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30代で貯金1000万到達は可能?FP推奨の効率よく貯めるコツ (2ページ目)

ためる 内山 貴博

株式や投資信託で一歩先の資産運用も視野に

資産運用
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ここまで「貯金」、「貯める」といった表現を使ってきましたが、「金融資産をふやす」という観点で株式や投資信託といった投資を行うことも大切です。特に日本国内は金融政策などの関係で銀行預金の金利は非常に低い状況です。リターンを得るためにはリスクを取らなければなりません。ただし、毎月積み立てるなど時間を分散することでリスクを抑えることになり、時間をかけて大きな成果へとつながっていきます。

「損をしたくない」と思う人も多いですが「何もせずに手元に置きっぱなしにしていることがもったいない」と考えることができるようになるといいですね。

投資初心者の方はいきなり手元資金を投資に回すというのは抵抗があると思いますので、月々の積立を預金半分、投資信託半分といった具合に今後の積立分から少しずつリスクを取り、その後、手元の余裕資金の一部も投資に回していくというステップを踏んでください。

ただ、慣れてきた頃に相場展開が良いと「もっと投資で利益をあげたい。全部投資信託にしたい」といった考えに至る人もいますが、それは注意が必要です。少なくとも生活費の3カ月~半年分は安全性の高い銀行預金で管理する。10年程度使う予定のないお金はリスクを取る。こういったお金の管理が大切です。

「老後2000万円」は60歳までに貯めておけばよいのか?そもそも2000万円でいいの?

令和元年の金融審議会 市場ワーキング・グループの報告書がきっかけで話題となった「老後2000万円問題」ですが、同報告書においてはさまざまな調査結果やデータが記載されており、その中で高齢世帯が月5万円程度赤字になっている現状が指摘されていました。

現役世代に比べ支出は2~3割減るものの、収入も年金が中心となり減少。差し引きすると約5万円赤字となり、老後生活は「20 年で約 1300 万円、30 年で約 2000 万円の取崩しが必要になる」と記述されており、「2000万円取崩し」という表現が大きなインパクトとして、メディアなどで大きく取り上げられました。その後、報告書は撤回されることになりましたが、今や老後の経済的な問題を表現する際に「2000万問題」とすっかり定着しました。

現状の高齢者の状況と、現在の30代がリタイアして年金生活に入る時とでは、状況はまた変わってくるでしょう。ということは、「2000万円貯めれば大丈夫」とは言い切れません。

「年金のみだと月々の収支が赤字になる」という点は、今の30代に関わらず、これから年金生活に入っていく多くの方に共通する課題です。この不安を払拭するために、たとえば「65歳時点で最低でも2000万円は貯める」というのを1つの目安にして、今後の物価上昇、増税、年金制度の改正などを見越し、積極的に金融資産を増やしていき、2000万から3000万、その次は5000万という具合に、徐々に目標を上方修正していければ理想的です。

1000万円や2000万円は1つの目安、ご自身の価値観を大切に

貯金を増やす
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30代で1000万円はやや高い壁ではありますが、「1000万円貯める」という目的を持っておくことはとても良いことだと思います。

・節約と自己投資のバランスを大切に
・達成年齢を定めることで貯蓄プランを具体的に
・投資も視野に入れ、お金のことをしっかり学ぶ

周りの人と比較することなく、自分らしい生き方、価値観を大切に、コツコツ1000万円を目指して、既に1000万円を達成している人は次の段階、2000万円を目指して頑張ってください。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

貯金についてのQ&A

Q.貯金のことを考えた場合、正社員で働くのが最も良い方法でしょうか?

A.必ずしもそうとはいいきれません。非正規雇用やパートと比較すると正社員の方が各種保障も手厚くお金は貯めやすいといえます。ただし現在は働き方も多様化しています。あえて会社を辞めてフリーで働くという人もいます。正社員にこだわらずご自身の能力や強みをいかせる働き方を模索することが、結果、上手に貯金することにつながると思います。

Q.若い人の車離れが進んでいると良く聞きます。貯金するためには車を持たない方が良いでしょうか?

A.今はカーシェアサービスも普及していますので、生活環境や生活スタイル次第では車を持たない方が貯金しやすいと思います。車は購入費のみならず燃料や税金、車検、住環境によっては駐車場代といった維持費もかかります。ただ、ドライブが好きな方が貯金のために車を持たないというのはやや反対です。車に限らず貯金のために趣味など全てを犠牲にするということがないようにしてください。

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