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災害保険、補償の範囲はどこまで?必要な見直しと補償額の決め方

そなえる 中村 賢司

災害保険、補償の範囲はどこまで?必要な見直しと補償額の決め方

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地震や台風、洪水に火災・・・昨今は災害による被害のニュースが絶えません。この「災害」に備える「災害保険」の種類や補償範囲、実際に被害に合った場合の補償金額の決め方などについて、分かりやすく解説。保険を選ぶ際の注意点やポイントもお伝えしていきます。

災害保険とは?

大きく分けると保険には生命保険損害保険その他の保険と三分野があります。生命保険は死亡保険などを指し、その他の保険には医療保険やがん保険などが含まれています。損害保険は何かの損失が発生した際に補償を受けるための保険です。その中で特に自然災害による損害を補償する保険に関して「災害保険」と呼ぶことがあります。災害保険には、「火災保険」と「地震保険」の大きく2つがあり、住宅や家財などの財産が被害を受けた場合の復旧費用が支払われます。

災害の種類はさまざま、損害保険の種類と補償範囲は

倒壊した家屋
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災害保険には火災保険と地震保険の二つがあると上述しましたが、広義で考えると自動車事故なども災害といえるでしょう。ここではどんな災害や損害に備えることができる保険があるかを紹介します。

●火災保険

名称は火災ですが、実は火災による損害だけではなく、自然災害による損害もカバーしています。ご存知でしたか?落雷や台風、竜巻、洪水、高潮、土砂崩れ、雪崩などで自然災害を原因として損害を被った場合、火災保険に加入していれば、補償が受けられることがあります。建物と家財は独立しており、各々で加入する必要があります。また加入内容によってカバーされる内容や保険料が異なりますのでご注意ください。

●地震保険

地震による損害をカバーします。そのほか火山の噴火や津波による損害も補償されます。また、地震を原因とする火災で損害を受けた場合には、火災保険ではなく地震保険で補償を受けることになります。逆の言い方をすると地震を原因とする火災や損壊は地震保険に加入していなければカバーできません。

なお地震保険は単独で加入することはできず、火災保険の加入時に同時加入が必要です。また補償金額に関しては火災保険の保険金額の30%~50%と決められています。そのため、仮に全壊したとしても火災保険の金額の全額がカバーされるものではありません。

●自動車保険

自動車保険は大きく分けると二つの保険の総称です。一つ目は自動車賠償責任保険、通称自賠責保険です。自動車や原動機付き自転車を運転するすべての人が加入を義務付けられている強制保険です。自動車であれば新車登録時・車検時などに加入・更新が行われています。もしも自賠責に未加入であれば法律違反になります。

もう一つは個人の意思で加入するかどうかを決める任意保険です。任意ではありますが、自賠責保険ではカバーされる範囲が限定されており、万が一、自動車事故を発生させた場合には補償が不十分です。そのため任意保険に加入する必要があります。
厳しい表現になりますが任意保険に入っていない人は運転する資格はないといえるでしょう。

●傷害保険

いわゆる医療保険と同じような機能を持つ保険ですが、原因を「急激」「偶然」「外来」とする事故によって被害を受けた際に補償されます。自分の意思とは関係ない外部からの要因でケガをした際に使える保険です。つまり病気で入院をしたときなどは使えませんがスポーツ中の事故などの際には使える保険です。なお入院・通院など契約により補償内容が異なります。

では、実際に災害保険で補償される金額はどうやって決まるのでしょうか。次で見ていきましょう

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