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不妊治療も対象、医療費控除があるのはいくらから?対象にならないものに注意 (2ページ目)

ふやす 内山 貴博

医療費控除の申請方法・必要なもの

医療費控除は年末調整では対応できないため、確定申告が必要となります。初めての人は会社からもらった源泉徴収票と医療費等の領収書をそろえ、税務署の相談窓口などで教えてもらうのが良いかもしれません。

ただし、医療費控除を受けること自体、それほど複雑ではありません。税務署にある手引きなどを参考に、一度挑戦してみてください。

なお、確定申告は通常2月16日から3月15日までですが、会社員で納付税額が無く、医療費控除により還付を受けるのみということであれば、年明け以降すぐに手続きを行うことができます。2月に入ると税務署も混雑してきますので、1月に手続きに行くことをおすすめします。

なお、イータックス(電子申告)を利用する場合は医療費の領収書を提出する必要はありませんので、しっかりと保管をしておけば大丈夫です。領収書の保存期間は5年間です。

薬局やドラッグストアで買った薬も控除の対象に?(セルフメディケーション制度)

薬局で薬を買う人
【画像出典元】「stock.adobe.com/Jacob Lund」

「1年間にそれほど医療費はかからない」という人は医療費控除を受けることができません。医療費が少ないのはうれしいことですが、できれば税負担を軽減したいというのが正直なところです。そういう人はセルフメディケーション税制が適用されるかもしれません。

文字通り「セルフ」であるため、自分自身で薬局やドラッグストアに行き、購入した風邪薬など特定一般用医薬品等の購入費が以下の金額を超える場合、医療費控除の対象となります。

「支払った特定一般用医薬品等購入費」-「保険金などで補てんされた金額」-「1万2000円」=医療費控除の対象となる金額

・通常の医療費控除との併用はできない
軽微な体調不良であれば、自身で薬を購入して様子を見る。こういった人を対象にした制度です。同制度は通常の医療費控除よりもハードルが低く、1万2000円を超えた額が控除の対象となります。月1000円程度なので、年間で1万2000円を上回る可能性が十分にありそうです。なお、通常の医療費控除かセルフメディケーション税制、どちらかの適用となりますので、その点注意してください。

・健康診断等を受けることが条件
セルフメディケーション税制の場合、「軽微な場合は病院に行かず薬局等で薬を購入する」ことを前提にしているため、それが原因で大きな疾病などを見逃してはいけませんよね。そこで、セルフメディケーション税制を利用したい人は健康診断などを受けていることが同制度の適用条件になっているのです。納税者が負担した家族分の薬代などが対象となりますが、家族全員が検診を受ける必要はありません。納税者が受けることが条件となります。

<セルフメディケーション税制を適用するための健康の保持増進および疾病の予防取り組み>
・特定健康診査
・予防接種
・定期健康診断(事業主検診)
・健康診査
・がん検診

※セルフメディケーション税制は2021年までの制度です。

まとめ

・医療費控除は通常年間10万円を越えた医療費が対象に
・対象となるものと無いものがあるため要注意
・それほど病院に行く機会が無ければセルフメディケーション税制を

医療費控除を受けたことがある人の中には、年の初めに「医療費・領収書入れ」とお菓子の空き箱などに記入し、1年分の領収書をためている人もいます。そして年末に「今年は10万円に届かなかった・・・」と悔しがるケースもあるのですが、本来、医療費はなるべくかからないに越したことはありません。

医療費控除の適用によって税負担が軽減されるのはとても助かりますが、そもそも健康に気を付け医療費自体がかからないことが家計にとっては一番です。
医者いらず・そしてFPいらずの健康な体と健全な家計を手に入れたいですね。

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医療費控除についてのQ&A

Q.医療費控除を行い税金が還付される際、どのように還付されますか?

A.還付を受けるには確定申告が必要となりますが、その際に還付金を受け取る銀行口座を記入することになります。その口座に申請後1カ月程度で振り込まれます。早めに手続きを行うほど早く還付されますし、イータックスを利用した方が一般的に早く還付を受けることができます。

Q.会社員なので今まで年末調整のみでしたが、医療費控除をきっかけに初めて確定申告をします。青色申告だと特別控除があると聞いたことがありますが、青色で申告できますか?

A.原則できません。青色申告は不動産所得、事業所得、山林所得がある人が対象のため、もし、給与所得のみであれば青色申告で特別控除を受けるということはできません。

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