給与明細、月によって違うの知ってる?住民税・所得税が変動するタイミングとは?
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会社員であれば、毎月の給与から「所得税」と「住民税」という2つの税金が引かれているはずです。「何となく知っている」という人は多いと思いますが、どんな場合・タイミングに所得税・住民税の税額が変動するか知っていますか?給料明細のどこを毎月チェックすればいいのかなど、給料から引かれている所得税と住民税に関する基礎知識を理解しておきましょう。
所得税・住民税は給与明細の「控除」をチェック
毎月もらう給与明細を見ると、いろいろな項目があります。毎月「差し引き支給額(手取り金額)」のところだけ見ている、という方もいるかもしれませんね。所得税や住民税は、給与明細の中の「控除」というカテゴリに記載されているので、確認してみてください。
所得税も住民税も、個人の所得に応じて納める税金
私達が暮らしている上で負担している税金には、消費税や酒税などいろいろなものがあります。そのなかで、所得税と住民税は、どちらも個人の所得に対してかかる税金です。ではどうして2種類の税金がかかるのでしょうか?
所得税と住民税は、以下のようにそれぞれ納める先が異なります。そのため異なる金額が異なる基準で天引きされているのです。
・所得税は国に納める税金(国税)
・住民税は地方自治体に納める税金(地方税)
ではそれぞれの特徴や違いをもっと見ていきましょう。
所得税は「その年」の所得に応じて金額が変動する
所得税は、「その年」の1月から12月の1年間の給与支給額(年収)に対して課税されます。ところが、12カ月間の正確な給与支給額をあらかじめ決めることはできません。そのため、その月の支給額に応じてざっくりとした金額が給与から天引きされます。天引きされた所得税は、給与を支払う者(企業)が個人の代わりにまとめて国に納めます。これを「源泉徴収」といいます。
1年間徴収された所得税はざっくりとした金額で天引きされているので、実際に納めなければいけない金額より多かったり少なかったりします。そのため、1年の最後に年収や「生命保険料控除」などの控除額が確定した時点で「年末調整」で正しい金額に調整され、精算されます。12月または翌年1月の手取り金額が多いな、という場合、年末調整で精算された金額が一緒に入っているかもしれませんので確認してみてください。
所得税は「扶養家族の人数」も計算に考慮される
同僚に給与明細を見せてもらったら、給与の総支給額は同じなのに所得税の天引き額が違う、という方もいるかもしれません。所得税の源泉徴収は給与金額だけでなく「扶養家族の人数」も計算に関与してきます。そのため、給与がまったく同じでも源泉徴収額は異なる場合があります。
住民税は「前の年」の所得で変動、6月の明細を要確認!
対して住民税は、「前の年」の1月から12月までの所得に対して課税されたものを月々納税します。所得税が確定したら、その金額に応じて住民税が決定する仕組みになっているのです。
注目すべきは6月の給与明細。住民税は前年1年分の金額を12カ月で分割して、6月から5月までの1年間で徴収されます。つまり、住民税の金額が変わるとしたら6月から、ということになります。前の年に大幅に給与が上がった方は、6月から突然住民税の額がぐっとあがって手取り額が減ることもありますので注意しておきましょう。
また、退職や転職で給与が無くなったり下がったりしたときも注意。会社を辞めた次の年に払う住民税は前の年の所得に応じた金額です。住民税を払えるように貯金を残しておくなどの対応が必要ですね。
毎月渡される給与明細から引かれる所得税と住民税の基本について、ご理解いただけたでしょうか?会社勤めをしているとなんとなく会社がやってくれるから…で済ませてしまうことの多い税金のこと。ちょっと詳しくなっておけば、何かのときにきっと役に立ちますよ!