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資格取得は国の「教育訓練給付金制度」をお得に活用!一体いくらもらえるの?

そなえる 中村 賢司

資格取得は国の「教育訓練給付金制度」をお得に活用!一体いくらもらえるの?

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終身雇用という概念が崩れた現在の日本では、就職先を数年で退職し、転職する人も少なくありません。こうした転職に備え、キャリアアップのためにさまざまな資格取得を目指している人もいるでしょう。

今回は、資格取得によるスキルアップを支援する制度として活用できる、雇用保険の「教育訓練給付制度」についてお話ししましょう。

 

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教育訓練給付制度とは

「教育訓練給付制度」とは、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした雇用保険の給付制度です。働く人のキャリアアップや能力開発を支援する制度で、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講した際に、その教育訓練に係る経費の一部が雇用保険から給付されます。

この教育訓練給付金は、幅広い講座が対象となっている「一般教育訓練給付金」と、より専門的で中長期的なキャリア形成を目的とした「専門実践教育訓練給付金」の2種類があります。

対象となる講座には、ビジネス英語(TOEIC)やそれ以外の外国語講座(フランス語、イタリア語、ドイツ語、中国語など)、簿記、ITスキルを上げるWordやExcel等の資格取得講座、士業と呼ばれる税理士、社労士、行政書士、宅建士などの資格取得講座、その他にも大型免許やフォークリフト等の免許取得などもあります。

教育訓練給付制度を利用できる人の条件とは

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初めてこの制度を利用する場合は、雇用保険に1年以上(専門実践教育訓練給付の場合は2年以上)加入していることが条件となります。この制度は何度でも利用することができますが、2回目以降は、雇用保険の被保険者期間が前回受講開始日より3年以上、前回の支給決定日から3年以上という条件があります。

また、退職している場合でもこの制度を利用できますが、退職後1年以内に受講を開始する必要があります。妊娠、出産、育児、疾病などで教育訓練を受講できなかった場合は、特別に最大20年以内まで受給可能とするよう平成30年1月に改正されました。 

教育訓練給付金はいくら支給されるの?

一般教育訓練給付の場合、支給される給付金の額は、支払った受講費用の20%(上限額10万円)です。専門実践教育訓練給付の場合は、受講費用の50%(上限額40万円)で、受講終了後1年以内に資格取得もしくは就職した場合は20%(上限16万円)の追加支給があります。

教育訓練給付金を利用するには

訓練終了日の翌日から1カ月以内に原則として本人の住所を管轄するハローワークに申請に行く必要があります。申請には下記の書類が必要となるので、事前に確認しておきましょう。

特定一般教育訓練給付制度とは?

「特定一般教育訓練」とは、一般教育訓練よりも再就職しやすい高度な資格を取得するために受講する教育訓練のことで、令和元年10月から追加されました。具体的な資格としては、税理士、社労士、行政書士、宅建士や保育士、中型・大型自動車運転免許などがあります。

支給額は、一般教育訓練の2倍、受講費用の40%(上限額20万円)の給付を受けることができます。

利用できる人の条件は一般教育訓練と同様で、初めて利用する場合は雇用保険の被保険者期間が1年以上、2回目以降の場合は被保険者期間が前回受講開始日より3年以上となっています。

また、訓練開始の1カ月前までに訓練前キャリアコンサルティングを受講して、ジョブ・カードを作成する必要があります。さらにそのジョブ・カードを受講開始の1カ月前までに教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票と併せてハローワークへ提出しなければいけません。

特定一般教育訓練給付は、速やかな再就職と早期のキャリア形成に資する講座について支給されるもので、具体的な講座については、下記厚生労働省のホームページにてご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20166.html

失業した場合は生活費をもらいながら資格取得に専念できる

資格取得を目指す人々
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もしあなたが45歳未満であれば、失業・離職して1年以内に専門実践教育訓練を受講した場合は、教育訓練支援給付金が支給されます。

この教育訓練支援給付金とは、失業状態でも専門性の高い資格にチャレンジする人を応援する制度で、雇用保険の基本手当の80%を訓練受講が終了するまで受給することができます。

よって訓練受講期間中は収入や再就職のことを気にすることなく生活ができて、資格取得に専念することができます。

支給条件は、講座開始時の年齢が45歳未満、受講している講座が通信制や夜間制でないということが条件です。
詳しくは厚生労働省のリーフレットにてご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000571214.pdf

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