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新NISA以外でおすすめの投資法は?メリット・リスクを比較

ふやす 権藤 知弘

新NISA以外でおすすめの投資法は?メリット・リスクを比較

【画像出典元】「stock.adobe.com/Nuthawut」

2024年から新NISAがスタートし、投資に興味を持つ人や実際に投資をスタートさせる人が増えてきました。新NISAをきっかけに、それ以外の投資方法に興味を持つ人も同じように増えているようです。今回は新NISA以外の個人投資家向けの投資方法を紹介していきます。

新NISAスタート、新規口座開設数は3倍に

新NISAはスタートして日が浅いため、日本全体での利用者数は2024年6月の段階では発表されていません。そこで、日本証券業協会がまとめた、証券会社10社の2024年3月末時点の数値を用いて新NISAへの関心を見ていきましょう。

まずは2024年1月から3月までの証券会社10社(大手5社・ネット5社)のNISA口座数と、新規開設数を時系列でまとめた表です。

図表:日本証券業協会「NISA口座の開設・利用状況」より一部抜粋し筆者作成

証券会社10社の数字ですが、それでも新NISAの口座開設が進んでいることがわかります。

続いて前年の同時期との比較です。

図表:日本証券業協会「NISA口座の開設・利用状況」より一部抜粋し筆者作成

証券会社10社の2024年3月末現在のNISA口座数は1456万口座で、2023年3月末から比較すると口座数は1.3倍になっています。また新NISAの口座の新規開設数は約170万口座になり、前年の同じ時期の3.2倍でした。

この数字からもわかるように、新NISAのスタートをきっかけに投資を始めた人が増えています。

つみたて投資以外の投資方法

つみたて投資
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新NISAでは株式や投資信託などの金融商品を購入でき、毎月つみたて投資をしている人が多く見受けられます。なかには新NISAをスタートしたけれど、投資信託の積み立て以外にもチャレンジしてみたいという方もいると思います。そんな方に、いくつか投資商品や投資方法を紹介します。

1.外貨預金

日本円を外貨に替えて預貯金を行います。外貨預金の中にはキャンペーン金利などで年率4.5%程度の高金利の商品もあります。また預入時よりも受取時の方が円安になっていれば為替差益を受け取れます。ただし受取時に円高になっていると為替差損が発生し、元本を割る可能性が高いです。

2.個人向け国債

財務省が発行する個人向け国債を購入します。満期になるまでは6カ月ごとに利息を受け取り、満期になると購入した金額が戻ってきます。参考までに2024年6月発売の変動金利型10年満期の個人向け国債の利率は0.69%です(※2023年8月発売分の利率は0.05%でした)。低金利が続いたため長らく利息は期待できませんでしたが、状況は少しずつ改善されてきています。

3.株式投資

新NISAでは投資信託の他に株式投資も可能です。日本の企業だけではなく、海外の企業の株式も購入できます。投資信託と比較すると初期投資が多めに必要だったり、値動きの幅が大きかったりするので少しリスクが高めになります。ただ株式投資は安く買って高く売る、配当金を受け取るなど投資の醍醐味を味わうことができるでしょう。なお通常の株式の売買単位は100株ですが、1株単位で取引ができるミニ株(単元未満株)という仕組みも普及してきています。

4.FX

FXは外国為替証拠金取引の略称です。外貨を売買し、その為替差益を得る取引です。レバレッジ取引という手持ち資金以上の取引ができるので、少額の手元資金でも大きな取引が可能です。得られる利益が多いこともありますが、損失が出た場合は手持ち資金以上の損失を被ることがあります。リスクが大変高く、おすすめしません。

5.不動産投資

ワンルームマンションやアパートなど現物の不動産を購入し、家賃収入を得る投資方法です。なお購入資金は金融機関の不動産用ローンを使い、家賃収入で借り入れした資金を返済していきます。入居者がいれば安定的な家賃収入が期待できますが、空き部屋や各種維持費の管理などが必要であり、リスクとして挙げられます。また売却して現金化しようと考えても、売却まで時間を要することも多いです。

6. 金(ゴールド)

金(ゴールド)への投資です。金(ゴールド)は宝飾品だけではなく工業材料としての需要もあり、価格が上昇しています。また金(ゴールド)の取引は米ドルが基準になっており、円安も価格を押し上げている要因の一つです。注意点として、金(ゴールド)は利息が付かず、安く買って高く売るということでしか利益を得ることができません。

その他にもいろいろな投資方法はありますが、興味がある人はご自身で調べてみてください。

投資に挑戦する際の注意点

リスクとリターン
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誤解のないようにしてほしいのですが、投資信託は決して投資初心者のための金融商品ということではありません。「投資信託の積み立て購入は初心者向けなので、慣れてきたらその他のリスクが高めの投資に移行する」ということでもありません。

投資信託の積み立てであっても、2008年のリーマンショックのような大きな暴落があれば、資産価値は半減します。半減したとしても資産価値は時間が経てば回復してくると思いますが、マーケットが値下がりし続けているような時でも投資が継続できるかが重要です。

そのため筆者は「現金と投資商品の割合が50%ずつになるように保有する」ことを勧めています。この割合であれば、マーケットが上昇している時の値上がりはゆっくりですが、もし暴落するようなことがあっても資産価値の下落も比較的ゆっくりになります。また投資を始める前に、生活費の6カ月~1年分の現金が貯金できていることが理想的です。ある程度の生活費の準備ができていれば、もし大規模な暴落があったとしても慌てることが少なくなります。

初心者におすすめしない投資商品

ここ5~6年の株式・投資信託・不動産などの金融市場は、結果的に“たまたま”好調でした。そのため投資をスタートさせて間もない人は資産価値が下落した経験があまりなく、「投資は簡単、投資すれば儲かる」という感覚になりがちです。その結果、金融資産全体を見てみると、知らず知らずのうちにリスク性の投資商品の割合が高くなりすぎていることも多いようです。基本的な考え方として、資産価値が上下するリスク性商品の占める割合が高すぎるポートフォリオはおすすめしません。

「マーケットに絶対はなく、資産価値が下落する機会は想像よりも頻繁に発生し、自分が考えているよりも値段は下がり、値段が下がっていくとメンタルに受けるダメージは自分の想像よりも大きく、保有商品が値上がりするにはじれったいほど時間がかかる」ということを意識しておきましょう。

なお個別の投資商品で見てみると、レバレッジ取引で値動きの幅が大きく簡単に損失が出やすいFXや株式の信用取引、暗号資産(仮想通貨)などは初心者向けの投資方法ではありません。

まとめ

貯金では資産価値が増えない時代なので、投資という行為は必要不可欠になっています。またインターネット、スマートフォンなど投資を取り巻く環境もどんどん便利になっています。さらに新NISAのスタートで投資に興味がある人も増えています。だからこそ、気をつけることがあります。

また最近は著名人の写真などを使ったSNS型の詐欺広告や、マッチングアプリなどを通じたロマンス型の詐欺なども横行しており、新NISAからのステップアップを考えている人など、投資に興味を持つ人がターゲットにされやすい時代になっています。

新NISAで積み立てをしている人がステップアップを考える時は、まずは「どうしたら積立金額を増やせるか」を考えましょう。その上で、さらに投資をしたいのであれば、まずはしっかりと情報を集めましょう。投資するのは自分のお金で、損しても良いお金はありません。自分自身で判断し、自己責任で投資を行いましょう。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。