お金

LoveもPeaceも、結局、お金の問題なのか!?

「お金0.2から2.0まで」新しい経済のルールと生き方を考える 中村 修治

LoveもPeaceも、結局、お金の問題なのか!?

【画像出典元】「Unionproject/adobestock.com」

環境問題も、LGBT活動も、どうせビジネスなんでしょ!?環境を破壊する人は大金を手にして、その自然を守ろうと動いている人たちの大半はボランティア。どちらかが儲けて、どちらかが損をする。
結局、お金の問題でしょ!?
ホントに、ホントに、そうなのか!?
これは、お金に振りまわされ続けてきたワタシ(中村修治)の永遠の課題でもある。

LoveさえなければPeaceなんだよ!?

「戦争が無くならない理由はなんだと思う?それはな、人間の中に『好き』と言う感情があるからだ。そんなものがあるから、好きな物を他人から奪ってしまう。Loveさえなければ、Peaceなんだよ」。このタモリさんの言葉には、感服する。

戦争反対を歌に込め、Love&Peaceを提唱していたジョン・レノンもグループの中で仲違いして解散している。あのチェッカーズ然りである。人前であれだけ愛を確かめ合って結婚したのに、お金の使い方が問題で早々に離婚する。
結局、人間は、両方を得ること自体が無理なのか!?

社会学者である大澤真幸氏は、自著の中で “「最大多数の最大幸福」のような目標を、数学ではダブルオプティマム(二重最適化)と言います。ダブルオプティマムは、一般には解けないことが、数学的にはわかっています。つまり、二つの変数を同時に極大化するような理想的状態は一般にはないのです。だから、最大多数の最大幸福は、初めから無理ということになる”と記している。

そもそも“お金”なんてものがあるから
“最大多数の最大幸福”を諦めなきゃいけなくなってね?
どんな話も、結局、お金の問題でしょ!?て、
人間の問題じゃなくて、お金自体の問題じゃね!?
LoveもPeaceも、結局、お金自体の問題じゃね!?

お金は、どうして発明されたのか!?

お金が発明される前は、みんな物々交換をしていたのだ。
収穫した穀物と海で捕ってきた魚を交換。
狩りで得た肉と村のみんなで作った道具を交換。
しかし、交換したすべてのモノが自然から得たものだから、腐り、朽ちる。
どう食べるのか!?どのくらいの期間保存したいか!?その思惑によって、そのモノの価値はバラバラになるので「交換価値」を統一した方が都合良いってことで「お金」は生まれたわけである。

人間のカラダ自体だって自然のモノ。その労力は、物々交換できたはず。やがて死に、腐り、失くなるはずなのに…「お金」だけが不老不死になってしまった。「お金」は、死んでも遺るという仕組みが、“最大多数の最大幸福”を諦めなきゃいけなくなった根源的理由じゃないのか!?

世界には「腐る貨幣」なるものがある!?

ドイツ・バイエルン州のプリーン・アム・キームゼー地域で「キームガウアー」というお金が流通しているのをご存知か!?発行日が記されているこのお金は、時間と共に価値が下がっていく。1キームガウアーは1ユーロに相当し、銀行口座と連携したカードでチャージし、チャージ金額に応じたキームガウアーの紙幣を受け取ることができる。チャージ金額の3%は自分で選択した団体に寄附される。6カ月毎に3%減価(2022年現在)するため、期限が切れた場合はスタンプを購入しないと、利用できない。使わないと「腐っていくお金」が流通している。

2003年に立ち上がった「腐るお金」の仕組みは、2023年の今でも維持されている。
世の中、捨てたものじゃない。
2022年の利用状況は以下の通り↓

利用者 約4000人
店舗数 約400
寄付先 約300
流通金額 約2.5億円(2021年1月1日 - 2022年1月1日)
寄附金額 約700万円(2021年1月1日 - 2022年1月1日)

ユーザーへの割引や特典などの経済的メリットはない。それでも、誰もが贈与の循環に参加することで、持続可能な地域の発展に繋げることを、この通貨の価値として大切にしているという。地域の教育と一体化した仕組みだっていうのも面白い。お金とは、何か!?を子どもたちと考える良い機会。“最大多数の最大幸福”を諦めないという取り組みである。

利子が要らないお金があったら、みんなが借りるはずである。
そのお金が、時間と共に減価していくのであれば…
みんな期間内に使おうとする。
そのお金を元手に、事業を始める人が生まれる。
雇用が生まれる。
税金だって前払い。
当然、地域の税収も増える。

経済社会は複雑なので、そう簡単には行かないと思うが…
貨幣という紙切れに振りまわされ続けてきた人間としては、誠に興味深い。

Love&PeaceからSWITCH to HOPEへ。

昭和生まれのプランナーなんていうのは、単なる資本主義の手先。今となっては、お金のために、なんでもしてきたと言い切れてしまう。バブル崩壊も、リーマンショックも、結局、お金の問題だったのだ。申し訳ない。

その罪滅ぼしのために、最近は、社会起業家のスタートアップのお手伝いをしている。社会問題を、ビジネスで解決できないか!?という相談にのっている。

追い求めるのは、
LoveでもPeaceの答えでもない。
問題を、希望へ変えること。

ホントに、ホントは、
結局、お金の問題でしょ!?て考えることを止めてしまうワタシの問題なのである。