お金

増加中の「社内副業制度」って何?導入理由や事例を紹介

ためる

増加中の「社内副業制度」って何?導入理由や事例を紹介

【画像出典元】「bizvector- stock.adobe.com」

「働き方改革」が進む中で、副業・兼業を促進していこうとする動きが見られます。これまでは社外での「副業」を持つ人が増えていることが注目されていました。その一方で、今新たに大手企業の一部では、社内やグループ内で複数の業務を行う「社内副業」「グループ内副業」が促進されています。今回は「社内副業制度」を取り入れている会社の事例を見てみましょう。    

社内副業とは

【画像出典元】「BRAD- stock.adobe.com」

社内副業とは、所属している部署に籍を置きながら、他の部署の新しい業務に携わることができる働き方です。

成功事例として有名なアメリカの3M(スリーエム)は、就業時間のうち15%を本業以外の業務に使える「15%ルール」を設けました。その15%ルールのなかで「ポストイット(付箋)」が生まれたそうです。また、Google(グーグル)でも同様に就業時間の使い方「20%ルール」を設け、様々なプロジェクトを推進しました。

日本でもその動きが導入されつつあります。

社内副業と副業はどう違う?

社内副業は本業の在籍する部署での業務と、他部署の業務とに就業時間を振り分けます。違う事業に関わることで、経験や実績と広い視野が持てるなどメリットが多い働き方です。報酬の有無は企業によって異なります。

一方で、副業とは自分の力で、就業する会社以外の組織や個人との取引が行われるため、別途報酬が入ってきます。

社内副業が増えているのはなぜ?

他部署の業務に関わることで、社員の経験や実績と視野を広げることができるのが社内副業の増加理由のひとつです。

これまでは、その道のスペシャリストとなることが求められていましたが、このところの見通しの立ちにくい時代のなかで、専門性を持ちつつ、幅広い知識や経験を持った人材が求められるようになってきています。「これしかできない」よりも「これを他に転用しよう」と柔軟に考えられる人材が求められているのでしょう。

社内副業を取り入れている企業事例

【画像出典元】「Mathias Rosenthal- stock.adobe.com」

日本で、社内副業を導入している企業をみてみましょう。

KDDI株式会社

正社員を対象に、公募されたKDDIグループ内の部署で、就業時間の20%を使い在籍部署以外の業務をすることができる社内副業制度を実施。副業先の部署での評価も加味した人事考課がされます。

パナソニック株式会社

パナソニック株式会社の社内副業は「社内公募制度」というもので、20年ほど前から始まっています。在籍する部署にいながら、他部署での業務を行います。その比率は最大50%にもなり、しっかりと経験を積むことができます。

ヤフー株式会社

ヤフー株式会社の事例は、社内副業制度とは違うのですが、ご紹介いたします。2020年7月から「ギグパートナー」の募集をし、他社からの副業人材を受け入れ始めました。今まで関わる機会がなかった人材の意見や視点を取り込んだ新しい事業、サービスにつながるイノベーションの創出に生かしたいと考えて、この取り組みを始めています。

「簡単に10万稼げる」はウソ!スマホ副業の詐欺事例と騙されない方法

副業のスタートラインは「細分化」すればうまく行く!

社内副業をすることで、社員のスキルや視野が広がるなどのメリットが認められています。社外で副業を始める前に社内副業から始めて、経験を積み上げていくことができますし、会社としては、優秀な人材の能力を社内で生かすことができます。社内副業の制度があるならば、チャレンジしてみるのもいいですね。