Z世代は何にお金をかけている?リアルな購買行動・価値観を調査 (2ページ目)
目次
3.モノ・サービスを選択する基準は「見た目」「気分が高揚するもの」
3つ目は、モノ・サービスを選択する際の基準です。特にX・Y世代に比べて割合が高かった価値観を2つピックアップしてみました。
Z世代はモノ・サービスを選択する際に「見た目が良いもの」を選択する
「見た目が良いモノ・サービスを選択する」と答えたZ世代は57.2%と半数以上です。この背景にはSNSの存在も垣間見えます。SNSで発信することが当たり前のZ世代にとっては、SNS映えする前提でモノやサービスを選ぶ人も少なくないのではないでしょうか。
また前述したように、Z世代はSNSをきっかけに購入する割合が高いことから、SNSでインフルエンサーやタレントが写真と共に発信しているのを見つけ、「かわいい」「きれい」「かっこいい」「ミニマルでおしゃれ」という見た目きっかけで興味をもつことが多いと思われます。さらにそれを買った自分もSNSにアップすることでその輪が広がっていくため、当然企業側も見た目を意識した商品を出すようになる、という循環が生まれているのではないでしょうか。
Z世代は「気分が高揚するもの」を選択する
また、「気分が高揚するモノ・サービスを選択する」と答えた割合も他の世代よりも高いことが分かりました。
以上の2つの価値観を見るに、Z世代は他の世代と比べて、視覚的な感性や、楽しさ・ワクワク感などの「感情的な価値」を重視しているように推測できます。
4.好きなものにお金を使いたい。「サブスク」への抵抗は他世代より低いが、「中古品」への抵抗は高い。
前述してきたもの以外にも、Z世代の購買行動には他の世代と異なる傾向がいくつか見受けられました。それらの価値観について見ていきましょう。
Z世代は「好きなものにお金を使いたい」高校生・契約社員はその傾向が顕著に
「好きなものにお金を使いたい」と考えるZ世代は全体の7割以上にも及び、他の世代よりも高い割合となりました。価値観の違いはもちろん、ライフステージによる違いとも考えられます。
またZ世代に絞り、職業別に見てみると、特に「高校生」や「契約社員」にその傾向が顕著に見られます。
Z世代は「サブスクに抵抗ない」人がX・Y世代よりも多い
「サブスクに抵抗はない」というZ世代は約3割。Z世代だけで見れば3人に1人ですが、X世代と比べると約2倍の割合です。コロナ禍で一気に会員数が増加した動画配信のサブスクや音楽のサブスクなど、定額で利用し放題で、不要になったらすぐにやめることもできるサブスクは、他の世代に比べて収入が少ないZ世代にとって利用しやすいのではないでしょうか。
中古品には抵抗あり
一方、中古品に関しては、他の世代よりもやや抵抗があるようです。中古品よりも新品派が多い結果となりました。
5.お金を借りてでもしたいことは「推し活」「美容・健康への投資」
最後に、お金を借りることに対する考え方を調査してみました。
お金を絶対に借りたくない人は約35%
「何を購入するのであれ、絶対にお金を借りたくない」と考えるZ世代は35.4%。X・Y世代よりも多いことが分かりました。逆に住宅ローンやカーローンを組むことが多いX・Y世代にとっては「お金を借りる」ということに対する抵抗感がZ世代よりも低いと考えられます。
お金を借りてでもしたいことは?
では、「お金を借りても良い」と思っている人は、どんなシーンで借り入れたいと考えているのでしょうか?「お金を借りてでもしたいこと」を回答してもらいました。
その世代別の結果がこちらです。
X・Y世代はほぼ同様の結果となり、「家や車・バイクの購入」に次いで、「子供の教育費」「旅行」「人との交際」と続きます。
一方Z世代はやや異なり、「推し活」「美容・健康への投資」が他の世代よりも高く、自分のための支出としてお金を借りてでもやりたいと考えていることが分かりました。
以上が今回の結果です。
多様なZ世代を一言で括ることは難しいですが、やはり世代間で比較してみると、Z世代ならではの価値観や消費傾向も見えてきました。
今後もZ世代に留まらず、人々の「お金」に関する意識や価値観、行動を探っていきたいと思います。
【調査概要】
・調査対象:Z世代(18~26歳)、Y世代(27歳~42歳)、X世代(43~58歳)
・調査集計期間:2023年12月4日(月)~12月12日(火)
・調査機関:iBankマーケティング株式会社・株式会社みんなの銀行
・調査方法:インターネット調査
・有効回答数:14,998サンプル(Z世代1,993名、Y世代4,631名、X世代8,374名)
※各データは小数点以下第2位を四捨五入しています。
【マネーインサイトラボについて】
マネーインサイトラボは、ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同運営するお金に関する調査・研究組織です。デジタル時代における、人々のお金に関する意識・価値観・行動の変化や、新しい金融サービスの可能性について新たな視点を見出すことを目的に活動しています。