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【初心者必見】ネット証券で株を始める際のポイントをFPが解説!

FPにききたいお金のこと 白浜 仁子

【初心者必見】ネット証券で株を始める際のポイントをFPが解説!

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今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、ネット証券で株式投資を始めたい40代女性Fさんからの相談です。

40代女性Fさんからの相談

株取引を始めたいと思っています。ネット証券のメリット・デメリットや入金の仕方、株を行う上で知っておくべき言葉(用語)など、ネット証券や株式投資の基本的なことを知りたいです。

手数料が安いネット証券

ネット証券
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ネット証券の魅力は、なんといっても手数料が安いことが挙げられます。店舗を持たず人件費も抑えられるため、手数料が割安にできるのです。1取引100円程度の手数料で株式を購入でき、売買額が大きくなるほど高くなっていくのが一般的です。中には1日の取引が100万円までなら手数料無料と思い切った設定のネット証券もあります。

一方、店舗を持つ証券会社は、1取引の手数料が2800円前後からとなっており、ネット証券に比べて高めの印象です。ただ、店舗を持つ証券会社でも、オンライン専用の証券口座で売買すれば、ネット証券と同じくらいの手数料に設定されている証券会社もあります。

また、ネット証券は、時間を気にすることなく好きな時に注文を出せることもメリットです。仕事や子育てなどで日中忙しい人でも、家事や育児が落ち着いた夜に株取引を行うことが可能です。

ただし、全て自己完結しなければならない点には注意が必要です。店舗の場合は担当者に相談しながら銘柄選びができますが、ネットの場合は、自分で情報収集をして投資先を決めなければなりません。注文画面も自分で操作するため、100株買うつもりが1000株注文してしまったという注文ミスも起こり得ます。

入金方法は大きく3つ

証券口座への主な入金方法は
①銀行振り込み
②即時入金・リアルタイム入金
③スイープサービス

の3つが挙げられます。(呼び名は証券会社により異なります)

①銀行振り込みは、銀行の窓口やATM、インターネットバンキングから振り込むという一般的な方法で、振込手数料がかかります。

②即時入金・リアルタイム入金は、証券口座にログインして、自分が利用している銀行口座から資金を移動させる方法です。手数料は証券会社が負担してくれるのでかかりません。しかし、その証券会社が提携している銀行に限られます。

③スイープサービスは、SBI証券ならNEOBANK(住信SBIネット銀行)、楽天証券なら楽天銀行というように、特定の証券口座と銀行口座を連携し 、株式を購入するタイミングで証券口座に自動で資金を移動させる仕組みです。証券口座と銀行口座を連携することで、口座間のすばやい資金移動ができるだけでなく、通常より高めの預金金利が設定されていることが多いです。こちらも手数料はかかりません。

「成り行き」「指値」は覚えておこう

投資
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株取引で最初に知っておきたい用語は、「成り行き注文」と「指値注文」です。株式は取引時間中、刻々と株価が変化します。成り行き注文とは「注文を出した時点のリアルタイムの株価で売買します」という注文方法です。一方、指値注文は、取引価格を指定して注文をします。

例えば、現在の株価が1000円のA社の株式を「950円以下なら買うんだけどな~」と思った時には、950円の指値注文をします。株取引は売りたい人と買いたい人がいると取引が成立する需給関係にあるため、「950円以上なら売って良い」という投資家がいれば取引が成立するわけです。このような投資家たちの注文状況を確認できるのが下記の「板情報」と呼ばれるものです。株の注文画面で見ることができます。詳細の説明は割愛しますが、今後の参考にしてください。

また、日本には「単元株制度」といった取引単位が決められており、原則100株単位で取引をします。仮に、1株1000円の銘柄を購入する場合は、最低でも10万円(1000円×100株)が必要というわけです。米国株といった外国株に関心を持つ方もいますが、外国株は単元株制度がないため1株単位で購入できます。分からないワードが出てきたらその都度検索しながら、少しずつ専門用語に慣れていきましょう。

1株からの購入もできる

このように日本の株式は100株単位で購入するため、数社の株式を購入したいという時は、それなりのまとまった資金が必要となります。それではハードルが高いという方には、 単元未満でも買える商品がある証券会社もあります。ワン株、プチ株などと証券会社によって呼び名が異なります。

1株から投資できるので多くの株式に分散投資ができ、初心者が経験を積むにも良さそうです。少額ですので値下がり時の損失は小さく、始めやすいと思います。ただ、同時にリターンも限られますので、慣れてきたら投資額を見直すことも考えましょう。

もし、株主優待が目的の場合は、企業が定めている株数を保有していなければ受け取れないので注意が必要です。多くの企業が単元株である100株以上で優待を設定しています。なお、配当金は単元未満株でも受け取れます。単元未満株で買える銘柄は、証券会社ごとに異なるため、気になる銘柄の取り扱いがあるか確認してみてください。

まとめ

2024年からは既存のNISA制度が大きく見直され、新NISAがスタートします。最大1800万円まで非課税で運用できますが、まずは無理のない範囲で投資を始め、慣れることが大切です。 また、ネット証券と一括りにいっても、新規上場する株式(IPO)の取り扱いが得意な証券会社、米国株をはじめとした外国株が買える証券会社、投資残高にポイントが付く証券会社など、それぞれに特徴があります。

手軽さや手数料だけでなく、自分の投資スタイルにあった証券会社を利用すると良いでしょう。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。