AIが一番の相談相手に!?ChatGPTの新ツール「GPTs」って何?
こんにちは、フリーランスのコピーライター、中新大地です。
人間とのなんてことのない対話、そして指示や条件を与えるプロンプトによって動作するChatGPTは、今なお進化を続けています。人によって感覚の差こそありますが、私たちの世界はこの革新的なAIによって、少しずつ変わり続けていると言っても過言ではありません。
しかも、ChatGPTは新ツール「GPTs」の登場で、よりパーソナライズされた“パートナー”としての地位を確立させようとしています。
今回はそんなGPTsがどのようなものかをご紹介します。
ユーザーの注目度大、ChatGPT新ツール「GPTs」とは
「GPTs」は、オリジナルのChatGPTがつくれるChatGPTの新ツールです。
ChatGPTの有料版であるChatGPT Plus(月額20ドル)のユーザーであれば利用が可能です。
標準タイプのChatGPTと比べて特定のアクションを即座にとらせたり、性格を持たせたりすることで、自分のやりたいことに合わせて独自モデルのChatGPTを複数使い分けられるようになります。
例えば、文章や資料作成で自分の業務をサポートする秘書のような立ち回りができるChatGPTを作ったり、仕事や人間関係で悩んだ時に話し相手になってくれる友達のようなChatGPTを作ったりすることもできます。
冒頭で述べた通りChatGPTは、ユーザーとの対話や与えられたプロンプトによって、どんどんと学習を進めていくため、丁寧に作り込めば作り込んだ分だけ唯一無二の存在となることでしょう。
このGPTsのリリースは大きな反響を呼んでおり、ChatGPTを提供するOpenAI社は有料版への登録を一時的に止めたほどです(2023年11月中旬時点)。これを機に有料版に登録したいという方は、待機リストに入り通知を待ちましょう。
想像しよう、あなたが求める理想の相談相手
前項で述べた通り、GPTsを使って作ったChatGPTはあなたの要求や設定した性格に応じた言動をとります。
「人間の代わりに○○をさせる」というのが、ChatGPTのベターな利用用途ではありますが、それ以上に可能性を感じるのは「壁打ちをさせる」というコミュニケーションの部分に焦点を当てた使い方です。
思い出してみてください。あなたが仕事や私生活に悩みが生じた際、もらいたい意見や話の進め方によって相談相手を変えた経験はないでしょうか?例えば、「喝を入れてほしい時は厳しい性格のお父さん」、「ただ悩みに寄り添い、話を聞いてくれるだけでいい時は優しいお母さん」、「楽しい話をして気を紛らせてほしい時は地元の幼なじみ」といった具合に。GPTsもまさにそのような使い分けができます。
もう少し踏み込んだ事例で言うと、「過去の恋人とのLINEの履歴のうち、言葉遣いや気遣いなど魅力的だった部分だけを読み込ませ、理想の恋人をChatGPTでつくる」といった事例もあるようです。
こうしたChatGPTの優れたコミュニケーション能力は、ビジネスシーンにも活用できます。
ChatGPTに対して「あなたは『食品業界で30年働いてきたベテラン』です。『新商品の企画開発に携わる傍ら、品質管理や安全基準の策定、市場動向の分析、販売戦略の立案まで幅広く経験してきた』という体で私の事業戦略に意見する存在になってください」と言えば、まさにそうした人物像として、あなたの仕事仲間になってくれるわけです。もちろん、他業界で設定してもいいですし、お客様視点で設定するのも名案でしょう。
仕事で困った時は、上司よりもまずはChatGPTへ相談。そんな時代もやってくるのかもしれませんね。
このようにGPTsを使ってさまざまな人物像を立てておくことで、あなたは公私ともに今よりさらに便利で快適な生活を送ることができるようになるでしょう。
オリジナルChatGPTを公開して収益を得ることも可能
今回ご紹介したGPTsによってつくられた独自モデルのChatGPTは、2023年11月末リリース予定の「GPTストア」で他ユーザーにも公開できます。ユーザーそれぞれが自分の目的や理想に沿って作り込んだChatGPTのお披露目会がとても楽しいものになることは想像に難くないですし、自分には作り込めなかった他のChatGPTのアクションに助けられることもあるかもしれません。
特に日本は米国とインドに次いで3番目(2023年4月時点のトラフィックシェア)にChatGPTを使っている国です。どうすればChatGPTを使いこなせるのだろうと悩む人にとって、自分の悩みを解決してくれるChatGPTが用意されているかもしれないという環境は、有料版への登録とChatGPTの利用促進に益々寄与するに違いありません。
OpenAI社側もこうしたユーザー同士のコミュニケーションの成熟と、優れたオリジナルChatGPTの開発に期待を込めてか、公開したChatGPTの利用数に応じて収益を渡すことを発表。ChatGPTの認知の高まりとあわせて知られるようになった、プロンプトエンジニアやAI関連のインフルエンサーとして生計を立てられる人が今後さらに増えるかもしれませんね。
まとめ
ChatGPTの登場により、未来は少しずつですが、確かに変化を続けています。
自分の代わりに仕事をさせることも、自分だけの話し相手になることも可能になったのです。
その上で今回の新ツールGPTsの登場は、AIのさらなる可能性を感じさせるのに十分なものと言えそうです。しかも、それを自らが使うだけでなく、他の人にも使ってもらい評価と対価まで得られるというのだから驚きです。
これまでChatGPTの無料版を使っていたという方はもちろん、これからChatGPTを使おうという人も、ぜひ有料版のChatGPT Plusの利用を検討されてみてはいかがでしょうか。世間話をするような感覚でも、十分に最新AIの楽しさを感じられるはずです。
しかし、ChatGPTには気になる点がひとつあります。それは運営元であるOpenAIの経営体制の揺らぎ。2023年11月17日、CEOであったサム・アルトマン氏はリーダーシップの不足を理由に事実上の解任が報じられました。その後Microsoftへの転籍、そしてCEOへの復帰が報じられるなど、状況は二転三転。ユーザーにとっては「このままChatGPTを使っていていいのか?他社のAIの方が良いのでは?」という不信感が起こったのは事実です。
もっとも、それでAIそのものの成長と普及が止まるわけではありません。
いくつもの会社とサービスがしのぎを削る分、加速度的に魅力を増していくことでしょう。