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資産運用するなら胸に刻め!カリスマFPが教えるリスク分散3つの掟

FPに聞きたいお金のこと 白浜 仁子

資産運用するなら胸に刻め!カリスマFPが教えるリスク分散3つの掟

Wallet+ユーザー様からいただいた「FPに聞きたいお金のこと」に、FPの白浜がお答えします。今回は、お子さんの誕生をきっかけに、投資や資産運用に関心を持ったという30代女性からの相談です。

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<Sさんの相談内容> (30代後半 女性)
先日銀行でiDeCoとNISAについて説明を受けました。投資未経験者ですが、子供も生まれたため資産形成には興味があります。資産形成をもっとよく理解してから口座を開設したいのですが、子供連れのため窓口でゆっくり聞くことがなかなかできません。分かりやすく教えてもらえないでしょうか。またおすすめの本などあれば教えてください。

初めての投資、まずは基本を押さえることから

母親と赤ちゃん
【画像出典元】「iStock.com/LSOphoto」

お子さんの誕生を機に資産形成をお考えですね。とても良いことだと思います。低金利で少子高齢化が進んでいる日本では、資産運用に対する意識を持つことはとても大切です。そのうえで最初に知っておきたいことは、リスクを抑えながら投資をするコツです。投資はリスク(価格変動)があるものなので、まずは基本を押さえることが何よりも大事です。今回は、投資の基本的な考え方や、iDeCoとつみたてNISA(ここではNISAではなく、つみたてNISAを前提にします)の使い分けをSさんへの回答とさせていただきます。ぜひ、参考にされてください。

資産分散・長期投資・時間分散を肝に銘じて

リスクを抑えながら運用するコツは3つあります。それは「資産分散」「長期投資」「時間分散」です。特に投資初心者は基本を理解することが大切です。知っていてもなかなか実践できないケースも多いので、ぜひ意識するようにしてください。

まず「資産分散」とは、例えば日本株だけに偏って投資をするのではなく、外国株や日本債券、外国債券など異なる資産を組み合わせましょうということです。その時々で値上がりする資産もあれば、値下がりする資産もあるわけですから、性質の異なる資産に分散することでリスクを抑える効果が期待できます。

そういう意味で、多くの投資家から集めた資産を国内外の株式や債券など、いくつもの銘柄に分散投資してくれる投資信託は、初心者が最も始めやすい金融商品といえます。

「長期投資」の心構えも必要です。資産は日々プラスになったり、マイナスになったりと上下を繰り返しながら推移するものです。これらの値動きに一喜一憂せず長い目で付き合っていきましょう。私は、10年は使わないというような資金を投資に回すようにいつも伝えています。

最後に「時間分散」です。投資は安く買って高く売ることで利益が出るわけですから、まずは安く買いたいものですよね。ただ、安く買えたかどうかは時が経って振り返ってみなければ分かりません。安いと思って買っても高値づかみだったということも起こり得ます。

そのため、売り買いするタイミングの影響を抑えるために有用なのが、投資する時期を分ける時間分散、つまり”積み立て”が良いということになります。「資産分散」「長期投資」「時間分散」の意味をきちんと理解して運用を始めましょう。

iDeCoとNISAを上手に使い分けよう

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【画像出典元】「iStock.com/Indysystem」

これらを踏まえたうえで、「iDeCo」と「つみたてNISA」を上手に使い分けましょう。Sさんの場合は、子供の大学費用と老後資金が必要になってきます。よくiDeCoとつみたてNISAはどちらがいいかと質問を受けますが、私は基本的にどちらも始めるべきだと思います。

iDeCoの掛け金は全額所得控除の対象となるため、収入に対して納める税金が安くなり、節税効果が高く魅力的です。さらに、投資で得た利益等にも税金がかかりません。ただし、原則60歳以降でないと払い出しができないという点に注意が必要です。

つみたてNISAは、掛け金の所得控除はありませんが、投資で得た利益に税金がかからない点ではiDeCoと同じです。払い出しはいつでもできます。

例えば、Sさんが毎月3万円貯蓄できるとすると、定期預金に1.5万円、つみたてNISAに1万円、iDeCoに5000円など、それぞれ振り分けます。そして5年後、10年後にお子さんの大学費用を始めとした教育費やまとまった資金が必要な時期に、それぞれの掛け金の合計がいくらになっているのかを計算します。もしつみたてNISAの運用がマイナスとなっていた場合に、定期預金でカバーできそうかどうかも考えながら、3万円の振り分けを調整していきます。

それらを考えるときに、今すでにある貯蓄や今後のボーナスからの積み立て分も含めて考えるといいでしょう。投資額が多く感じるなら、定期預金に積み立てる割合を増やす、反対にもう少し投資に回せそうならつみたてNISAやiDeCoに積み立てる割合を増やすというように考えてみてください。

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つみたてNISAにも役立つiDeCoの解説本

おすすめの本はいくつかありますが、まずご紹介したいのは、確定拠出年金アナリスト大江加代さんの著書「図解 知識ゼロからはじめる iDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書」です。

これは、iDeCoのことが学べる書籍で、制度の仕組みはもちろん金融機関選びや前述のような投資のコツ、投資信託の選び方なども記してあります。投資はつみたてNISAにも役立つので一石二鳥です。ぜひ手に取ってみてください。

投資は実際にやって肌で感じなければ分からないことも多いようです。まずは、投資の基本を大切にしながら始めてみましょう。頑張ってください。