【2023年夏】値上げされる電気代、夏に備える節約のコツを紹介
原油価格高騰やウクライナ情勢などの影響により、高騰が続いている「電気代」。今年2023年の夏は、さらなる電気料金の値上げが予定されています。夏には、一体どの程度の電気代がかかってしまうのでしょう。
そこで今回は過去の電気代を振り返りつつ、今年2023年の夏にかかる電気代をシミュレーションします。また、無理せずできる電気代節約方法も紹介しますので、値上げに備え、節約術を身に着けていきましょう。
過去の電気代振り返り(2022年夏の電気代)
まずはこれまでの電気代を振り返りましょう。昨年2022年夏(7~9月期)における電気代平均のデータを紹介します。
単身世帯
単身世帯の電気代(1カ月)は、総務省の「家計調査2022年 表1(実数,構成比,増減率,寄与度)」によると6418円です。
世帯人数別
世帯人数別の電気代(1カ月)は、総務省の「家計調査2022年 表4(世帯人員・世帯主の年齢階級別)」によると、以下のような集計結果となります。
世帯人員2人・・・1万446円
世帯人員3人・・・1万2062円
世帯人員4人・・・1万2922円
世帯人員5人・・・1万4038円
世帯人員6人以上・・・1万5874円
共有できる電化製品もあるためか、単純に人数に比例して電気代が倍増していくわけではないようです。
季節別
次に、季節別の電気代(1カ月)を見てみましょう。総務省の「家計調査2022年 四半期別」によると、以下のような集計結果となります。
1~3月期・・・7749円
4~6月期・・・6333円
7~9月期・・・6418円
10~12月期・・・6557円
※いずれも単身世帯の数値
一般的に、「暖房器具を多用する冬場に電気代が高くなる」といわれます。上記の数値においても、真冬となる1~3月期は他の季節より電気代が一段高くなっています。このデータから、夏場の電気代は冬に比べればやや抑えられることが分かりますね。
今年2023年夏の電気代予測
今年2023年の夏は、電気代がさらに高くなる可能性があります。今後の動向を踏まえ、シミュレーションしていきましょう。
電力会社が国に値上げを申請中
ウクライナ情勢などの影響により、電力大手7社は電気料金のさらなる値上げを国に申請しています。東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、沖縄電力は2023年4月以降、東京電力、北海道電力は2023年6月以降の値上げを予定しており、国の認可が得られれば値上げが決行される形となります。
夏に電気代はどれくらい上がる?
たとえば東京電力では、17.6%の値上げを国に申請しています(2023年4月13日現在)。
家庭向けで契約者が多い「規制料金」をめぐって、東京電力は、ことし1月に平均で29.3%の値上げを国に申請しましたが、エネルギー価格の下落などを踏まえて、燃料費の算定を見直すよう経済産業省が指示し、先月、値上げ幅を17.6%に圧縮しました。
出典:NHK 東京電力 電気料金値上げ 公聴会で反対意見相次ぐ
もし利用料金が17.6%値上げされた場合、夏以降の電気代はいくらになるのでしょう。
前述したように、昨年2022年における単身世帯1か月の電気代は6418円です。この額に17.6%分を上乗せし計算すると、7548円(小数点以下四捨五入)となります。つまり単身世帯の場合、昨年の夏に比べおおよそ1100円弱、電気代が高くなる計算となります。
無理なく夏の電気代を節約する方法
電気代は、普段のちょっとした心がけや工夫で節約できることがあります。ここでは、無理なく実施できる電気代節約方法を紹介します。夏の電気代高騰に備え、今のうちから習慣として身に着けていきましょう。
エアコン
夏に最も消費電力がかかる電化製品であるエアコンは、以下のような方法で電気代の節約が可能です。
・設定温度を外気温に近づける(冷房時は28℃が望ましい)
・こまめに電源ONOFFしない、昼間30分程度の外出であればつけっぱなしにする
・風向きは、冷房時「水平」もしくは「上向き」にする
・フィルターを定期的に掃除する(2週間に1回がベスト)
など
省エネ性能カタログ2022によれば、エアコンの設定温度を27℃から28℃に1℃上げることで、年間約820円の節電になると示されています。まずは設定温度の見直しから取り組んでいきましょう。
テレビ
テレビについては、以下のような方法で電気代の節約が可能です。
・画面の輝度(明るさ)を落とす
・音量を下げる
・省エネモードを活用
・使わない時には、主電源まで落とし待機電力をカット
など
省エネ性能カタログ2022によれば、テレビ(32V 型)の画面の輝度を最適(最大→中間)にすることで、年間約730円の節電になると示されています。初期設定の状態は輝度が最大になっている機種も少なくありません。目をいたわるためにも、輝度はやや下げて使用するのが望ましいでしょう。
冷蔵庫
冷蔵庫については、以下のような方法で電気代の節約が可能です。
・庫内にものを詰め込みすぎない
・余計な開閉はしない、直ぐに出し入れを行う
・設定温度は「中」か「弱」を活用
・冷蔵庫の上下左右にスペースをつくり、適切な間隔で設置
など
省エネ性能カタログ2022によれば、冷蔵庫の中にものを詰め込みすぎないようにするだけで、年間約1180円の節電になると示されています。食べ残し物や買い置き品など、庫内のものを減らすことから節電を進めていきましょう。
その他の節電対策
他にも、以下のような身近な節電対策方法があります。
・常時使わない電化製品のプラグは抜いておく(電気ポットなど)
・炊飯器の保温は避ける(10時間以上保温するよりも、2回に分けて炊いたほうがお得)
・トイレの便座温度を下げる
・家族で同じ部屋で過ごす時間を増やし、電化製品の利用を共有する
など
以上、今年2023年夏の電気代値上げについて紹介しました。
電気代の値上げがどうなるかは、電力会社と国との話し合い次第となりますが、国が認可し、値上げが決行される可能性も十分あります。もし値上げされてしまった時のことも考え、今からできる節約術を身に着けておきたいところです。