お金

海外旅行、クレカ付帯の旅行保険だけでOK?留意したい点は? (2ページ目)

そなえる 中村 賢司

旅行の時はクレジットカードに付いている保険だけでOK?

クレジットカードを持つ女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/Rochu_2008」

保険の掛け方は個人の考え方や価値観に左右されますが、海外旅行時の旅行保険についてはクレジットカード付帯の旅行保険だけでは不十分だと考えます。特に注意をしたいのは現地での医療費対策です。

日本国内での病気やケガであれば3割負担で済みますが、海外においてはそういうわけには行きません。帰国後に手続きすれば、海外療養費の仕組みである程度は戻ってくるとは言え、一時的にでも高額な医療費を自己負担するのはかなり大変です。

また賠償責任保険の補償金額にも注意が必要です。賠償責任というと想像しにくいかもしれませんが、例えば「デパートでカバンが商品に引っかかり、商品を破損した」などの場合に弁償をするようなケースや、ホテルなどで備品を破損したような場合に適応されます。日本と比べ欧米では賠償責任についての意識が強いため、想定外の事態にも備えておいた方が良いでしょう。

またクレジットカード付帯の旅行保険は、旅行開始から3カ月間など、補償期間が決まっていることがあります。長期の旅行であれば、この点も注意しましょう。

保険会社の海外旅行保険の注意点は?

クレジットカード付帯の旅行保険よりも補償内容が優れている保険会社の海外旅行保険ですが、注意点もあります。

①    保険料がかかる

クレジットカード付帯の旅行保険は保険料を支払う必要はありませんが、損害保険会社が販売している海外旅行保険は、別途保険料の支払いが必要です。

補償内容と訪問先で保険料は異なりますが、例えばハワイへ5泊7日で行く場合は約5000円、韓国へ2泊3日で旅行すると約3000円程度の保険料が必要です。旅行日程が長くなると保険料も上がるので、場合によっては大きな出費になることもあります。

ただし近年は、インターネット上で契約すると保険料が半額程度に割引されることも多いので上手に活用してください。

②    旅行ごとに申し込みが必要

クレジットカード付帯の旅行保険は、利用付帯・自動付帯の違いはありますが、保険としての申し込みは不要です。一方で、損害保険会社が販売している保険は旅行ごとに申し込みが必要です。

以前は申し込みの手間がありましたが、上述したようにインターネットで簡単に契約ができるようになりました。また出国当日でも申し込み可能な商品もあります。

③    加入できないこともある

出国前から罹患している病気がある場合、健康状態を告知した際に引受基準に満たないことがあります。保険会社が定める健康状態をクリアできないと旅行保険を契約することができない点には注意が必要です。

海外旅行保険が充実しているおススメのカード4選

クレジットカードを持つ女性
【画像出典元】「Roman Samborskyi/Shutterstock.com」

クレジットカードを選ぶ際に重視するポイントは人それぞれですが、海外旅行に強いカードを探してみましょう。
重視する点は下記の4点です。

下記の4つのカードは現地での医療費の立て替え払いに対応しているものです。年会費が無料のものもあれば、有料のものもあります。

1)dカード
年会費無料で疾病・傷害治療は200万円まで補償、携行品損害もカバーしています。

2)エポスカード
年会費無料で自動付帯。カード会員であるだけで補償されます。疾病・傷害治療も最大270万円まで補償されます。

3)三井住友ゴールド
年会費が必要で利用付帯が条件ですが、補償が充実しています。救援者費用や携行品損害も手厚い内容です。

4)JCBプラチナ
年会費は高いのですが補償内容は非常に充実しており、旅行保険も自動付帯なので安心です。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、海外旅行に行くのはなかなか難しい状況が続いていましたが、その状況も少しずつ良い方向へ向かっています。海外旅行へ出かけるハードルも下がってきました。

「餅は餅屋」といいますが、損害保険会社が販売している海外旅行保険の方がクレジットカードの保険よりも、補償の内容や付帯サービスが充実しています。インターネットの普及に応じて海外旅行保険もネット上で手続きができるようになり、保険料も安くなりました。

筆者の考えとしては、クレジットカード付帯の旅行保険も良いのですが、海外旅行保険も積極的に活用していくことをオススメします。特に緊急時の通訳サービスなどが付いているとさらに安心です。

とは言っても、クレジットカード付帯の旅行保険は保険料が不要であり、自動付帯のカードであればカードを所有しているだけで補償の対象になります。また利用付帯のカードでも、自宅から空港や港に向かう公共交通機関の交通費をカード決済すれば、補償の対象になる場合もあります。

また、ポイント還元率や付帯のサービスでクレジットカードを選ぶのも良いですが、海外旅行時の補償を重視するのも一つの選び方だと思います。クレジットカード付帯の旅行保険は保険料不要で補償を受けることができます。保険を使う機会がない方が良いのですが、自分のクレジットカード付帯の旅行保険でどんなサービスを受けることができるかを事前に調べておきましょう。

旅行保険についてのQ&A

Q.パスポートのローマ字表記とクレジットカードのローマ字が違うのですが大丈夫でしょうか?

A.例えば「新藤さん」のパスポート表記が「shindou」で、クレジットカードが「shindoh」であれば同一人物として扱われない可能性があります。もし空港で航空券を発券してくれないようなことがあれば一大事です。早めに修正することをオススメします。

Q. 海外旅行保険で国内旅行は補償されますか?

A. 海外旅行保険では国内旅行は補償されません。ただし海外旅行に行くための国内での移動中のケガや、帰国後に自宅に戻る途中で発生した事故による損害は補償されます。

  • 2
2 / 2