貯金なし30代独身女子だけど、マンション購入できる？【FP相談解説】
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目次
今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、貯金はないけれどもマンションを購入したいという30代の女性からのご相談です。家を買うにあたって、なにから始めればよいのでしょうか。一つひとつ解説していきます。
貯金なし独身30代女性Nさんの相談
30代後半、貯金なしの独身ですが、マンションの購入をしたいと考えています。ローンを組むにも年齢が上がると難しくなりますし、貯金なしでもマンションは購入できるのでしょうか。
貯金なしでも住宅を購入するには
今回のNさんに限らず、貯蓄があまりないけれど住宅を購入したいという要望は少なくありません。頭金、借りる際の年齢、完済時の年齢、全体的なマネープランに分けて1つ1つ見ていきたいと思います。
頭金なしでも条件次第でローンは組める
結論からお伝えしますと、貯蓄がなく頭金が用意できなくても住宅を購入できます。今は諸費用も含め、住宅購入額に対して100％の住宅ローンを組める銀行が多いためです。勤続年数や年収など条件を満たせばNさんも頭金なしで購入可能でしょう。
一般的に「頭金は2割必要」といわれることがあります。もちろん頭金が多い方が借入額も少なくなりますし、返済の負担も軽減されます。頭金が多いに越したことはありませんが、Nさんが今から頭金を貯めるとすると2年～3年、あるいはそれ以上に時間がかかるかもしません。もちろん、その間に現在の家賃も払っていく必要がありますよね。
「手元資金がないから」とあきらめず、購入後の返済方法など計画をきちんと立てることに目を向けてください。
頭金2割の理由は？
「頭金2割」の根拠の1つが、例えばNさんが新築物件を3000万円で購入したとします。Nさんが入居したことで、この物件の価値は「中古」となります。一気に価値が下がるわけです。
もしNさんが2～3年後に物件を売却することになった場合、売却価格は2500万円程度かもしれません。購入額や諸費用を全て住宅ローンで購入している場合、ローン残高はおそらく2500万円以上残っているでしょう。すると売却代金でローンを完済できないという事態が想定されるのです。
頭金を２割拠出すれば当然ローン残高が少なくなります。それにより、どの局面でも市場価格とローン残高に大きな差が生じないため、健全なローンの組み方となるわけです。
ただしこれは、「マイホームを買ってすぐに売却する」といったシナリオを前提にしています。そのような状況にならなければよいだけです。また、最初から中古を購入していれば、物件価値とローン残高に大きな開きが出ることも回避できます。
住宅購入時の平均年齢、ローン期間は？
Nさんは30代後半ということですが、住宅購入の年齢として決して遅くはありません。以下が平均的な住宅購入時の年齢です。
（出所）国土交通省 住宅市場動向調査報告書（2018年）一部抜粋
平均を1つの目安にすると決して遅くありません。もう数年間ゆっくり検討するのも1つだと思います。
完済時の年齢は？
現在は、完済時の年齢を80歳～85歳未満とする銀行が増えています。よって40歳から35年ローンを組むことも十分可能です。ただし、「ローンが組める」ことと「ローンを返せる」ことは別です。会社の退職金、老後の年金見込額など可能な限り情報を入手することが、適正な住宅購入額、ローン期間等につながっていきます。
ローン返済をしながら貯蓄体質へ
Nさんの最大の懸念材料は、これまで貯蓄をしていないというお金の管理方法かもしれません。今まで色々な事情があったと思いますので一概には言えませんが、30代後半で独身であれば、手取りのうち貯蓄に回せる割合が高く、一定の貯蓄額を有していることが一般的です。
自己分析をして浪費しがちであれば、今のうちから家計管理の方法をしっかり見直しておいてください。1つの目安は現在の家賃程度の返済額になるような住宅ローンを検討するのが良いと思います。マンションということですので、固定資産税に加え、修繕積立金や管理費といった維持費がいくらぐらいになるのか？ということもポイントとなります。
一方、住宅ローン控除やすまい給付金など住宅を購入する上で受けることができる恩恵もあります。これらは、Nさんの所得水準次第で減税額や給付金の額が決まります。物件購入を検討するにあたり、このような仕組みを調べながら、現在負担している所得税や住民税の額など、細かく確認してみてください。お金の知識を身に付けておくことが何よりNさんのスムーズな物件購入につながると思います。
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