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みんな新NISA始めた?利用増加率や金融機関を選ぶ基準を調査!

マネーインサイトラボ

みんな新NISA始めた?利用増加率や金融機関を選ぶ基準を調査!

変化の激しいデジタル時代において、人々の「お金」に関する意識や価値観、行動はどのように変化しているのでしょうか?
ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同運営する「マネーインサイトラボ」では、お金に関する調査・研究を実施し、その結果をご紹介しています。

今回のテーマは「NISA(少額投資非課税制度)」です。
今年から新NISAがスタートし、より一層注目を集めていますが、この1年間でNISAの認知度や利用率に変化はあったのでしょうか?Z世代(18~26歳)、Y世代(27歳~42歳)、X世代(43~58歳)に分けて探ってみました。

NISAの認知度、9割以上が「知っている」と回答

NISAの認知度(世代別)

NISAの認知度について調査したところ、全体の半数以上が「制度の内容についておおよそ知っている」と回答。また「名前だけ知っている」という回答も4割ほどあり、程度の差はあれど、全体の9割以上がNISAを知っており、その認知度は高いと言えます。
ただし、世代別に見てみると、Z世代の認知度がX・Y世代に比べて低く、13.3%が「聞いたことがない」と回答しました。

NISAの利用率はどれくらい? 

では実際の利用率はどのくらいなのでしょうか。調査結果を世代別と年収別に分けてみました。

利用率は全体の4割、前年よりも増加

NISAの利用率(世代別)

2024年3月に実施した今回の調査では、全体の4割が利用していることが分かりました。それ以外に「利用を検討している」「口座は開設したが未利用」「過去に利用していた」を合わせると半数以上となり、NISAへの関心の高さが分かります。

世代別に見てみると、やはり認知度と連動しているのか、Z世代の利用率が最も低く、18.7%。しかし「利用を検討している」と答えた割合は他の世代よりも高く、Z世代の潜在的なニーズが伺えます。

NISAの世代別利用割合(年度別)

また2023年3月に「マネーインサイトラボ」で実施した調査での利用率と比較してみると、Z世代にはほぼ変化がなかったものの、X・Y世代の利用率は約2割増加。この1年だけでも利用率の伸びを確認できました。

年収の高さによって利用率が異なる。分岐点は年収400万円

NISA利用率(年収別)

年収別に見ると、概ね年収が高くなるほどNISA利用率が高くなっていることが分かります。

「現在利用している」割合と「利用していない」割合を年収ごとに比較してみると、年収200万円未満では利用していない割合の方が高く、年収200万円以上400万円未満では拮抗し、年収400万円以上になると利用している割合の方が大きく上回っています。NISAの利用率の分岐点は年収400万円付近のようです。

NISA利用者の特徴とは?

ここからは、現在NISAを利用している人の傾向を深堀していきましょう。

いつからNISAを利用している? 

NISAの利用を開始したのはいつ?

NISAを「現在利用している」と答えた方に、利用開始時期を伺ってみたところ、全体の約8割が新NISA開始以前から利用していることが分かりました。ただし、Z世代は新NISAを機に利用を開始した割合が約3割と、他の世代よりも高いようです。

若年層ほどアプリ・Webで開設する傾向に 

NISA口座の開設は各金融機関の窓口だけでなく、アプリやWebでも手続き可能です。現在の利用者はどのようにして口座開設したのでしょうか。

NISA口座の開設手段

今回の調査で最も多かったのは「金融機関の窓口での開設」でした。特にX世代の割合は約6割にも上ります。しかしY世代を見ると、「金融機関の窓口での開設」と「アプリ・Webを利用して自分で開設」した割合の差が縮まっています。

Z世代もアプリ・Webを使った口座開設の割合が高いですが、知人や金融機関の職員に操作を習いながら口座開設をした割合がY世代よりも高いようです。Z世代は、他の世代より金融リテラシーが低いと感じており、プロや知識のある人にしっかり聞いた上で始めたいと慎重に考えていた、と推測できます。

金融機関を選ぶ基準TOP5は? 

NISA口座は1人につき、1つの金融機関でしか開設できません。ではその金融機関はどのような基準で選ばれているのでしょうか?各世代のTOP5は以下の通りになりました。

NISA口座を開設した金融機関の選定基準

どの世代も「自分が普段利用している口座がある銀行だったから」が最も多い結果に。次いで、X・Y世代は、「金融機関の窓口で勧められたから」と答えた割合が高く、この2つの連動性も推測できます。一方Z世代は「友人・知人に勧められた」と答えた割合の方が高い結果となりました。

またY世代の特徴として、取引手数料の低さやクレジットカードでの支払い可否など、「お得感」を重視している傾向にあるようです。

NISAを利用することで将来の不安は解消されている? 

