カミさんが預金通帳を失くしたと騒いだ時のオットの心掛けとは!?
監修・ライター
先月、我が家で事件が起こった。梅雨の晴れ間の日曜日の午後のこと。週末に繰り返す、恒例の夫婦ドライブ。その日のコースは、うきはの道の駅に寄って、小国で美味しい蕎麦を食べて、けやき水源で湧水を汲んで、どっか温泉でも入って帰ろうかね?と。
穏やかにスケジュールを過ごし、けやき水源で記念写真も撮って、駐車場に戻った時…カミさんが焦り出した。いつものバッグをごそごそしながら「預金通帳がない!!」と泣きっ面。わぁぁぁぁ!?凪の日曜日に、ひっさびさのさざなみ。
名付けるとするなら「預金通帳3冊紛失事件!!」。
こういうアタフタ時の旦那の心掛けをワタシ(中村修治)が指南してみる。
怒らない…焦らない…。
カミさんのバッグの中から消えたのは、預金通帳が3冊。大事なチャックもパカーンと空いたままだ。でもしかし、盗られたとしても1冊だけ残すことってある!?落としたとしても4冊のうち3冊だけ落とすことってある!?
ワタシの推理としては、絶対に、家にある。
きっと、カミさんの勘違いだという判断を早々にした。
だから、銀行に電話した方がいいかな?と焦りまくるカミさんをなだめながら、急遽、帰ることにした。楽しみにしていた温泉も諦めた。カミさんは、助手席でずっと無言のまま。
途中、コンビニに立ち寄って、ATMで残金を確認。悪用されていないことを目で確かめてひと安心。財布を取らずに、通帳だけスルやつはおらん。今どき、通帳だけでお金はおろせない。カミさんを安心させる情報だけを与えながら、怒らない&焦らない約90分の帰路となった。
案の定…家の引き出しに。
自宅の駐車場に到着。カミさんは、部屋に走って入っていく。少し遅れて玄関を開けたら…「あったぁぁぁぁぁぁぁ!!」と安堵の声。いつもの引き出しに入ったままだったという。
良かったねぇぇぇぇ!!
今夜は、お祝いにご飯食べに行こう!!
自分で言うのもなんだけど…良い旦那だなぁ!?と思う。
アウトレイジじゃないんだから…普通の人は、怒ってもいいと判断した上で怒る。怒っても自分が被害を被らないという状況で怒っている。それって、相手のためというよりエゴである。ワタシは、怒るたびに自己嫌悪する。それは、状況判断をしている小さな自分が、結局、嫌になるからだ…であるなら、極力、ご機嫌でいようと思っている。
ご機嫌とは、決意であり、覚悟である。
“愛”とは能動的選択なんだよ!!
ワタシは、“愛”は、能動的な選択だと考えている。夫婦も家族も選択であり、続ける技術が大事である。そう考えると、出来ることがいっぱいある。
能動的に選択したものを、どうコントロールするか!?
覚悟して選択したものを、どう大正解にしていくか!?
それが夫婦だし、家庭だと考えている。
冷たいと言われるかもしれないが“愛”は、コントロールできる。
小国のけやき水源の駐車場から勃発した「預金通帳3冊紛失事件!!」は、思いやりやら、愛情やら、献身やら、信頼やら、さまざまな要素を混ぜ合わせて大団円で収束した。
しかし、この一連の心の動きを改めて眺めてみると…愛だけしかない。“恋”からは、程遠い。もはや、コントロールできないような感情が生まれて来ないという結果でもある。恋は、もうすっかり遠い日の花火となった。けやき水源の湧水のように、滔滔(とうとう)と湧き出す劣情が懐かしい。
あぁぁ、還暦過ぎの日曜日なんて、こんなものなのである。泣