ペット保険、治療費はどこまで補償される?後悔しない選び方とは
ペットを飼うなら知っておきたいのがペット保険。愛するペットがケガや病気になった時に、ペット保険に入っておけばよかった…と後悔しないためにも、賢い飼い主ならぜひ検討しておきたいものです。
そこで、ペット保険は本当に必要なのか、またペット保険を選ぶ際に押さえておきたいポイントについてご紹介します。
ペット保険の補償範囲や対象は?
ペット保険とは、ペットがケガや病気などで通院・入院・手術などが必要になった場合にその治療費を補填してくれるもの。ペットの治療は自由診療のため、基本的に全額が飼い主の自己負担です。ちょっとした手術でも、驚くほど高額になる場合があります。
そこで飼い主の経済的負担を軽くするために、人間における公的な健康保険や民間の医療保険のように、事前にペット保険に加入しておくという方法が広がっているのです。
商品によって違いますが、ペット保険で補償されるのは大きくは以下の3つです。
1:通院費
動物病院にかかった際の診療費・処方薬代など
2:手術代
手術費用や麻酔費用など
3:入院費
ペットの入院費用
他にも特約として、損害賠償や葬祭費用などのオプションを付けられる商品もあります。
ただしペット保険では、ワクチン接種や避妊・去勢手術、健康診断など、予防のための医療費は補償の対象外となるケースが多いので要注意。また、既往症や、犬や猫の種類によってかかりやすいとされる病気は補償の対象外となることもあるので、事前の確認も大切です。
ペットの治療費はどれくらいかかる?
気になるのがペットの治療費ですが、いったいどのくらい必要なのでしょうか。
ペット保険を取り扱っている「アニコム」が行っているアンケート調査「家庭どうぶつ白書2021」を見てみましょう。
「ペットにかける年間支出調査」によると、2020年1年間でかかった費用の平均総額は、犬:33万8561円 、猫:16万4835円。そのうち「ケガや病気の治療費」について、犬の平均は6万430円、猫は3万1848円となっています。
また、同調査の「犬と猫の寿命」では、2019年度の犬の平均寿命は14.1歳、猫は14.3歳で、これは年々延びています。老齢になるにつれ病気になりやすくなり、医療費の負担が増えるのは人間と同じです。
診療別の金額例も確認しておきましょう。「アイペット損害保険株式会社」の診療費ケーススタディによると、
混血猫 3歳 皮膚炎で通院1日の場合:7000円
トイプードル 0歳 骨折で手術ありの場合:30万8700円
このように、ちょっとした病気でもそれなりの出費になったり、手術やMRI・入院などが必要になると高額になる場合も多くあります。
一方で、ペット保険の保険料もそれほど安くはありません。「ペットにかける年間支出調査」のうち、「ペット保険料」の項目では、犬の平均は4万6895円、猫は3万4929円。猫の場合は、治療費の平均より保険料の平均の方が高いという結果になっています。
ペット保険は、急な高額出費に備えるために加入しておけば安心だと言えそうです。ある程度の備えがなければ、いざという時に高い治療費が払えず、大切なペットの治療の範囲を狭めてしまう可能性があります。
ペット保険の選び方のポイント
ペット保険を選ぶ際のポイントも確認しておきましょう。
・年齢
対象のペットが新規加入できる年齢が制限されている場合があります。また、年齢によって保険料が高くなることも。12歳頃の保険料をチェックすることをおすすめします。基本的にペット保険は1年更新ですが、継続できる上限が設定されている場合もあるので要注意。
・補償内容
補償対象外の確認はもちろんですが、免責金額(加入者が必ず払わなくてはならない治療費)の有無や、補償割合(保険会社が負担してくれる治療費の割合)も要チェック。もしもの時に自己負担が少ないほど保険料は高額になります。その他、年間の保険金支払限度額や支払回数の上限が設定されていることも。
・精算方法
一般的には、治療費を一度全額払ったうえで保険会社に保険金を請求しますが、病院や保険会社によっては、保険の補償分を差し引いた金額を窓口で支払う方法が可能な場合もあります。
ペット保険、「補償対象外で愛犬を守れないトラブル」を回避する賢い選び方
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ペットの種類や大きさに応じた必要性、また日頃の診療に何度も使用できる補償がいいのか、手術など大きな出費に備えたいのかなどによって、ペット保険の選び方は変わってきます。目的に合わせて、保険料と補償内容のバランスを考えることが大切です。