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えっ、当たり馬券も課税対象!?競馬の税金はいくらからかかる?

FPに聞きたいお金のこと 内山 貴博

えっ、当たり馬券も課税対象!?競馬の税金はいくらからかかる?

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今回のご相談者は…うらやましい!
競馬で900万円当たった、40代の男性です。ただ、全額使ってしまうと、後々大変なことになりますよ…。

高額配当を得た場合の税金はどうなるのか、外れ馬券は経費になるのか。競馬にまつわる確定申告について、FP内山がお答えします。

競馬で900万円当てた! 確定申告には何が必要?

<相談内容>
ネットで購入した競馬の馬券で、なんと900万円当たりました。確定申告に必要なものは?

確定申告用紙
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原則として、確定申告の際に添付書類などは必要ありません。一部例外(本業のように競馬をやっている人など)を除いて、「一時所得」となりますので、一時所得の欄に記載することで確定申告を行ってください。

ここで、「一時所得」について説明しますね。

一時所得は頻繁に発生するものではなく、文字通り「一時的」に発生するもので、競馬の払戻金や生命保険の満期金、解約金などが該当します。

計算式は以下となります。

一時所得=一時的な収入-かかった費用-特別控除50万円(最大)

一時的な所得なので、年間50万円ぐらいは大目に見ますよ!という特別控除があるため、競馬の払戻金からかかった費用を引いて50万円以下であれば、確定申告をする必要さえありません。

経費として認められる費用とは?

ここで競馬にかかった費用とは、いったい何を指すのでしょうか?

この場合、その馬券を買うために費やした費用のみ認められます。ですから、今回の当たり馬券の購入額が2万円であれば「2万円」だけ。

900万円-2万円-50万円=848万円が、一時所得となります。

「その日は負けっぱなしで朝から30万円も費やしたんだ。その金額も経費にしてくれ!」という主張も考えられますが、原則認められません。競馬新聞や雑誌、競馬場までの交通費も経費に認めて欲しいと感じる人もいるかもしれませんが、これもダメです・・・。

この件に関しては、実際に仕事、本業のように競馬をしていた方が裁判となり各種経費が認められた事例がありますが、一般的に趣味で競馬をしている方は、残念ながら「その馬券を買ったお金のみ」が経費として認められます。

確定申告をした後は? どれくらい税金がかかるの?

では、この一時所得に対し、所得税や住民税はいくらぐらいかかるのでしょうか?

一時所得は少し複雑で、その額の半分(今回の場合は848万円÷2=424万円)を他の給与などの所得と合算し、課税するということになっています。

よって、「ズバリ○%税金がかかります!」と答えることができません。相談者の所得次第で大きく変わってくるからです。「総合課税で超過累進税率が適用され・・・」という具合に、やや複雑な話になりますので、今回、覚えておいていただきたいことは一つ!

最も高い税率の場合、所得税45%、住民税10%の計55%がかかるということです。よって、424万円の55%にあたる「約233万円」を税として納めることも想定されます。この上に、通常の、給与などにかかる税もプラスされます。

冒頭で「全額使ってしまうと後々大変」と申し上げたのは、このためです。浪費しすぎて翌年の税金が払えなくならないよう、気をつけてくださいね。


また、競馬ではありませんが、最近では、「億り人」といわれる、仮想通貨で億単位の利益を上げている人もいます。この場合も最高税率の適用が見込まれるため、半分以上が税金に・・・。

ということも想定されますので、何かと稼いだ人は、しっかり税金のことを考えておいてくださいね。

以上、900万円の一時所得を得た幸運な男性のご相談に、お金の専門家・FPの内山がお答えしました。次回もお楽しみに!