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えっ、65歳から年金のみで生活するには5000万円必要!?

FPに聞きたいお金のこと 内山 貴博

えっ、65歳から年金のみで生活するには5000万円必要!?

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「人生100年」という表現も使われるようになり、ますます老後に対する関心が高まっています。同時に不安を抱えている人も増えているようです。

今回は20代の男性から、「老後資金」として準備する額や毎月の貯金目安についてのご相談です。誰もが不安に感じる老後資金について、FP内山がお答えします。

老後が不安な20代男性、いくら貯金が必要か?

相談内容
老後資金はいくらくらい必要? また、毎月の貯金は手取りのどれくらいすればいいのでしょうか? (20代男性)

通帳と電卓
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老後資金については、3000万は最低必要、あるいは、1億円ぐらいは要る、といった具体的な金額を目にすることもありますよね。ただ、みなさんそれぞれ生活環境や価値観などが異なりますので、こういう金額は参考程度にとどめておくべきだと思います。

その理由はこちら・・・。
・老後の年金額も人によって大きく異なります。
・老後の生活資金についても異なります。大きな病気をするかどうか、それから、老人ホームなどを利用するのかどうか、といった点で数百万から数千万円変わります。
・持ち家なのか賃貸なのかでも大きな違いが出ます。
・皆さんそれぞれが老後を迎えたタイミングで生活費関連の物価が大きく変化している可能性も。
・お子さんやお孫さんがいるかどうかによっても変わる場合があります。

以上のような理由から、具体的にいくら必要と“回答するのは難しい”というのが私の回答です。

とはいえ、だいたいの目安を知りたい!というのがご質問の主旨だと思いますので、私が多くの方のライフプランを作成した経験則からお伝えすると・・・

65歳時に5000万円ほどあると、その後、働くことなく、年金のみで生活することができ、一定の財産を残すことができる傾向にあります。また、3000万円でも多くの方がライフプラン上、老後を乗り切ることができます。

ですから、あえて具体的な金額を示すとすれば3000万円~5000万円といったところでしょうか。

手取りに対する貯蓄額の目安は?

また、手取りに対しての貯蓄額ですが、こちらも上記と同じで、仮に手取り額が同じでも、それぞれ状況が違いますので、一概にいくらとか、何%と回答するのは難しいところです。

これについては、日本人の可処分所得(手取り)に対する貯蓄率を家計貯蓄率として総務省が発表していますので、そちらを参考にしたいと思います。

貯蓄率グラフ
 出所)内閣府のデータをもとに内山FP総合事務所㈱で作成

貯蓄を取り崩して生活しているシニア層などの影響で近年は貯蓄率が下がっており、平均値がマイナスになることも。ですから、この20年で一番良かったころの10%程度、つまり、手取りが30万円の方は3万円、50万円の方は5万円を最低限のノルマとして、貯蓄に励んでみてはいかがでしょうか?

ためる
BrianAJackson/iStock/Thinkstock

総じて、老後の必要な資金も毎月の貯蓄額も、個人差が大きく出ます。まずは現状どれくらいお金を使っているのか? 老後どのように過ごしたいのかなど、ご家族で話を重ねることで、1つの目標額を設定してほしいです。