場合)から支払われることになります。

また、自分の車を対象に1日自動車保険に加入することはできません。「車は持っているけど、最近ほとんど乗らないし」ということで任意保険に加入せず、必要な時だけ1日自動車保険に加入する方が経済的ではと思うかもしれませんが、あくまで1日自動車保険は自分以外の車が対象です。自分以外の人が保有する車が対象です。またレンタカーも対象外となります。

車両補償プランは事前登録が必要

1日自動車保険はコンビニの端末やスマホで気軽に加入できるメリットがあるため、「急に運転することになった」という場合でも即加入できる点は大変便利です。ただし、初めての保険申し込みで車両補償のあるプランを選びたい場合は、7日前までの事前登録が必要となりますので、その点には注意してください。

スマホの通信状況をしっかり確認

レジャーで海や山などに車で行く場合は、運転手がついお酒を飲んでしまったり、長距離の運転に疲労を感じたりと、車所有者以外の人が運転することも想定されます。周囲にコンビニが無い場合はスマホで自動車保険に加入することになりますが、立地によっては電波が弱い可能性もあります。

加入したつもりが通信状況によって加入できていないといった状況は避けたいところです。そういう時に限って事故やトラブルに遭遇することも考えられます。慌てず急がず、手続きが完了しているか落ち着いて画面を確認してください。

補償期間が余った場合

実家に帰省した際、親の車を使うつもりで1日自動車保険を4日分契約したけれど、実際は2日間しか利用しなくなったという場合、残り期間分の取消ができる場合があります。三井住友海上の場合はスマホで手続きする場合、補償不要となった期間開始の10分前まで、セブンイレブンの端末の場合は1時間前までに手続きをすると取り消すことができます。

自分と友人、加入の手続きはどちらがしても大丈夫?

「自分の車に友人が乗るから」または「友人の車に自分が乗るから」、それぞれ1日自動車保険に加入するケースとなりますが、果たしてどちらが手続きすべきでしょうか?本来は運転する人自身が手続きすべきだと思いますが、例えば「自分の車に友人が乗るから」というケースで自分のスマホで友人を記名被保険者として申し込みをすることは可能でしょうか?この点は保険会社によって異なります。

例えば東京海上日動の場合は以下のようになっています。

一方、三井住友海上は以下のようになっています。

手続きをする人が「契約者」で運転する人、補償の対象になる人が「記名被保険者」です。東京海上日動は一定の親族以外は契約者と記名被保険者は同一でなければならないようですが、三井住友海上はそれぞれが別になっていても構わないようです。

主要な1日自動車保険のプランや料金は

車の模型と虫眼鏡
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1日自動車保険は東京海上日動と三井住友海上が主な取り扱い損害保険会社となります。東京海上日動の「ちょいのり保険」はローソン、ミニストップ、ファミリーマートで加入可能です。三井住友海上の「1DAY自動車保険」はセブンイレブンで加入できます。よってこの2社を中心に検討することになりそうです。

最低限のプラン(東京海上日動は「シンプルプラン」、三井住友海上は「エコノミープラン」)の料金はどちらも800円ですが、ワンランク上のプランで比較すると、三井住友海上の「スタンダードプラン」や「プレミアムプラン」の方が東京海上日動の「レギュラープラン」や「プレミアムプラン」よりも保険料が安いので、より充実したプランに加入したいのであれば三井住友海上が候補となりそうです。

ただし、1日自動車保険の場合、基本的には限られた時間の保険となります。主たる補償内容に大きな違いはありませんので、保険会社ベースではなく日頃よく利用するコンビニなどを基準に選ぶのも1つの方法だと思います。

なお、人身傷害なども付けることができ、通常の自動車保険と変わらない充実した補償内容の1日自動車保険が、損保ジャパンの「安心プラン」です。24時間で保険料が3500円と、やや他と比較すると割高ではありますが、運転が不安、慣れない道を運転するといった場合で心配な方はぜひ検討してください。損保ジャパンはコンビニでの加入はできませんが、スマホで加入しPayPayで決済することができます。

1日自動車保険の選び方

タブレットで自動車保険を申し込む
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前述のように、一日自動車保険の補償内容や料金は、各社多少の差はあれど、それほど大きな違いはありません。そのためどの保険会社や商品が有利ということは無さそうです。ただし、選び方のポイントとしては、「毎回同じ保険会社を選ぶ」方がよいでしょう。

おそらく1日自動車保険をひんぱんに利用する人は限られると思います。1度使って時間が経ち、すっかり手続きの方法などを忘れた頃にまた利用、などということも想定されます。1社に決めることで比較的スムーズに、そして間違わず、その都度適した保障内容で契約することができるでしょう。

また使えば使うほど割引サービスを受けられる1日自動車保険もあります。これも1社に絞るメリットになりそうです。また、1日自動車保険を何度も利用し、無事故だった場合は、後々車を購入した場合、自動車保険を初めて契約する時点でいきなり無事故割引が適用されることがあります。ということは、1日自動車保険を選ぶ際は最初が肝心!大きな差が無いとはいえ、少しでも自分に適した1日自動車保険を選んでください。

まとめ

車を運転するということはたとえわずかな時間でも大惨事を引き起こす可能性があるということです。そのことをしっかりと意識して必ず他の車を運転する際は1日自動車保険に加入しましょう。もちろん、安全運転、無事故で保険のお世話にならないことが一番です。

1日自動車保険についてのQ&A

Q.セブンイレブンで1日自動車保険を申し込みたいと思っています。マルチコピー機を利用すればいいでしょうか?

A.マルチコピー機から手続きをすることができます。それ以外にもスマホを使いウェブで申込み、スマホの画面上に表示される払込票番号(バーコード)をレジに提示することで保険料を支払う方法もあります。

Q.事故に遭った場合、自賠責保険の保険会社と任意保険の保険会社どちらも連絡する必要がありますか?

A.どちらかに連絡すれば大丈夫です。1日自動車保険の場合も同様です。その後の補償額などは自賠責と任意保険(1日自動車保険含む)の保険会社同士がやりとりをしてくれます。