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要注意、サラリーマンの税金対策は所得控除で!知って得する3つの控除 (2ページ目)

ためる 内山 貴博

法人の税金対策のポイントは「生命保険」と「消費税」!

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法人、つまり会社においては個人よりも税金対策は行いやすいと思います。一般的には、生命保険での節税方法が有名です。個人で加入した場合は、一定額の「生命保険料控除」が使える程度ですが、法人の場合は保険の種類にもよりますが、払った保険料の全額または半額などが必要経費(損金)とみなされ、その分、税金の負担が軽減されます。

よって社長の場合、個人で保険に加入するよりも法人で加入し、さまざまなリスク対策を行っておく方が有利な場合が多いです。ただし、損金計上した場合、解約金や給付金などを受け取るときに益金が計上されます。つまり、受取時に課税対象となるわけですので、総合的に判断をしながら保険契約をしていく必要があります。

また、これから法人(会社)を作りたいという人、そして個人事業主から法人化を考えている人は「消費税」と上手に向き合ってもらいたいです。

商売をする人は、商品の仕入や経費の支払いなどで消費税を負担することとなります。一方で、顧客へ商品やサービスを提供した際には顧客から消費税をもらうことになります。よって、「顧客から預かった分と自分が払った分の差額」を納めることになるのですが、消費税の納税義務者は「2年前(2期前)の基準期間の売り上げが1000万円以上の場合」と定められています。

つまり、2年前の売り上げが1000万円に達していない場合は、納税義務が免除されるのです。開業や法人化したばかりだと、原則2年間は免税業者となります。順調に売り上げを伸ばしていけば、3年目以降、どこかのタイミングで消費税の納税業者となるでしょう。そのときに備えて開業当初は「消費税分を納税したもの」とみなし、しっかりとお金を貯めておきたいものです。人を増やすなど規模を拡大し売り上げを伸ばすことも重要ですが、事業形態によっては消費税を意識しながら免税業者の範囲内で「スモールビジネス」を長く展開していくことも1つの方法ですね。

法人(会社)ができる税金対策として生命保険と消費税を取り上げましたが、生命保険については金融庁や国税庁が「損金として処理すること」に対してさまざまな指導を行っています。消費税も資本金次第では、1期目から課税業者となるなど、さまざまな要件を事前に確認することが重要です。

会社の場合はメインの商品やサービスがあり、それをいかに消費者に届け、売り上げを上げるかということにフォーカスしがちですが、こういった税金のことを考える機会を増やすことが経営上重要なポイントだと思います。

自営業の税金対策は「所得控除」と「経費計上」で。開業したばかりの人は特に要注意!!

電卓をたたく女性
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自営業の場合は、上記の法人と同じようにビジネスを展開しているものの、あくまで個人としての扱いになります。課税上は所得税となるため、給与所得者と同じように、上手に「所得控除」のことを知り、適用することが税金対策につながります。そして、自営業者の場合は、自身で展開するビジネスにかかる経費は原則、税務上の損金に認められますので、しっかりと「経費計上」できるものは計上しましょう。

特に注意してほしい人は、開業したばかりの人です。筆者も経験がありますが、会社員から自営業になったばかりの頃は「経費」という意識がそれほど高くなく、仕事に係る出費だったとしても、つい領収書をもらい忘れていたりすることも。

自営業者の事業所得の場合、一定の手続きを行うと当初の赤字を将来3年間にわたって繰り越すことができます。1年目はどうしても売り上げよりも経費が多くなり、赤字となる事業が多いと思います。適正に丁寧に「経費計上」しておけば、より繰り越せる額が増えるはずです。繰り越し額が多いほど、事業が軌道に乗ってきた2年目以降の税負担を軽減することにつながります。その年の黒字と繰り越した赤字が通算できるからです。

自宅で開業している人も多くいますが、自宅の場合は光熱費や家賃などはプライベートな支出とみなし「経費計上」していない人が多いようです。厳密には仕事中の電気代、仕事で使う車のガソリン代など、経費として計上することが可能です。光熱費のうち、何割がプライベートで何割が仕事か?という考え方は難しいところがありますが、一度税務署や税理士などに相談してみるのも1つの方法です。

所得税の金額はどうやって決まるの?所得税額決定の仕組みと計算方法

ここまでに何度か使っている表現ですが、そもそも所得税の「所得」とはなんでしょうか?どうやって計算するのでしょうか?

「所得」は、簡単にいうと「儲け」を意味します。私たち個人は、働いて得る給与や商売をして得る売り上げ、生命保険を解約した時の解約返戻金など、さまざまな金額を手にする機会がありますが、これらは儲けではなく収入です。例えば商売をしている人は、この収入から必要経費などを引いた儲けに課税される仕組みです。個人事業の場合は「事業所得」といい、会社員の場合は「給与所得」といいます。