【FPに相談!】子育てにかかる費用はいくらくらい?
今回は、赤ちゃんが生まれたばかりのお父さんから、お金に関する質問に、FPの内山がお答えします。
《相談内容》
「子育てに関する費用は大体いくらですか?3人家族、赤ちゃんは女の子、私37才、妻37才です」
愛らしい寝顔を見ながら、子どもの将来について考えたこと・・・
生まれたばかりの女の子。かわいいでしょうね! 私も女児の父親として、娘が生まれた時のことを思い出しました。
純粋無垢な寝顔を見ながら、「よし、この子のために頑張るぞ!子どもはすぐに大きくなるから、今のうちにたくさん一緒に過ごそう!」と決意したものです。とはいえ、大きくなるたびに、習い事をはじめ、さまざまなお金が必要となり、「この子のために!」という思いは変わらないものの、つい仕事優先となり、気付けば子どもと過ごす時間は減ってしまいました。
ぜひ今回のお父さんには、しっかりと長期的なビジョンを立てていただき、お子さんとの時間も大切にしてほしいです。今、この瞬間の時間は貯金できません・・・。
さて、その子育て費用ですが、大きく2つに分けることができます。1つは進学などの教育費、もう1つは食費や衣服などの養育費です。
〇教育費・・・学校関係費、塾など
〇養育費・・・食費、衣服、レジャー費用など
内閣府はこの費用総額を「子育て費用」として調査した結果を発表しています。その内容によると1人あたりの子育て費用はおよそ年間100万円です。単純計算で20年間子どもを育てた場合、2000万円となります。
ちなみに、未就園児は約84万円/年、最もお金がかかるのは中学生で約155万円/年です。
子育て費用は約2000万円。家庭ごとに事情が違うのであくまで「目安」として
私は大学で非常勤講師をしていることもあり、4月には新入生を対象に必ず、今まで自分にかかった養育費と教育費総額を実際に歩んだ進学(公立・私立)ルートに沿って算出させるところから授業を始めるのですが、多くの学生がやはり2000万円ほどになります。
子育て費用についてはさまざまなデータがありますが、1人2000万円が1つの目安となりそうです。
ただし、あくまで上記は平均です。大学費用が医学部系、私大となると、平均を大きく上回ります。進学の仕方や育て方で大きく異なるため、参考程度にしてください。
例えば、前述の調査結果によると生まれたばかりの赤ちゃんでも年間84万円ほどかかっています。月換算すると7万円です。私の記憶では、おむつやミルクなど全部合わせても月7万円も利用していないと思います。
ただし、「お宮参り」や「お食い初め」、その後の七五三など子どものイベントは尽きず、それらには数万円単位でまとまったお金がかかることも。そして、本格的に記念撮影を頼むと、ついつい1枚のつもりが、どれもこれも良い写真ばかりで、気付けば結構な金額に。さらには、保育園に預けると、月々数万円かかります(保育園料は世帯の所得によって異なります)。
ただ、記念撮影は手元のデジカメで、しばらくは妻が働かないので保育園には預けないといった選択も当然あるでしょう。考え方はお家ごとにさまざまですから、平均値からのバラつきも大きいと思います。
一方、支出ばかりではありません。多くの方が該当する児童手当は中学卒業まで累計すると、198万円支給されます。その他、親族の協力を得られることもありますし、同じ子育て世代の人たちと助け合い、育児に必要な衣服など全て買わなくてもやりくりできることも期待できます。また大学などは奨学金など各種制度が充実しています。
ご夫婦で話し合って教育方針を立て、子育てに向かい合おう
ご質問の「大体いくらぐらいですか?」には「2000万円ぐらいです」が回答になりますが、FPとして、そして子育ての先輩として一言最後に添えさせていただくと・・・
「総額にとらわれず、ぜひ、ひんぱんに奥さまとお金のことを含めた教育方針を話し合ってください!」
子育ては選択の連続で、一定の年齢に達するまで親が決めなければなりません。ご夫婦2人でしっかり話し合いながら子育てに向き合うことが、お2人にとって、子育て費用を上手にやりくりするうえで欠かせない要素となるはずです。