6月からペットのマイクロチップ義務化「うちの子にも必要!?」
2022年6月から動物愛護管理法が改正され、ペットの犬や猫にマイクロチップ装着が義務化されます。そこで今回は、ペットの飼い主さんの「なぜ義務化されるの?」「うちの子も装着すべき?」「マイクロチップっていくらかかるの?」といった疑問に答えます。改正後にどう変わるのか、事前に確認しておきましょう。
なぜ義務化されるの?
1995年阪神淡路大震災、2011年東日本大震災では、多くの犬猫の迷子が発生しました。特に25年以上前の阪神淡路大震災では帰還率も低く、これが日本のマイクロチップ装着の議論のきっかけになったといわれています。
もし、その犬猫がマイクロチップをつけていたとするとどうでしょうか?AVMA(全米獣医師学会)の FAQでは、マイクロチップ装着と未装着の帰還率について、以下のように発表しています。
・未装着の犬の帰還率:21.9%
・装着の犬の帰還率:52.2%
・未装着の猫の帰還率:1.8%
・装着の猫の帰還率:38.5%
【参考】 AVMA FAQ(米国獣医師学会HP)
もし震災のときに犬猫がマイクロチップを装着していれば、かなりの割合で飼い主の元に戻れたに違いありません。また、マイクロチップ装着は、捨て犬・捨て猫対策にもなります。こういったことから、マイクロチップ義務化が法律で定められることとなりました。
そもそもマイクロチップとは?
マイクロチップは長さ8~11ミリ、直径2ミリのごく小さな「電子標識器具」です。チップには15桁の個体識別番号が記録され、リーダー機器で読み取ることで、その動物の個体を識別できます。チップの装着は、専用の注入器を使って獣医師が行います。生後4週ごろから装着できるといわれていますが、成長の差もあるため獣医師と相談してください。
いつから義務化されるの?うちの子も装着すべき?
マイクロチップの装着義務化は、2022年6月1日スタート。その日以降にペットショップやブリーダーが扱う犬猫には、名前、性別、品種、業者名などを、データベースに登録することが義務づけられることとなりました。
また、飼い主についても、2022年6月以降に犬猫を購入する際には、飼い主の名前・住所・連絡先などの情報を登録することが義務づけられます。
ちなみに、すでに飼っている犬猫、チップ未装着の犬猫を譲り受けた場合などは”努力義務”。つまり、今一緒に暮らしている犬猫に関しては、慌てて装着させる必要はありませんが、ゆくゆくは装着させることが必要といえるでしょう。
マイクロチップっていくらかかるの?
装着の費用は動物病院によって異なりますが、1匹あたり5千~1万円程度が相場です。
また、マイクロチップのデータベース登録にも料金がかかります。現在登録できるデータベースの種類は、「AIPO(アイポ)」「FAM(ファム)」などがあります。「AIPO」はデータベースの中でも使用率が高いもので、動物病院を通じて、もしくは電話で申請用紙を取り寄せて申し込みます。「FAM」はほとんどの場合、ペットショップにて行います。かかる費用は、それぞれ以下の通りです。
AIPO:登録費のみ。オンライン申請300円、紙申請1000円
FAM:5年会費2500円
自治体がマイクロチップ装着費用に補助金支給!
自治体によっては、マイクロチップ装着のために補助金を出してくれるところもあります。自分の住んでいる自治体で補助金を行っているかどうか、確認してみましょう。
【横浜市の例】
対象:横浜市民
頭数制限:500頭程
助成金額:1件につき1500円
マイクロチップをつけていると割引になるペット保険も
マイクロチップを装着している犬猫であれば、保険料を割引してくれるペット保険会社もあります。1年単位で見るとそれほど大きな金額ではありませんが、ペットの寿命が長くなっていることを考えると、お得な割引といえます。
愛犬や愛猫の身元証明となるマイクロチップ。迷子対策・災害対策としても、とても有効です。6月以降に犬猫を迎える飼い主さんはもちろん、すでに飼っている飼い主さんも、ぜひ大切な家族を守るために、マイクロチップの装着を考えてみましょう。