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「株主優待」どう選ぶ?注意点をFPが解説。10万以下の銘柄例も

ふやす 中村 賢司

「株主優待」どう選ぶ?注意点をFPが解説。10万以下の銘柄例も

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コロナ禍で株や投資を始める人が増えました。また2024年からはNISA制度が拡充されるため、ますます投資を始める人が増えると予想されます。

株式投資の魅力は、売却益や配当金のほか、「株主優待」もそのひとつです。

そこで今回は、株主優待の楽しみ方や銘柄選びのポイント、10万円以下でも楽しめる魅力的な株主優待、株主優待の権利を得るための条件などについて解説していきます。

株主優待とは

株主優待とは、一定の株式を保有している株主に、自社商品や商品券、運賃割引など配当金以外にモノやサービスで企業の利益を還元してくれる制度です。

すべての企業が実施しているわけではなく、2022年9月時点で上場企業の約4割にあたる1463社が株主優待を実施しています。(※)

※参照:大和総研HP

権利確定日と権利付き最終日

この株主優待を受け取るためには、「権利確定日」に必要数以上の株式を保有していることが条件となります。しかし、通常株式投資の受け渡しには2営業日かかるため、権利確定日の2営業日前(権利付き最終日)までに株式を保有していなければなりません。

2023年3月決算の企業の場合、3/31が権利確定日なので3/29時点で株式を保有していれば株主優待を受け取る権利があります。その後3/30(権利落ち日)以降に株を売却しても3月末の権利は獲得できることになります。

株主優待の銘柄を選ぶ際のポイントは

ポイント
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株主優待の銘柄を選ぶ際、ポイントは次の2つです。

「優待利回りを優先する」

投資金額に対して配当金をどれくらい受け取ることができるかという配当利回りに対して、株主優待の価値が投資金額に対してどれくらいあるかを数値化したものが優待利回りです。

例えば、20万円の投資に対して3000円の商品券を受け取ることができる株主優待であれば、優待利回りは1.5%ということになります。

「優待内容を優先する」

昨今の物価高で家計のやりくりは大変です。そこで少しでも家計の足しになるような優待内容を選んでその銘柄に投資するという方法も良いでしょう。

食品メーカーの株主優待であれば、自社で製造している調味料やドレッシング、飲料や缶詰などの詰め合わせを株主優待として提供している企業もあります。

また日用品のトイレットペーパーやティッシュペーパー、石鹸や洗剤などがもらえる企業もあれば、レジャーの時に使える食事券やテーマパークの入場券などを株主優待にしている企業もあります。

株主優待のメリットとデメリットは

株主優待のメリットは、配当金と同様に毎年繰り返しもらえることです。安定株へ投資して長期保有することで、食品、日用品、商品券などが毎年届き、家計の節約にも繋がるでしょう。

株主優待の中には長期保有している株主に対して優待商品を優遇してくれる企業もあります。長期間保有することで優待利回りも上がりますので、株主にとってメリットが大きいといえます。

一方デメリットは、株価の下落です。毎年株主優待がもらえたとしても投資金額より株価が下がってしまっては、株主優待をもらった価値以上に損をすることもあります。

また、企業によっては業績不振により株主優待を廃止することがあります。株主優待廃止により、期待していた利益が得られなくなり、さらに株価下落のリスクもあります。

メリットとデメリットを十分理解した上で、株式投資をするようにしましょう。

10万円以下の投資でももらえる株主優待

スマホを見て笑顔の女性
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株主優待をもらうためには100株単位で保有する必要があるので、ある程度まとまったお金が必要と思われがちですが、10万円以下でももらえる魅力的な株主優待があります。

そこで10万円以下でももらえる株主優待を一部ご紹介します。なお、投資金額と優待利回りは2023年2月10日(金)終値で試算しています。

「クオカード1000円分の商品券がもらえる銘柄」

「食事券、割引券がもらえる銘柄」

「食品などがもらえる銘柄」

※上記銘柄の選別については、証券会社のスクリーニング機能(絞り込み機能)を使いリストアップした一例です。投資をする際には企業業績や財務内容などを良くご確認の上、自己責任で投資してください。決して筆者が推奨している銘柄ではありません。

まとめ

株式投資の魅力は、株価上昇による売却益や利益を株主に還元してくれる配当金だけではありません。今回紹介した株主優待も株式投資をより身近に感じさせてくれます。

繰り返しになりますが、基準は優待利回りで銘柄を選ぶか、優待内容で銘柄を選ぶかです。私は、日頃よく使うサービスやお店で使える優待券がもらえる銘柄を購入することをおすすめします。

長期で保有することを考えて毎年株主優待をもらい、家計の足しにしてはいかがでしょうか。昨今の物価高を受け家計のやりくりが少しでも楽になることを期待しています。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。