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投資でマンションを購入したいけど、その後の選択肢は?/20代独身女性相談

FPにききたいお金のこと 白浜 仁子

投資でマンションを購入したいけど、その後の選択肢は?/20代独身女性相談

Wallet+ユーザー様からいただいた「FPに聞きたいお金のこと」に、白浜がお答えします。今回は、マイホームを購入するかどうか迷うシングル女性からの相談です。

20代独身女性Fさんの相談内容

今年社会人になったのですが、投資としてマンションを購入するという選択肢があると聞きました。マンション購入後に結婚することになった場合、住居が変わる可能性がありますが、その時の選択肢(売却・人に貸し出すなど)を知っておきたいです。
結婚する可能性がある場合、マンションを購入するのはリスキーでしょうか?

人生の変化を想定しながら考えてみましょう

家の模型を眺める女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/Halfpoint」

資産形成を目的として居所を購入することを検討されているのですね。
気になっておられるのは、将来、結婚することになった場合に、生活の拠点を買ったマンション以外とすることになった場合の選択肢についてですね。大きな買い物なので先のことも踏まえて検討しておきたいですよね。

空き家のままというのはもったいないので、Fさんがお考えのように、通常は賃貸として人に貸し出すか売却という選択肢になると思います。それぞれについて押さえておきたい事柄や注意点を見ていきましょう。

マイホームを賃貸として貸し出す=オーナーになる、ということ

最初に賃貸物件として人に貸す場合からです。

賃貸の魅力は、住まなくなったマンションを人に貸すことで定期的な賃料収入が得られることです。お金を生む資産になるので、生活を支えるエンジンが給与以外にもうひとつできるイメージです。得られた賃料で住宅ローンやマンションの管理費・修繕積立金の支払いができれば、手出しなしにマンションという固定資産を手にすることが可能です。他にも固定資産税や火災保険料の支払いもありますので、これらも賃料で賄いたいもの。その上で、貯蓄に回せるような余裕があれば言うことなしです。

賃料収入は不動産所得となりますので、原則、給与と合わせて確定申告が必要です。もう少し丁寧に話すと、不動産所得が20万円を超える場合は確定申告が必要で、20万円以下の場合はその必要がありません。しかし20万円以下であっても確定申告をした方がメリットとなるケースもあります。

それは「不動産所得が赤字になった場合、赤字分は給与所得と通算できる」ということです。つまり、給与所得が減るため、給与から事前に源泉徴収されていた所得税が還付されるなど、減税につながるのです。

マネープランのポイントは以下の3点です。
・収入を増やす
・支出を減らす
・資産運用


そういう意味で、マンションを賃貸として人に貸し出すことは、
・家賃での収入アップ、
・ローン等は家賃で返済し、節税にもなるため支出のダウン
・マンションという固定資産を手に入れて資産運用

という3つを同時に実現できる可能性があると言えます。

このような話をすると賃貸が最良に思えますが、「可能性」と記したように、必ずしも上手くいく訳ではありません。

例えば、入居者が見つからない場合、その間は収入ゼロです。ローン等の支払いは待ってはくれませんから、手持ちの給与や貯金から賄っていかねばなりません。もし毎月の支払いが10万円だとしたら、空室が半年続けば60万円、1年なら120万円の負担です。つまり、空室リスクについてもある程度想定しておく必要があります。

空室リスクについては、購入したマンションのニーズがどれだけあるかに左右されます。単身タイプなのかファミリータイプなのか、駅近なのか、郊外の住宅街なのか。賃貸を想定しながらマンションを購入されるなら、借りる人の立場になって客観的に考える必要があります。ひと部屋の賃貸とはいえ、りっぱな不動産オーナーです。経営者という目線で考えていくことがカギを握るということを覚えておきましょう。

売却する場合は、保有期間がポイントに

マンション投資
【画像出典元】「stock.adobe.com/taa22」

次に売却する場合について見ていきましょう。

売却は、購入した時より高く売れればよいため、賃貸に比べると仕組みはシンプルです。筆者の住む福岡市では近年不動産市場が活況なため、クライアントの中でも、長く住んだ自宅を購入当時の価格以上で売却できるケースは珍しくありません。

ただ地域によって違いがありますし、近年の動きが今後も続くという訳ではありませんので、Fさんが希望する地域の現状や今後の動向を調べる必要があります。複数の不動産会社に出向いて話を聞いてみるのも良いでしょう。

売却した場合の税金の仕組み

税金の仕組みにも簡単に触れておくことにしましょう。売却して利益が出た場合は、譲渡所得として税金を納めます。売却した年の1月1日時点で保有期間が5年未満なら39%と結構高い税金を納めることになりますが、5年超なら半分の20%です。さらに10年超なら14%と保有期間によってずいぶん違いがあることが分かります。

そもそも、マイホームを売った時の特例として一定の要件を満たせば3000万円の特別控除 が利用できるため、通常は、3000万円以上の利益がでることは少ないので、儲けをなかったことにも。

つまり、色々申し上げましたが、基本、税金は掛からないと考えて良いでしょう。ただし、結婚後に夫婦でマイホームを購入する場合、購入の時期によっては所得税が安くなる住宅ローン控除が利用できなくなることもありますので、そのようなことも考えながら利用すると良いでしょう。

安くしか売れなかった場合は住宅ローンに注意

もし購入時より高く売れなかった場合は、損をすることになります。売却すると同時に住宅ローンは一括返済する義務があるため、安くしか売れなかった場合には特に注意が必要です。その場合、不足する分は手持ちの貯蓄を取り崩して完済しなければなりません。

物件が将来どの程度値下がりするのかについては、不動産サイトを参考にする方法もあります。同じ地域で似たような条件のマンションを見つけ、築年数が古くなるといくらで売却されているのか調べてみると良いでしょう。もし売却した時に損をしてしまったら、「マンション購入をしなかった場合に支払ったであろう賃料相当額までのマイナスなら納得できる」とするのも考え方の一つでしょう。

筆者のクライアントには、シングルでマンション購入をしている方もいらっしゃいます。人生はどのように変化していくのか誰も分かりません。だからこそ可能性をそれなりに想定し、臨機応変に対応できるように選択肢をもって心構えをしておくと安心です。Fさんの心がワクワクできるような良い選択をしていけると良いですね。

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