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株の税金が高い!節税対策をFPが解説。確定申告不要のケースも

ふやす 権藤 知弘

株の税金が高い!節税対策をFPが解説。確定申告不要のケースも

【画像出典元】「iStock.com/PeopleImages」

経済の動きをダイナミックに感じられる株式投資。ネットでも証券口座(※株式や投資信託等を購入するために証券会社で作る口座)の開設ができ、スマートフォンのアプリで、株式の買い付けや売却が可能なため、手軽に始めることができます。

一方で気になるのが税金です。株式投資で得た利益には税金がかかり確定申告が必要となるケースも。今回は株式投資に関する税金の種類や、その節税対策、確定申告が必要・不要なケースについてお伝えします

お金持ち達がこっそりやってる税金のデメリットを抑える節税対策とは

1. 株式投資にかかる税金にはどんな種類がある?その計算方法は?

税金
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上場株式等の取引で生じる収益は、買ったときの価格と売ったときの価格の価格差から生まれる譲渡益(売却益・キャピタルゲイン)と、所有している企業があげた利益の配分である配当金(インカムゲイン)の2つに分けられます。それぞれどんな税金がかかるのかを見ていきましょう。

1-1. 譲渡益課税
株式を売却し、譲渡益が出ると税金を支払わなくてはいけません。利益に対する税金の区分は「申告分離課税」となります。株式の申告分離課税とは、株式の売買で得られた所得を他の所得と合算せずに株式の譲渡益だけで税金を計算する方式です。税率は、所得税と住民税を合わせて20%です。また、現在は東日本大震災からの復興財源を確保するため復興特別所得税がプラスされていますので、実際は利益に対して20.315%が課税されています。

【例1】A株式会社の株式を90万円で購入し100万円で売却すると譲渡益は10万円となります。この10万円に20.315%の税率をかけて納税額が決まります。

1-2. 配当課税
配当金とは企業が出した利益の一部を株主に還元するものです。企業が業績に応じて「1株あたり○○○円の還元をします」といった形で株主へ利益を還元します。この配当金からの所得に対しても税金がかかります。上場株式等の配当所得に対しては20.315%(所得税15.315%・住民税5%)が課税されます。

【例2】1株当たり50円の配当金がある株式を1000株所有していると、得られる配当金は5万円になります。この5万円に20.315%の税率をかけて計算すると納税額が決まります。

1-3. 株式投資の税金の計算方法
これまで見てもらうとお気づきになられたと思います。株式投資では「儲けの2割を税金として支払うんだ」というふうに覚えておいていただければ大丈夫です。

1-4. 株式投資の確定申告について
前年の1月1日~12月31日までの所得を計算し、納税手続きを行うことを確定申告といいます。会社にお勤めの方は源泉徴収の制度があり、会社からのお給料のみの所得であれば年末調整を行えば一般的には確定申告の必要はありません。ただし、株式投資を行う場合、譲渡所得も配当所得も原則的には確定申告を行う必要があります。

2. 株式投資の税務処理を簡単にしてくれる「特定口座」

株式購入のイメージ
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さて「さぁ株式投資でバッチリ稼ぐぞ!」と意気込んだものの「確定申告」と聞いて、ちょっと困ったな、面倒だなと思っている方も多いかもしれません。大丈夫です、実は確定申告をしないで済むいろいろな方法があります。その代表的なものが「特定口座」です。ここでは「特定口座」について説明します。

2-1. 一般口座と特定口座の違い
実は、証券会社に開設する証券口座(金融商品を売買するための口座)は3種類あります。

・一般口座(確定申告が必要)
・特定口座(源泉徴収あり)
・特定口座(源泉徴収なし)


この3種類の口座で最も大きな違いは、税金の払い方です。

2-2. 特定口座の3つのメリット
年間取引報告書を受け取れる
特定口座の最大のメリットは、銀行や証券会社が年間取引報告書を作成してくれるところにあります。この年間取引報告書には、1年間の投資でどれくらい配当を受け取ったのか?などが記録されています。この記録があるために、税金がいくらなのかが分かりやすくなっています。一般口座の場合はこの年間取引報告書がありませんので、自分で売買記録や受け取った配当などを集約して税金を計算しなければなりません。

さらに、特定口座には「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」の2種類から選択できるので、それぞれの特徴を見てみます。

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