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本当に扶養内パートが正解?正社員とパートでは生涯年収は驚きの差! (2ページ目)

ためる 内山 貴博

FPがアドバイスする働き方プラン例

FPとして子育て世代の相談にも数多く応じてきました。また私自身も子育てと向き合った経験も踏まえ、以下2つプランを提案します。

自宅で仕事をする小さい子供の母親
【画像出典元】「stock.adobe.com/Flamingo Images」

①    子供が小学生になるまでは専業主婦、小学校高学年になるまでは年収100万円未満

子供が小さいうちは子育てを優先するプランです。小学生高学年ともなれば留守番も含め格段にできることが増えます。よって低学年まではなるべく家にいて子育てを中心に行い、可能な範囲で働くというものです。

就学前に働くとなると保育料なども気になります。世帯年収で保育料が決まりますので、子供を預けて月数万円のパートとなると、パート代の大部分が保育料になるというケースも。家計が許すのであれば就学前は子育てに専念し、小学生になったあたりからパートをはじめる。1つの目安として年間100万円以内が良いと思います。

103万円でもいいのですが、住民税が課税されますので、全く税金等の負担が生じないのが100万円以内です(自治体によって多少の違いがあります)。
子供が学校に行っている時間は働けるとはいえ、まだまだ手のかかる時期です。週3~4回程度、負担にならない程度でパートをし、高学年あたりから勤務時間を増やしていくというプランです。

②    産休・育休を活用し、正社員としての勤務を続ける

子供が1歳あたりから職場復帰し、フルに働くプランです。今回取り上げたように扶養の範囲内で働くことは一定のメリットがあります。ただし、当然その分世帯収入は減ることになります。社会保険料や税金のことはあまり気にせず働ける機会、場所があるのであれば正社員として働き続けることを優先する考え方です。

ダブルインカム(共働き)の世帯は貯蓄もしやすく、ライフプランの可能性も広がります。夫婦それぞれイデコに加入し、老後に備えながら税金の負担を軽減することもできます(イデコの掛金は全額が所得控除となります)。正社員として勤務を継続することで昇進、昇給、退職制度など各種制度でも不利に働くことはないでしょう。働くのであればしっかり働くというプランです。

税金、社会保険料を意識しながらも自分たちの価値観を最優先に

扶養の範囲内で働くのであれば、「何を優先するのか」をしっかりと考え、各家庭それぞれに適した「壁」を意識しながら働いてください。また「社会保険料はできるだけ払いたくない」という気持ちも分かりますが、その分、将来の年金が増えるといったメリットもあります。目先の手取りだけではなく長期的な視点が重要です。

さらには仕事へのやりがい、生きがい、そして家族の時間、子育てへの向き合い方といった要素も踏まえたいですね。むしろそういったことの方が大切かもしれません。「扶養の範囲内」について知識を整理しながら、自分らしい働き方を探求してください。

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扶養内パートで働くことについてのQ&A

Q.失業保険を受給している間、健康保険の扶養に入ることができますか?

A.原則「年収130万ペース」を下回っていれば失業保険受給中でも扶養に入ることができます。一般的に失業給付の日額が3612円以下ならば扶養に入ることが可能です。ただ、夫の会社の健康保険組合などによっては取扱いが異なる可能性があるため、念のため確認してください。

Q所得税が課税されない103万円以内を意識して働いているのですが、先日勤務先からの給与明細を見ると所得税が源泉徴収されていました。なぜですか?

A.毎月の源泉徴収額は「その月の給与の額」によります。よって年収が103万円以内でも各月の給与に変動があれば、給与が多い月に源泉徴収されることはありえます。もし税金が引かれていても年末調整で調整されますので安心してください。

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