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要注意、サラリーマンの税金対策は所得控除で!知って得する3つの控除 (3ページ目)

ためる 内山 貴博

・会社員の場合~給与所得(儲け)=収入-必要経費
・個人事業主(自営業)の場合~事業所得(儲け)=売り上げ-必要経費

そして私たち個人は、事業所得や給与所得以外にも所得を得る機会があり、全部で10種類の所得(儲け)があるとされています。生命保険の解約は頻繁に発生するものではないため「一時所得」とされ、どれにも該当しないものをその他の所得という意味で「雑所得」といい、先に紹介した仮想通貨がそれに該当します。

《10種類の所得》

10種類の所得

こうした所得をそれぞれ一定のルールに従って必要経費を差し引くなどして「所得額」の計算を行います。そして、それぞれの所得額が計算された後は「総合課税」としてひとまとめにされ、5~45%の税率(※各人の収入その他により異なる)を乗じて、各人の課税額を計算します。

ただし、その前に「所得控除」という控除があります。先に紹介した配偶者控除もその1つですが、下図のように、ひとかたまりになった所得を小さくする効果があります。日本は所得が多いほど、税率が上がる仕組みであるため、この「所得控除」があることで、税負担を軽減することができるのです。

《所得税の仕組み(総合課税)》

※損益通算や繰越控除、税額控除などは今回省略しています。簡易的な課税イメージです。

所得税の具体的な計算式を用いながら、20代の独身サラリーマンAさん(年収350万円)を例に計算してみましょう。

まず、課税の対象となる金額を導き出す計算式1。
(計算式1)年収-経費-各種控除=課税所得金額
※経費には給与所得控除が含まれます。また、各種控除は扶養控除や医療費控除など

《給与所得控除の算出法》

給与所得控除の算出法

この表から、350万円のサラリーマンAさんの経費に当たる給与所得控除額は、350万円×30%+18万円で計算され、給与所得控除は「123万円」となります。

こうした扶養控除や医療費控除、雑損控除等の控除額の合計は、条件によってさまざまですので、仮に基礎控除38万円+社会保険料控除約50万円分として差し引くと、350万-123万-88万となり、Aさんの課税所得金額は139万円となります。

続いて所得税額を確定する計算式2で計算します。
(計算式2)課税所得金額×税率-課税控除額=所得税額

《所得額と税率》

所得税の計算方法

上記の表を参考に計算してみると、139万×5%-0円=6万9500円となりました。Aさんには1年間で6万9500円の所得税が課税されることになります。

Aさんは独身でしたが、例えば、高校生や大学生など学費が一番かかる時期に子どもを2人も3人も扶養しているお父さんやお母さんは大変ですよね。ストレスなどから体調が悪くなり病院通いが多くなった場合、いくら一定の収入があっても、生活はその分苦しくなります。そのため、こういった各人の状況を考慮して「扶養控除」や「医療費控除」といった所得控除があります。また、地震などの災害に遭い被害を受けた場合も被害額に応じて「雑損控除」を受けることができ、税負担がなるべく生じないような仕組みになっています。

FPおすすめ!とっておきの税金対策は「iDeCo(イデコ」と「住宅ローン減税」

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【画像出典元】「iStock.com/Photobuay」

働き方や各人の状況に応じて税負担が違うことを見てきましたが、私たち個人が共通して適用できるFPおすすめの税金対策を2つ紹介しましょう。1つは「iDeCo(イデコ/確定拠出年金・個人型)」への加入、もう1つは「住宅ローン減税」です。

iDeCo(イデコ/確定拠出年金・個人型)」に加入すれば、掛金の全額が所得控除に!

まず、「iDeCo(イデコ)」は最近話題のため聞いたことがある人が多いと思います。自営業者でも会社員でも、そして専業主婦でも全員が一定の条件の下、加入することができます。国民年金や厚生年金、そして退職金制度など、それぞれの働き方に応じて将来への備えをしているわけですが、iDeCoはその上乗せとなります。

さらに、手厚い老後への備えとして、毎月(毎年)の掛金が「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得控除になるところが魅力です。個人で投資や保険、貯蓄などを行うことも大切ですが、それらには大きな節税効果はありません。iDeCoの場合は「掛金全額が所得控除となる」という最大のメリットがありますので、税金対策としては大変魅力的です。ただし、60歳まで引き出すことができない点にはくれぐれも注意が必要です。

また、60歳以降に受け取る際も一時金で受け取る場合は「退職所得」となり、加入していた期間が勤続年数とみなされるため控除額が大きく、税負担が生じないか、負担が少ないことが見込まれます。この点も大きなメリットとなりえます。まだ加入していない方は一度ゆっくり調べ、ぜひ加入を検討してみてください。