結婚したら60万円もらえる!?「結婚助成金」の対象をチェック!
内閣府が少子化対策の一環として実施している「結婚助成金(結婚新生活支援事業)」。2021年に従来の30万円から2倍の最大60万円が補助されるなど、条件が緩和され、支給対象が広がりました。これから結婚を予定されている方はこの機会に、自分が給付対象なのか、確認しておきましょう。
20~30代の1割程度にしか知られていない「結婚助成金」
みなさんは、新婚世帯にかかる費用の補助としてお金がもらえる制度があることを、ご存じでしょうか?
先日、2021年4月から現行の制度が改正され、対象者の条件(所得や年齢)が変更されるとともに、給付額が現行の30万円から60万円に拡大されると報道され、話題になりました。
しかし、結婚の多い世代にとって、この制度の認知度は低いようです。冒険社「プラコレ」が20代から30代女性に結婚助成金について調査したところ、制度があることを知っていたと回答したのは全体の13%だったそうです*。
*参照:PR TIMES
助成金の対象は「引越し費用」と「新居の住居費」
この制度の内容を見てみましょう。
この制度は、少子化対策のひとつとして、新婚世帯の家賃や引っ越し代など、新しい生活にかかる費用を補助するものです。例えば挙式代金や新婚旅行代金などは対象外となります。助成の対象は以下の通りです。
・引っ越し費用(引越業者への支払い)
・新居の住居費(新居購入費、新居を借りる際の敷金・礼金・仲介手数料、家賃1カ月分など)
申請できる対象は2つの条件を満たした新婚世帯
制度の名前からは、結婚する誰もが対象になりそうですが、対象者は条件を満たした夫婦に限定されています。つまり結婚すれば誰でもお金がもらえるという制度ではありません。
以下の2つの条件に当てはまる新婚世帯が申請の対象になります。
条件1:対象となる夫婦かどうか
どのような夫婦であれば、補助のお金がもらえるのでしょうか。対象となる夫婦には以下の条件があります。
・所得は夫婦で540万円以下(現行は480万円)
・入籍する日の年齢が夫婦とも39歳以下(現行は34歳以下)
「所得が夫婦で540万円以下」という点ですが、これは勘違いが多そうなので注意が必要です。「所得」とは年収の額ではありません。
ここで条件としている「所得」とは「収入-給与所得控除」で算出した額なので、想像している年収よりも小さくなります。
たとえば結婚前、子供なしの会社員の収入が400万円とすると、給与所得は給与所得控除134万円を差し引いた266万円になります。
夫婦になる2人がそれぞれ400万円の年収だったとしても、266万円×2名=532万円となり、制度改正後の世帯所得540万円の条件に当てはまります。
また、結婚に際して夫婦のうち1人が退職する場合は、離職票を提出することで、所得を0と算出することができます。
少子化対策の施策である結婚助成金です。その対象の年齢上限が引き上げられたことは、近年の晩婚化と出産年齢がひと昔前と異なり上がってきている状況に合わせたものです。
条件2:住む地域が対象かどうか
まずは、新居となる自治体が、この補助制度に参加しているかを確認しましょう。というのも日本全国すべての自治体が実施しているわけではないのです。
対象の自治体は内閣府HPにて確認ができます。
申請方法と問い合わせ先は?
申請は、制度を実施している自治体(市区町村)にします。問い合わせも同様です。申請に必要な書類については、各市町村に確認しましょう。例として千葉市の申請書類をみてみると、以下の16種類の書類があります。
1)補助金申請チェックリスト
2)補助金申請書
3)誓約書
ここまでは市のホームページからダウンロードできます。
4)婚姻を証明する書類
5)世帯全員の住民票
6)新婚世帯の総所得が分かる書類
7)市税の滞納がないことの証明
ただし5、6、7は個人情報確認同意書の提出で省略できます。
8)住居の売買契約書の写し(住居を購入したとき)
9)住居の売買請負書の写し(住居を新築したとき)
10)住居の賃貸借契約書の写し
11)住居手当支給証明書(勤務先から手当がある場合)
12)新居の住居費を支払った証明(領収書):取得費、賃料、敷金、礼金、共益費、など
13)引越しにかかる費用の領収書
14)奨学金貸与証明書
15)耐震基準適合証明書
16)離職を証明する書類
※14、15、16は該当者のみ
「1月は損で12月は得?」結婚のタイミングは年末ギリギリが正解のからくり
結婚する2人の年齢や所得、また住む地域の条件が合えばこの生活支援事業制度の恩恵を受けられます。結婚を予定している方は、まずはお住まいの自治体がこの制度を実施しているか確認して、対象になるなら、書類の準備など進めておくと良いでしょう。