第1回のマネーインサイトラボの調査結果で、多くの方が「お金の悩みや不安を感じたことがある」ということが分かりましたが、NISAを利用することによって将来の不安は解消されているのでしょうか?

NISAを利用することでどの程度将来への不安が解消されている?

どの世代も多くは「分からない」と回答し、4人に1人以上が「解消されていない」と回答しています。ただし、Z世代は他の世代に比べて、ある程度将来への不安が解消されていると回答した割合が高いようです。

NISA未利用者の「利用しない理由」とは?

未利用者は依然、新NISAに消極的 

新NISAを機に利用を開始する?

続いて、現在NISAを利用していないと回答した方に「新NISAを機にNISAを利用したいかどうか」を伺ってみました。
全体の半数が「まだわからない」と回答、17.4%が「利用したいと思わない」と回答し、消極的であることが分かります。特にZ世代は約4人に1人が「新NISAが始まったことを知らない」と回答し、ここにもX・Y世代と比べて認知度が低いことが表れていました。

では、利用したくないと思う理由はどこにあるのでしょうか?

利用したくない理由、多くは投資への知識不足 

NISAを利用しない理由

最も多い回答は「自分の知識が足りないから」。次いで「仕組みが分からないから」「お金がないから」という理由が続きます。2023年3月に実施した調査でも同じ理由が上位に並んでいることから、依然として自身の投資に対する知識や制度に対する理解不足が障壁となっているようです。

世代別に見ると、投資に対する知識や制度に対する理解不足の傾向はZ世代で強く見られます。また全体で4番目に多い「損したくないから」という理由は、Z世代が他の世代よりもやや少ないことが分かりました。バブル崩壊やリーマンショックなどの金融危機を身近で経験していない世代であることが理由のひとつと推測できますが、Z世代はある程度のリスク許容度があるとも捉えられます。
これらの結果から、Z世代にNISAや投資の仕組みを分かりやすく伝えることができれば、NISA利用へのハードルを下げられる可能性が見えてきました。

過去NISAを利用していた人、新NISAを利用したい?

最後に、「過去にNISAを利用していたが、現在は利用していない」と回答した方の現在の資産状況や今後の意向を探ってみましょう。

多くの人が既に売却済み 

過去に運用していた資産の現在の状況

まず、過去に運用していた資産の現在の状況を伺ってみました。今回の調査では、半数以上の方が全て売却済みのようです。

運用資金の売却理由TOP5は? 

保有資産の売却理由

売却した理由を伺ってみると、最も多かったのが「生活費としてお金が必要になったから」。必要な時にいつでも売却できるNISAならではの理由です。次いで「売却時に評価額が高くなっていたから」が続く一方、「評価額が下がったため」と回答した方も一定数いることが分かりました。

新NISAを機に利用を再開する? 

新NISAを機に利用を再開する?

過去にNISAを利用していたものの、現在は利用していない方に「新NISAを機にNISAを再開したいかどうか」を伺ってみました。4割以上が「まだ分からない」と回答していますが、「利用を検討したい」「利用したいと思っている」と回答した割合が全体の3割と、未利用者よりも利用意向は強いようです。

まとめ

まだまだNISA未利用者が多いようですが、その認知度は高く、前年の調査と比較しても利用者の数は着実に増加傾向にあるようです。
NISAをはじめとした資産運用はあくまでも余剰資金で行うため、NISA利用率には年収の高さも大いに関係していることが改めて分かりました。

また、依然投資への知識や制度理解は不足しており、それが最大の障壁となっている現状は変わっていません。引き続き金融リテラシーの向上が今後の課題と言えるでしょう。


【調査概要】
・調査対象:Z世代(18~26歳)、Y世代(27歳~42歳)、X世代(43~58歳)
・調査集計期間:2024年3月8日(金)~3月18日(月)
・調査機関:iBankマーケティング株式会社
・調査方法:インターネット調査
・有効回答数:6,167サンプル(Z世代600名、Y世代1,730名、X世代3,837名)
※各データの内訳は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が必ずしも100%にならない場合があります。

【マネーインサイトラボについて】
マネーインサイトラボは、ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同運営するお金に関する調査・研究組織です。デジタル時代における、人々のお金に関する意識・価値観・行動の変化や、新しい金融サービスの可能性について新たな視点を見出すことを目的に活動しています。